更新日:(玄関木材の施工記録と写真リンクを追加)
木材に黒い点や白い付着物が出たときは、カビ取りの前に「どこが濡れたか」「木が傷んでいないか」を確認します。見た目やにおい、硬さだけでは、カビ・変色・腐朽の有無や範囲を確定できません。床下や柱・土台などの構造材は、無理に触ったり削ったりせず、建築会社とカビ対策の専門業者に相談してください。
この記事では、木材のカビと腐朽の違い、場所別に確認する水分、自己処理の範囲、施工・検査の費用を整理します。住宅にお住まいの方だけでなく、建築中や引渡し前後の木材のカビに対応する工務店・管理会社の方にも役立つ内容です。
木材・床下のカビを住宅の窓口に相談する → 建築会社・管理会社の相談窓口 →
木材のカビと腐朽は、同じものではありません
木材の表面に生えるカビと、木材の成分を分解する腐朽は分けて考えます。森林総合研究所は、腐朽を白色腐朽・褐色腐朽・軟腐朽に分類し、腐朽の進行によって木材の強度が低下することを説明しています。
- 表面のカビ・変色が疑われる状態
- 点状・粉状・膜状の付着、黒ずみなどが見られます。ただし、色だけでカビや菌の種類は分かりません。汚れ・ヤニ・アク・日焼けなどの変色も候補になります。
- 腐朽や劣化も確認したい状態
- 木が崩れる、繊維状・ブロック状に割れる、床が沈む、部材が変形するなどの変化です。水濡れやシロアリ被害などと重なることもあるため、建築の専門家による確認が必要です。
- 表面のカビと腐朽が重なっている可能性
- 湿った場所では複数の問題が同時に起こり得ます。表面のカビが別の菌に変わって腐朽になる、という意味ではありません。カビを拭いて見えなくしても、部材の傷みや水分の原因まで解消したとはいえません。
ドライバーを押してへこまないことだけで、内部の腐朽がないとは判断できません。新築の柱・梁・合板、塗装した家具などを自己判断で突いて確認すると傷を付けるため、写真と発見時の状況を残してください。腐朽の基礎は木材腐朽菌と木材の劣化でも説明しています。
カビの場所から、水分の入り口を整理する
カビが見えた位置は調査の手がかりです。一つの原因に決めず、発見した時期・天候・水濡れの跡・過去の清掃を合わせて確認します。
床下の土台・大引・床合板
建築中の雨濡れ、基礎や地面の水分、配管の漏れ、結露、換気・乾燥の条件などを確認します。床下換気の住宅と基礎断熱の住宅では仕組みが違います。換気口を開ける、換気扇を増やすなどの変更は、図面や設計を確認してから検討します。
窓枠・外壁側の柱・家具の裏
窓の結露水、壁の冷え、雨水の浸入、家具で空気が動きにくくなった部分などを確認します。家具を離す工夫だけで直るとは限らず、雨のあとに濡れる、同じ位置で繰り返すときは建物側の点検も必要です。
浴室・洗面・キッチンの周囲
水はね、継ぎ目からの水の回り込み、給排水の接続部を確認します。収納の奥や床板が濡れている場合は、表面を清掃する前に漏水の有無を管理会社・施工会社へ相談してください。
ウッドデッキ・屋外の木部
雨が残る接合部、地面に近い部分、塗装の傷みを見ます。黒ずみの除去と、根太・束など傷んだ部材の補修は別の作業です。歩くと沈む、ぐらつく場所を、清掃のために踏み込まないでください。
自分で対応する前に確認したいこと
手が届く小さな範囲の表面清掃でも、木材・塗装・接着剤の種類によって扱いが変わります。製品や家具の取扱説明書を確認し、使用できる薬剤や方法が分からない場合はメーカー・専門業者へ相談します。
- 処理前の状態を記録する。全体と近接の写真、場所・発見日・濡れた状況を残します。賃貸や新築での不具合は、清掃・薬剤使用の前に管理会社や住宅会社へ連絡します。
- 濡れの原因を確認する。漏水や雨水の浸入があれば、補修と乾燥の進め方を相談します。カビに直接強い風を当てたり、乾いたブラシで広範囲をこすったりする処理は避けます。
- 素材に使用できる方法を確かめる。薬剤は表示に従い、必要な保護具・換気を確認します。消毒用エタノールも塗装や仕上げによって使えない場合があり、火気の近くで使わず、他の薬剤と混ぜません。
- 処理後も状態を確認する。色が残ることと、生きたカビが残っていることは同じではありません。残った跡を無理に削らず、再発・湿り・変形がないかを確認します。
文部科学省のカビ対策マニュアルは、文化財・書籍などの保存環境を対象とし、胞子の飛散を抑える作業や素材への配慮を説明しています。その手順を、住宅のすべての木材にそのまま適用できるわけではありません。床下・壁の内部、広範囲のカビ、腐朽が疑われる部材は自己処理の対象を広げずにご相談ください。
実際の施工例:建築中の木材の除カビ

