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店舗・事務所のカビ|「営業を止めない」という条件で、何ができるか

店舗や事務所のご相談で最初に確認するのは、いつ止められるかです。閉められる日数がそのまま損失になるため、住宅とは前提が変わります。今回は、営業を続けながらカビに手を入れるという条件で、何ができるのかを整理します。

結論|「におい」と「客席側」から着手し、原因側は別枠にする

営業を止められない現場では、すべてを一度に解決しようとすると動けなくなります。来店客や社員が直接感じる部分、つまりにおいと目に見える部分を先に抑え、設備や構造に関わる原因側の工事は別のタイミングに分ける。この二段構えが現実的です。

当社が短納期を掲げているのは、この条件と関係しています。工程を分けず、除カビから防カビまでを一続きに行うことで、現場に入る回数と閉める日数を減らすという考え方です。

図1|店舗・事務所で問題になりやすい3つ。
図1|店舗・事務所で問題になりやすい3つ。

空調まわりは、構造的に濡れる場所

文部科学省「カビ対策マニュアル」のQ&Aは、空調機の冷却ファンについて、結露させて除湿する機構であるため元来カビが繁殖しやすいと説明しています。設備の不具合ではなく、仕組み上そうなるということです。

店舗や事務所は空調の稼働時間が長く、天井裏のダクトも長くなります。においの発生源が空調内部にある場合、客席をいくら清掃してもにおいは消えません。

図3|「においがする」ときに考えられること。
図3|「においがする」ときに考えられること。

空気環境の基準という物差し

一定規模以上の店舗や事務所は、建築物衛生法にもとづく特定建築物として、厚生労働省の建築物環境衛生管理基準による空気環境の測定が求められます。相対湿度40%以上70%以下、温度18℃以上28℃以下、気流0.5m/秒以下といった項目です。

ただし、この測定項目にカビは含まれていません。基準を満たしていることは、カビがいないことの証明にはなりません。気になる場合は、カビを対象にした検査を別に行う必要があります。

表1|店舗・事務所で確認しておきたいこと
項目 確認のポイント
換気の運転時間 閉店後から開店前まで、空気が止まっていないか
空調の点検履歴 内部の清掃をいつ行ったか。点検口が開けられるか
バックヤードの湿度 倉庫・更衣室・給湯室に温湿度計があるか
什器の裏 壁から離れているか。空気の通り道があるか
雨天時の状態 雨の日に、におい・結露・しみが出る場所があるか
原状回復の条件 賃貸の場合、どこまでが借主の負担かを契約で確認する
図2|営業しながら進める段取り。
図2|営業しながら進める段取り。

賃貸の店舗・事務所では、建物側の不具合か使用の仕方かによって、費用の負担先が変わることがあります。着手の前に、貸主・管理会社と状況を共有し、記録を残しておいてください。

次回予告

次回は、建築会社・住宅会社との協業を取り上げます。引き渡し前後に出たカビを、どう解決しているのかを説明します。

参考にした情報

  • 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」
  • 文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A/実践編」
  • 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
  • 株式会社せら「サービス内容と料金」 https://sera.jp/service

カビの原因調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とは/カビ菌検査/サービス内容と料金 をご覧ください。現地の状況によって最適な方法は変わりますので、お問い合わせよりご相談ください。