更新日:(施工写真・記録と相互リンクを追加)
新築の引き渡し直前、あるいは引き渡し後まもなくカビが出る。件数は多くありませんが、起きると当事者全員が困ります。今回は、建築会社・住宅会社と一緒に進めるときの考え方を説明します。
結論|「誰の責任か」より先に、「どこから水が来たか」
新築でカビが出ると、施工不良を疑う声がすぐ出ます。ただ、原因が特定されないまま責任の話から入ると、処置が止まります。まず水の出所を確かめ、そのうえで是正と処置を分けて進めるほうが、結果として早く収まります。
当社のQ&Aでは、カビの発生を100%防ぐことはできないと明記しています。新築であっても、条件がそろえば発生します。人が快適に暮らせる温湿度は、カビにとっても条件のよい範囲だからです。

見つけにくいのは「部位内」の水
国土交通省 国土技術政策総合研究所のメンテナンスガイドラインは、部位内の結露について、発見が遅れるうえに乾燥しにくく、最も厄介な水分供給現象の一つだと説明しています。表面に出た時点では、内部ではすでに時間が経っていることになります。
だからこそ、表面のカビを消すことと、水の条件を直すことは別の作業として扱う必要があります。片方だけを急ぐと、同じ場所で繰り返します。
新築だからこそ、削れない
新築や築浅の現場では、造作も仕上げも新品です。研磨や貼り替えで対処すると、そこだけ質感が変わってしまいます。削らず、こすらず、素材に合わせた液性で処理する方法は、この場面と相性がよい部分です。
| 場面 | 確認したいこと |
|---|---|
| 工事中に雨がかりがあった | 躯体・断熱材が乾いてから塞いだかどうか |
| 長く閉め切っていた | 引き渡しまでの換気の状況 |
| 同じ面に繰り返す | 断熱の切れ目、熱橋、配管の位置 |
| 床下・小屋裏 | 点検口から確認できるか。湿気の滞留はないか |
| お施主さまの生活開始後 | 加湿、室内干し、家具の配置など条件の変化 |
| 記録 | いつ、どこで、どんな状態だったかの写真 |

役割を分けると、話が早い
建築側は水の出所を直す役割、カビの専門会社は素材を残したままカビを処置し、再発条件を説明する役割。この分担を最初に決めておくと、お施主さまへの説明もそろいます。

引き渡し前後の事案では、契約上の取り扱いが関わります。費用の負担や是正の範囲については、契約内容にもとづき当事者間でご確認ください。当社が判断できるのは、原因の見立てと処置の方法についてです。
次回予告
次回は、加盟店制度とMISTグループの話です。技術を標準化するという考え方について説明します。
参考にした情報
- 国土交通省 国土技術政策総合研究所「木造住宅の長期使用に向けたメンテナンスガイドライン」
- 株式会社せら「Q&A」 https://sera.jp/faq
- 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
- 株式会社せら「サービス内容と料金」 https://sera.jp/service
カビの原因調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とは/カビ菌検査/サービス内容と料金 をご覧ください。現地の状況によって最適な方法は変わりますので、お問い合わせよりご相談ください。
住宅会社から依頼された新築引渡し後の床下対策
倉敷市の新築住宅で、引渡し後にハウスメーカーから依頼を受け、床下のカビ対策を行った記録です。

施工写真には床下の木部と施工後の状態が掲載されています。住宅会社と相談する際は、発見した日・場所・引渡し時期・写真をそろえ、調査と対策の担当を確認すると話を進めやすくなります。
建築中に雨水が溜まった床下の施工例
写真の出典は株式会社せらの既存施工事例です。各写真の掲載記録を確認できるリンクを添えています。
浜松市・建築中の床下

施工本文には建築中の基礎コンクリートに雨水が溜まり、木部へ湿気が回った記録があります。水濡れの原因・乾燥状態・調査範囲を整理する関連例です。
