施工が終わったあと、「この先どうすればいいですか」と聞かれることがあります。むしろ、そこからが本番です。当社の防カビアドバイスは、現地環境を調査して原因を分析するサービスですが、その中身は特別なことばかりではありません。今回はその内容を開いてご説明します。
結論|提案は「水・温度・空気」の3方向にしかならない
カビが増える条件は、水分・栄養・温度・酸素の4つとされています。このうち、暮らしの中で現実的に断てるのは水分です。栄養はほこりや皮脂として必ず存在し、温度は人が快適な範囲と重なり、酸素は断てません。
だからアドバイスの中身は、水を減らす、冷たい面をなくす、空気を動かす、という3方向に集約されます。逆に言えば、この3つに関係しない対策は、効きにくいということでもあります。

数値の目安があると、判断しやすい
感覚で「じめじめしている」と言っても、対策が正しかったのかは分かりません。公的資料には、判断の物差しになる数値がいくつも出ています。

特に、棚の最下段が床上75〜120cmの位置より相対湿度が5%以上高いという指摘は、実感と合いやすいと思います。同じ部屋でも、場所によって条件はかなり違います。温湿度計を1つ置くなら、部屋の中央ではなく、いちばん気になる場所に置いてみてください。
よくある「効かない対策」
| やりがちなこと | 効きにくい理由 | 代わりに |
|---|---|---|
| においが出たら消臭する | においは結果。発生源は別の場所にある | 発生源を探す。強く感じる時間帯を記録する |
| 薬剤を部屋全体に噴霧する | 胞子を吹き飛ばして広げるおそれがある | 区画して、拭き取りで局所的に扱う |
| 除湿機だけ回す | 乾いた胞子が飛散しやすくなる | 区画・清掃と併せて行う |
| 家具で隠す | 空気が止まり、条件が悪化する | 壁から離し、風の通り道をつくる |
| 見えたところだけ拭く | 内部に入っていれば戻る | 範囲と深さを確かめてから決める |
続けられる形にすることが、いちばん難しい
正しい方法をすべて挙げることはできても、毎日続けられるかは別問題です。ですから、場所を絞り、変えることを一つにし、前後を測って確かめるという形をおすすめしています。効いた実感がないと、対策は続きません。

体調に関わる不安がある場合、住環境の対策と医療の判断は別のものとしてお考えください。症状についてのご相談は医療機関へお願いします。
次回予告
次回は、抵抗力の弱い方がいる場所を取り上げます。保育園・幼稚園・高齢者施設で、判断基準がどう変わるのかを説明します。
参考にした情報
- 株式会社せら「サービス内容と料金」 https://sera.jp/service
- 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
- 文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A/実践編」
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」