掲載元では、屋根がかかる前の雨により柱にカビが発生し、壁を張る前に専用剤で処理した経緯を紹介しています。施工した木材の見た目だけで、内部の腐朽の有無や強度、別の現場の必要な工期を判断することはできません。木部を残す施工と、濡れた経緯や次の工事工程の確認を合わせて考える事例としてご覧ください。
建築会社と共有したい、次の工程の確認
この公開事例で確認できるのは、雨に濡れた柱のカビに、壁を張る前に対応したことです。せらへのご相談では、雨に濡れた時期、屋根や養生の状態、部材を覆う予定日、点検できる範囲を整理します。材料の状態と水分への対処を確認し、除カビ・必要な修理・次の工程の担当と予定を建築会社と共有してください。
施工記録で見る:恵那市の建築中住宅の木材カビ
岐阜県恵那市の施工記録では、建築中に雨に打たれた野地・軒天・床・柱などにカビが発生し、カビ除去と対策を行った経緯が掲載されています。作業日は2021年2月、施工担当はカビバスターズ 世良、掲載工期は5日です。この工期や作業内容を、他の現場に一律に当てはめることはできません。

雨に濡れた部材と、濡れた時期・乾燥の状況・次に覆う工程を建築会社と共有することが、相談の出発点です。記録にない含水率や検査結果、保証内容は掲載していません。
施工記録で見る:豊川市の玄関まわりの木材
愛知県豊川市の玄関まわりの木材で除カビを行った施工記録です。掲載担当者はウェルカムバスッケット 斎藤、掲載工期は1日です。作業日の表記には誤記があるため、ここでは日付を補完していません。

木材のカビ取り業者に相談する目安
- 同じ場所で繰り返す、または床下や室内の広い範囲に出ている。
- 柱・梁・土台・合板など、建築中や引渡し前後の部材にカビが見つかった。
- 木が崩れる、床が沈む、漏水や雨漏りの跡があり、建物の傷みも心配。
- 表面だけでなく、見えない範囲や空気中のカビの状態を記録したい。
- 塗装や木の風合いを残したい、または施工前後の写真・検査・報告書を相談したい。
せらでは、素材・塗装・範囲・作業条件を確認し、MIST工法®による除カビ・防カビや必要な検査を検討します。腐朽した木材の強度をカビ取りで回復させることはできません。構造・補修・交換の判断が必要な場合は、建築会社などによる対応も含めて進め方を整理します。
含水率測定は建材の水分を調べる測定です。カビ菌検査は、対象表面の付着菌・空中浮遊菌・落下菌など、何を確認するかに合わせて選びます。菌の検査だけで木材の強度や建物全体の安全を判定することはできません。検査の種類と相談の進め方 →
施工・測定の費用と見積り条件
本部の掲載料金と照合した税込の参考額です(2026年10月11日確認)。小さな家具や一部分の木材に、以下の料金が一律に当てはまるわけではありません。
- 築40年未満の和室木材部
- 6畳で132,000円〜。天井を除き、6畳を超える場合は1畳ごとに11,000円追加。
- 床下部分
- 100㎡未満は550,000円〜。100㎡以上は4,400円〜/㎡。進入口・高さ・素材・対象範囲などを確認します。
- 含水率測定
- 33,000円〜。本部の案内では報告書はありません。目的に応じてカビ菌検査・調査・報告書の内容と費用を別途確認します。
掲載額は、このページの写真の現場の施工総額ではありません。最低施工料金、養生・足場・交通費、漏水修理・解体・復旧などの扱いも、正式な見積りで確認します。
簡単見積り・詳しい料金を見る → 検査・調査の料金を見る →
木材のカビでよくある質問
木が硬ければ、カビ取りだけで済みますか?
硬さだけでは判断できません。表面の付着物、濡れた期間、内部の状態、部材の役割などを確認します。構造材や床の沈みがある場所は、建築の専門家による点検も必要です。
黒い跡が残ったら、削ってもよいですか?
カビ以外の変色や、処理後に残る色素の可能性もあります。塗装・化粧材・構造材を自己判断で削らず、素材と仕上がりの希望を相談してください。
含水率が低ければ、カビはないと判断できますか?
できません。含水率は測った位置・時点の木材の水分を示すもので、菌の有無や過去の水濡れ、内部の腐朽を一つの数値だけで確定するものではありません。
原因や面積が分からなくても相談できますか?
ご相談いただけます。所在地、木材がある場所、発見した時期、おおよその範囲を、分かる範囲でお知らせください。狭い床下に入ったり、建材を外したりして写真を用意する必要はありません。
写真と、今分かる状況からご相談ください
近接写真と場所の全体が分かる写真、濡れた時期、過去の清掃、築年数、希望日程があると、相談を進めやすくなります。不明な項目があっても構いません。新築のご相談では、建築中・引渡し前・入居後のどの段階かもお知らせください。
電話・フォームでの相談は無料です。現地調査・測定・検査・報告書・交通費などの費用は、予約や依頼の前に内容と総額をご確認ください。
住宅の木材・床下のカビを相談する → 建築会社・管理会社・施設の相談 →
0120-052-127(平日9:00〜18:00・土日祝除く)
参考資料・掲載元
- 森林総合研究所「森林資源の利用 Q22」:木材の腐朽型と、腐朽による強度の低下。
- 文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」:文化財・書籍等を対象とした飛散の抑制、素材・防護への配慮。住宅木材の一律の清掃手順としては扱っていません。
- 住宅金融支援機構「技術基準」:フラット35の利用に関する基準。床下の方式や設計を確認するときの参考資料。
- カビバスターズ福岡「建築中の雨で木材に発生したカビを、削らず除去」:実写真と施工担当・建築中の処理経緯。
- カビバスターズ本部「施工費用」:施工・含水率測定の掲載料金。
