カビの相談をすると、調査は調査会社、施工は工務店、消毒は別業者、というように分かれることがあります。それぞれが専門的でも、つなぎ目で情報が落ちると、結果として同じ場所に戻ってしまう。今回は、工程を分けないという考え方について説明します。
結論|つなぎ目をなくすと、原因の情報が最後まで残る
当社の公開情報では、現地調査から防カビまでをワンストップで、短納期で行うと説明しています。工程を一つの流れにする狙いは、作業を早く終わらせることだけではありません。最初に見た所見が、最後の環境改善の提案まで途切れずに届くことにあります。
カビの再発は、多くの場合「処置が甘かった」よりも「原因が残った」ことで起きます。原因の情報を持っている人と、処置を決める人と、再発防止を提案する人が別々だと、その情報はどこかで落ちます。

分業のつなぎ目で、何が落ちるのか
たとえば調査で「北側の押入れの壁が、外壁側の断熱の切れ目と重なっている」と分かっていても、施工の指示書に残らなければ、現場では表面を処理して終わります。表面はきれいになりますが、条件は変わっていません。

「除菌だけ」では終わらない
文部科学省「カビ対策マニュアル」の実践編には、除菌だけでは十分な処置とはならず、環境を改善しない限りカビ被害が繰り返されるという趣旨の記載があります。専門施設の資料ですが、住宅でも同じことが起きます。
除菌だけでは十分な処置とはならず、環境を改善しない限りカビ被害は繰り返されます。(文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」の記載の趣旨)
また当社のQ&Aでは、カビの発生を100%防ぐことはできないと明記したうえで、施工方法と定期的な管理によって限りなくゼロに近づけることは可能だとしています。施工と管理は、どちらか一方では成立しません。

お客さまの側から見た違い
| 場面 | 工程が分かれている場合 | 一つの流れで行う場合 |
|---|---|---|
| 日程調整 | 会社ごとに個別に調整する | まとめて調整できる |
| 説明 | 会社ごとに事情を説明し直す | 経緯を共有した相手と話せる |
| 見積 | 工程ごとに別々に出る | 範囲と単価をまとめて確認できる |
| 再発したとき | どこの責任か分かりにくい | 経緯が一本の記録として残る |
| 環境改善の提案 | 誰も担当しないことがある | 施工しない部分も含めて提案する |
ワンストップであることは、何でも一社で完結するという意味ではありません。構造や設備、文化財の手続きなど、他の専門家の判断が必要な場面はあります。その線引きを最初に説明できることも、一本化の役割です。
次回予告
次回は、その入口である現地調査を取り上げます。見積の前に、実際に何を見ているのかを説明します。
参考にした情報
- 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
- 株式会社せら「カビ菌検査」 https://sera.jp/kabikensa
- 株式会社せら「サービス内容と料金」 https://sera.jp/service
- 株式会社せら「Q&A」 https://sera.jp/faq
- 文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」












