本文更新日:2026年10月26日(工程・担当分担の本文表図を整合)
カビの相談では、現地調査、分析、設備の保守、除カビや修理を複数の担当が行う場合があります。誰がどの記録を受け取り、何を判断するかを確認します。窓口や会社の数だけで、情報の共有や施工結果は決まりません。
結論|対象・所見・未確認の範囲を、次の担当へ記録で渡す
相談から施工後まで、窓口と連絡方法、調査済み・未確認の範囲、原因修理と清掃・除カビ・乾燥、補修交換の担当を確認します。窓口が一つであることを、全工程を同じ会社が行うことや短納期の保証と同一には扱いません。
再び跡や濡れが出た場合は、前回の処置範囲と条件、雨・設備使用との関係、新たな水分経路を整理します。原因が残った、清掃が不足したと一律に決めず、前回の記録と現地の状態を照合してください。
図1|工程を固定せず、対象と担当を決める
- 現地の観察・点検と、必要な検査の目的・判別範囲を整理する。
- 原因修理・開口撤去と、清掃・除カビ・乾燥の範囲を調整する。
- 防カビや補修・塗装は、素材・下地と使用製品の適用を確認する。
- 引渡しの記録、管理方法と再発時の連絡先を共有する。
相談から施工後までの確認例です。検査や防カビを全現場で必須にするものではありません。
担当が変わる前に、所見と確認条件を共有する
押入れの壁に濡れがあった場合は、場所と日時、写真、室内外の条件、調査で確認した事実と推測を分けて残します。見える跡だけで断熱の切れ目や内部の状態を確定せず、追加確認と必要な修理をどの担当へ相談するかを共有します。
図2|引継ぎに残す記録
- 調査:見た箇所・写真・測定条件と、推測や未確認の箇所。
- 施工:対象素材・方法・処置した範囲と、残した部位。
- 修理:別の設備・建築工事が必要な場合の担当と日程。
- 変更:追加調査・作業の費用と、着手を確認する手順。
分業か一社かという分類だけで情報の欠落や再発を判断しません。
「除菌だけ」では終わらない
文部科学省の実践編は文化財・資料保存を対象に、処置と環境管理を組み合わせる説明です。その工程を住宅の共通仕様にせず、今回の素材や設備、水分原因と作業条件に照合してください。
水分原因への対応と、清掃・乾燥、ふさぐ仕上げ前の確認を現場に合わせて調整します。原因修理や必要な撤去が、除カビ後にしか行えないという固定工程にはしません。
また当社のQ&Aでは、カビの発生を100%防ぐことはできないと明記したうえで、施工方法と定期的な管理を組み合わせて、カビの発生を抑えることを目指しています。再発リスクや効果を一律に保証せず、現場の状態、水分の原因、施工後の管理を確認します。施工と管理は、どちらか一方では成立しません。
図3|処置後も確認すること
- 濡れや臭いの変化を、前回の場所・条件と照合する。
- 体調の心配は医療機関へ、建物の状態は管理者・施工担当へ伝える。
- 効果や再発の有無を一律に保証せず、保証の適用条件と対象外を確認する。
塗装や薬剤処理で水分原因への修理を代用せず、必要な点検と担当を相談します。
お客さまの側から見た違い
| 場面 | 確認する情報 | 依頼前に共有する内容 |
|---|---|---|
| 日程調整 | 調査・施工・修理の作業可能日と立会い | 連絡窓口と、日程変更を伝える担当 |
| 説明 | 写真・所見・未確認の部位と実施した処置 | どの記録を次の担当へ渡すか |
| 見積 | 対象・対象外と担当ごとの費用 | 追加作業の条件と、着手前の確認手順 |
| 再発したとき | 前回の範囲と、その後の濡れの変化 | 連絡先と確認方法、保証の対象・期間・条件 |
| 環境改善の提案 | 設備・使用方法と原因工事の必要性 | 誰が調査・修理し、何が施工対象外か |
ワンストップであることは、何でも一社で完結するという意味ではありません。構造や設備、文化財の手続きなど、他の専門家の判断が必要な場面はあります。その線引きを最初に説明できることも、一本化の役割です。
次回予告
次回は、その入口である現地調査を取り上げます。見積の前に、実際に何を見ているのかを説明します。
参考にした情報
- 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
- 株式会社せら「カビ菌検査」 https://sera.jp/kabikensa
- 株式会社せら「サービス内容と料金」 https://sera.jp/service
- 株式会社せら「Q&A」 https://sera.jp/faq
- 文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」
カビの原因調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とは/カビ菌検査/サービス内容と料金 をご覧ください。現地の状況によって最適な方法は変わりますので、お問い合わせよりご相談ください。
直接参考:文部科学省の実践編(文化財・資料保存)/米国EPAの住宅向け清掃案内。資料の対象と現場条件を区別し、日本の個別工法の共通工程として転用しません。
