カビの基本知識や特徴、簡単にできるカビ予防術をご紹介

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カビの除去方法と再発防止策|水の出所→栄養→表面→原因調査の順番で繰り返さない(知恵袋の総まとめ)

 

※この記事は2026年9月に、文部科学省「カビ対策マニュアル」、東京都保健医療局、厚生労働省、国土交通省の公開情報をもとに全面的に書き直しました。以前の版にあった個人の体験談は、当社の施工記録として公開できる形式に整っていないため削除し、数値と手順はすべて公的資料にもとづく内容に置き換えています。

カビを見つけたとき、多くの方が最初にすることは「除菌剤で拭く」です。それで済むこともありますが、同じ場所に戻ってくるカビは、拭き方の問題ではなく順番の問題です。結論から言うと、カビの除去と再発防止は「水の出所を止める→栄養を減らす→表面は拭き取る→戻るなら原因調査」の順番で行うと繰り返さず、この順番を飛ばすと何度でも戻ります

この記事は、当社の「カビ取り屋の知恵袋」の総まとめです。カビの正体と育つ条件、家の中で出やすい7か所、自分で落とせる範囲と手順、健康との関わりについて公的資料が言っていること、業者に頼む判断、賃貸での負担の考え方を、順番に整理し、詳しい記事へ案内します。

この記事で分かること

  • カビの正体と、育つ4つの条件のうち家庭で断てる2つ
  • 家の中で出やすい7か所と、それぞれの水の出所
  • 自分で落とせる範囲、手順、薬剤の選び方(まぜるな危険)
  • 健康との関わりについて公的資料が言っていること(当社は医療機関ではありません)
  • 業者に頼む判断、検査で分かること、賃貸での負担

1. 結論:除去は「順番」で決まる

図1 除菌だけでは環境を改善しない限り繰り返す(文科省)
要点 内容 根拠
除菌だけでは繰り返す 除菌だけでは十分な処置とならず、環境(水分の供給)を改善しない限りカビ被害は繰り返される 文科省 カビ対策マニュアル 実践編3-6
家庭で断てるのは水分と栄養 温度と酸素は断てない。相対湿度60%以下(65%を監視)と、ホコリ・皮脂・汚れを減らす 文科省 基礎編・Q&A、厚労省(40〜70%)
落とせるのは表面にとどまるカビだけ 色素と着色胞子の除去は困難で不可逆。裏側・内部に回ったものは表面を拭いても戻る 文科省 基礎編

2. カビの正体と、育つ条件

東京都保健医療局のQ&Aによると、カビは菌糸と胞子からなる菌類(真菌)で、キノコや酵母の仲間です。菌糸は肉眼で見えないほど細く、胞子は2〜10μm。見えている色はほとんど胞子の色で、見えた時点で胞子は飛んでいます。育つ条件は水分・栄養・温度・酸素の4つで、湿度70%以上・温度10〜30℃で発生しやすく、垢・ペンキ・プラスチックまで栄養になります。文部科学省のマニュアルは、材質からカビかどうかは判断できず、ガラスや陶器でも汚れがあれば発生するとしています。

温度と酸素は人が暮らす部屋では断てません。断てるのは水分と栄養の2つです。水分の目安は相対湿度60%以下(文部科学省。65%を監視ライン)、厚生労働省の建築物環境衛生管理基準は40〜70%です。

3. 家の中で出やすい7か所と、水の出所

図2 共通点は「空気が動かない×冷える面×栄養」。順位は当社の現場での多さ順で統計ではない
場所 水の出所 詳しい記事
お風呂 水・湯気・皮脂・石けんかす カビが発生しやすい場所ランキング|1位はお風呂
寝室・寝具・押入れ 汗、冬の結露、扉を閉めた収納 衣類のカビ|押入れ・クローゼットで起きる理由と、収納・換気の順番
和室・畳 畳が湿気を吸う、床下の湿気 家庭でできる畳のカビ退治|手順とやってはいけないこと
壁紙・家具の裏 北側の壁の結露、空気の滞り ビニールクロスの裏にもカビ|壁紙を張り替えても再発する理由
エアコン 結露して除湿する機構そのもの エアコンのカビ|結露水とホコリの2つで決まる
冷蔵庫・食品 栄養そのもの。低温でも育つ 冷蔵庫のカビ|パッキン・野菜室・製氷機に出る理由
床下・壁の裏・水害後 漏水・結露・浸水。見えない 床下のカビ|原因の見分け方と、建築基準法が定める床下の基準水害によるカビ被害|浸水後の順番

結露そのものの仕組みと順番はカビと結露|湿度ではなく温度差の問題、換気で効かない理由は換気とカビ|窓を開けても効かない理由と、法律が定める「1時間に0.5回」、季節ごとの動き方は梅雨のカビ対策秋カビ対策にまとめています。

4. 自分で落とせる範囲と、手順

図3 分かれ目は「戻るか」「見えるか」「原因を自分で止められるか」

自分で処置してよいのは、表面にとどまり、点々の段階で、材料が浮いておらず、原因の水を自分で止められる場合です。文部科学省のマニュアルQ&A・実践編の考え方を家庭に置き換えた手順は次のとおりです。

