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カビ菌検査という選択肢|落下菌検査と同定検査は、どう使い分けるのか

「検査までは必要ないですよね」とおっしゃる方は少なくありません。実際、すべての現場に必要というわけではありません。ただ、検査でしか答えられない問いがあるのも確かです。今回は、カビ菌検査をどんなときに、どう使うのかを整理します。

結論|検査は「比べるため」と「確かめるため」の2種類

当社が公開しているカビ菌検査には、落下菌検査と同定検査があります。落下菌検査は、浮遊している菌の種類と量をレベルで表示するものです。同定検査は、寒天スタンプで採取した検体を培養し、顕微鏡で観察して種類を確定させます。

落下菌検査は部屋どうしや施工前後を比べるのに向き、同定検査は目の前のものが何なのかを確かめるのに向いています。目的が違うので、どちらが優れているという関係ではありません。

なお、一般の建物内でカビ菌検査を実施したのは、MISTグループが最初でした。もともと専門施設で行われていた考え方を、住宅や一般の建物に持ち込んだ形です。

図1|2つの検査は、答えられる問いが違う。
図1|2つの検査は、答えられる問いが違う。

検査の前に、目視とルーペでできること

文部科学省「カビ対策マニュアル」の実践編は、30倍程度の手持ち顕微鏡やルーペで十分に観察してから採取するという手順を示しています。白い付着物であれば、水に入れて速やかに沈殿・溶解すれば無機の結晶であり、カビではないという切り分けもできます。

つまり、すべてを検査に出す必要はありません。まず見て、当たりをつけて、それでも判断できないもの、あるいは記録として残す必要があるものを検査にまわす。この順番が現実的です。

検査の限界も知っておく

同マニュアルは、培養法には1〜7日かかること、培養できない状態の菌には適用できないこと、そして採取した検体を施設外で培養してはならない場合があることに触れています。細胞内ATPの測定であれば約30分で結果が出ますが、これは種類までは分かりません。

表1|検査でわかること・わからないこと
問い 検査で答えられるか 補うもの
この黒い斑点は何か 同定検査で答えられる
この部屋は他より多いか 落下菌検査で比べられる 同条件での測定
施工に効果があったか 前後比較で確認できる 同じ場所・同じ条件で
なぜそこに出たのか 検査だけでは答えられない 温湿度の記録、結露、換気の調査
健康にどう影響するか 検査だけでは答えられない 症状の判断は医療機関の領域
図2|検査を意味のあるものにする4つの条件。
図2|検査を意味のあるものにする4つの条件。

どんなときに勧めるか

再発を繰り返している場合、賃貸や管理組合など第三者に説明する必要がある場合、そして施工の前後を比べたい場合。この3つは、検査の費用に見合いやすい場面です。逆に、原因も範囲もはっきりしている小さなカビであれば、検査より先に手当てと環境改善を進めたほうが早いこともあります。

図3|検査を勧めたい場面。
図3|検査を勧めたい場面。

検査の数値は、健康被害の有無を判定するものではありません。体調に不安がある場合の判断は医療機関の領域です。検査結果はあくまで、建物の環境を考えるための材料としてお考えください。

次回予告

次回は、検査から施工、防カビ、アドバイスまでを一つの流れで行うことの意味を説明します。

参考にした情報

  • 株式会社せら「カビ菌検査」 https://sera.jp/kabikensa
  • 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
  • 文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」

カビの原因調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とはカビ菌検査サービス内容と料金 をご覧ください。現地の状況によって最適な方法は変わりますので、お問い合わせよりご相談ください。