カビの特徴として、胞子をたくさん作り空気中に長く漂うという点があります。
一般の家庭では空気1立方メートルあたり1,000個程度の生きたカビが漂っているのが普通です。もちろん条件によっては、もっと増えていきます。1立方メートルあたり1,000個ということは、毎日1万個くらいのカビを吸いこんでいることになります。しかし、この中のカビが、すぐに激しい病気を起こすということではありませんが、病気のもとになるカビも含まれています。私たちの肺の中では、吸い込んだカビとそれをやっつけようという抵抗力との間で争いが繰り返されています。
カビによる病気の増加原因は、医療の進歩に加えた高齢化や、喫煙・大気汚染などの影響が考えられています。カビによる重大な病気は決して稀ではないということ、時には生死に関わること、そして今、増えてきているということを是非知ってください。
数多くの微生物の中で私たちは暮らしています。そしてカビもその微生物の一種なのです。
普通にどこにでもいるカビにはアスペルギルスという種類があります。このアスペルギルスは正常な方にはそう簡単には感染しません。しかし、軽い糖尿病や肺に傷んだところがあったり、ステロイドなど免疫の力を抑える薬を常用している方は感染しやすいことがあります。
アスペルギルスが肺に入り込んで大きな塊を作り、喫煙によっり肺の奥にできる小さな袋や傷があったり、結核や肺炎が治った後の小さな穴や傷などがあるとカビが留まり増殖するには絶好の場所となります。タバコを吸っていなくても、年齢とともに肺には傷んだところが次第に多くなっています、健康だと思っている人も油断はできません。カビはこういう場所に入り込み肺を壊しながら成長していきます。