  1. 記録する。日時・場所・状態を写真に残す。戻ったかどうかの基準になり、賃貸なら通知の証拠になる。
  2. 保護具と換気。マスク(防塵マスクが望ましい)と手袋。生きていればカビ毒、死んでいてもアレルゲンが残る。
  3. 噴霧しない。噴霧器やスプレーは胞子を吹き飛ばして汚染を広げるため不可。液は布に含ませる。
  4. 吸引しながら、一方向に拭き取る。乾いた状態でホコリを取り、中性洗剤→消毒用エタノール(薄めない・目立たない所で色落ち確認)の順。往復でこすらない。
  5. 塩素系は場所を選んで。アルカリ性で使える場所が限られ、脱色や刺激性のガスに注意。酸性洗剤やエタノールと混ぜると塩素ガスが出る(国民生活センター 2026年3月18日)。
  6. 乾かして、2〜4週間見る。同じ場所に戻れば、水の出所が残っている。

5. 健康との関わり:公的資料が言っていること

当社は医療機関ではないため、症状の判断や診断はできません。公的資料の範囲で言えることは次のとおりです。環境再生保全機構は、吸入アレルゲンがぜん息の原因として最も重要で、カビも重要なアレルゲンであり、とくにアスペルギルスとアルテルナリアはぜん息の重症化との関係が明らかだとしています。文部科学省のマニュアルは、胞子は殺菌しても(死んでいても)アレルゲンとして残るとしています。国立健康危機管理研究機構の感染症情報(IASR)は、環境中に広く存在するアスペルギルス属の胞子を吸い込むことで、免疫が低下している人に感染症が起きやすいとしています。食品については農林水産省が、かび毒は通常の加工・調理で十分に減らないものがあり、カビの生えた食品はもったいなくても捨てるよう案内しています。

「その部屋にいるときだけ症状が強く、離れると軽くなる」という記録があれば、医療機関に相談する材料になります。住まい側でできるのは、記録・処置・湿度管理と、必要に応じて検査で量と種類を数字にしておくことです。

6. 業者に頼む判断と、検査で分かること

状況 何が起きているか 依頼する内容
拭いても2〜4週間で同じ場所に戻る 裏側・内部に残っている、または水の供給が続いている 原因調査(結露・漏水・換気)と処置範囲の特定
臭うのに見当たらない 天井裏・壁の裏・床下・エアコン内部に発生源がある 落下菌検査で部屋ごとの量を比べ、開ける場所を決める
壁紙・床材が浮く、面で広がる、輪のあるシミ 下地まで水が回っている 水を止める→下地を乾かす→仕上げ材の張り替え
浸水した、雨漏りがある 壁の中・床下で乾かないまま広がる 泥出し→洗浄→消毒→乾燥の順番(厚労省・福井県の手引き)

当社の検査は、落下菌検査(部屋ごと・場所ごとの浮遊カビの量)と同定検査(種類)です。検査で分かること・分からないことはカビの検査|落下菌検査と同定検査で分かること・分からないことに、当社の考え方はMIST工法®とはにまとめています。

7. 賃貸の場合:誰の負担になるか

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、結露を放置したことにより拡大したカビ・シミを借主負担の例に挙げています。結露は建物の構造上の問題であることが多いが、結露が発生しているのに貸主に通知もせず、拭き取るなどの手入れも怠って壁を腐食させた場合は、通常の使用を超えると判断されることが多い、という考え方です。逆に言えば、写真を残して通知し、結露を拭き取っていた記録があるかどうかが分かれ目です。

8. 建物・素材別に知っておくこと

9. よくある質問

Q. 市販のカビ取り剤で落ちれば、それで終わりですか。

表面にとどまるカビなら終わりです。ただし、白くなったのは色素が脱色されただけの場合もあり、裏側に残っていれば2〜4週間で戻ります。戻ったら順番(水の出所)に戻ってください。

Q. 防カビスプレーや除湿剤で予防できますか。

湿気を減らす方向には働きますが、結露や漏水を止めるものではありません。当社が確認した範囲で、家庭用の防カビ剤の効果を数値で示した公的資料はないため、数字は書きません。

Q. 業者に頼む前に自分で用意しておくことは。

写真と日付、いつ臭いが強いか、湿度計の値、直近の改装・漏水の履歴の4つです。検査でどの部屋を重点的に測るかがすぐ決まります。

Q. 費用はいくらかかりますか。

範囲・原因・建物の状態で変わるため、一律の金額は示せません。サービス内容と料金に目安を掲載しています。「上から拭くだけ」と「原因を止めてから処置する」は別の見積もりになります。

10. まとめ

カビの除去と再発防止は、水の出所を止める→栄養を減らす→表面は吸引しながら拭き取る→戻るなら検査と原因処置、の順番です。家庭で断てるのは水分(湿度60%以下)と栄養(掃除)の2つ。落とせるのは表面にとどまるカビだけで、死んだ胞子もアレルゲンとして残ります。拭いても戻る、面で広がる、臭うのに見えない、漏水があるなら、表面の処置では止まりません。

手に負えないカビは、お近くのカビバスターズへ

MIST工法®カビバスターズ本部(株式会社せら、1995年設立)では、カビの種類と量を調べる検査と、原因の特定から処置までを行っています。全国の加盟店は本部までお問い合わせください(フリーダイヤル 0120-052-127/月〜金 9:00〜18:00)。

参考資料(一次情報)

  • 文部科学省「カビ対策マニュアル」基礎編・実践編・Q&A
  • 東京都保健医療局「食品衛生の窓」カビQ&A
  • 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」/「浸水した家屋の感染症対策」
  • 環境再生保全機構「室内環境の整備」
  • 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト IASR
  • 農林水産省「かびとかび毒についての基礎的な情報」
  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
  • 国民生活センター「住宅用塩素系洗浄剤の使い方」(2026年3月18日)

※本記事は公的機関の公開情報をもとに一般的な情報を提供するもので、個々の住宅の状態や健康状態、費用についての判断を保証するものではありません。当社は医療機関ではありません。症状に関する判断は医療機関にご相談ください。