「うちの県は湿気が多いから、カビが出るのは仕方ない」。ご相談の中で、そんな声を聞くことがあります。では実際に、日本の47都道府県で湿度はどれくらい違うのでしょうか。10月に入り、秋の長雨や台風のあとで家の中に湿気が残りやすい時期になりました。夏に増えたカビが見つかりやすく、これから冬に向けたカビ対策を考えるのにちょうどよいタイミングです。この記事では、MIST工法®の開発元・本部として、気象庁の平年値(1991〜2020年)から47都道府県の県庁所在地などの年平均湿度と、月平均湿度が70%以上になる月数をまとめました。地域ごとの傾向(日本海側・太平洋側・内陸・南西諸島)と季節の注意点、そして地域に関係なく大切な家の中の湿気源の考え方をご紹介します。
この記事の要点
- 気象庁の平年値で、47地点の年平均湿度は62%(前橋)〜76%(富山)。差は最大14ポイント。
- 月平均湿度が70%以上になる月は、松江・彦根が12か月、京都は0か月と、地域で大きく違う。
- 日本海側・内陸の盆地は冬も湿度が高く、太平洋側は冬に乾いて梅雨〜夏に上がる。7月は47地点中46地点で70%以上。
- データは屋外の値。家の中のカビは、結露・漏水・換気不足・床下の湿気など建物の条件で大きく変わる。
- 地域の「湿気の1年」は、点検や工事の時期を決める目安に。実際の判断は現地調査で。
結論|県の湿度は「注意する時期」の目安。カビを決めるのは家の中の湿気
気象庁の平年値で比べると、47都道府県の年平均湿度には最大14ポイントの差があります。高いのは富山・福井・松江・青森など日本海側や山陰、低いのは前橋・大阪・甲府・東京など関東や近畿の平野部・盆地です。また、湿度が高い時期も地域で違い、日本海側や内陸の盆地では冬、太平洋側では梅雨から夏に湿度が上がります。
ただし、これは屋外の空気の話です。家の中にカビが出るかどうかは、結露・漏水・雨水の入り込み・換気不足・床下の湿気といった建物ごとの条件で大きく変わります。湿度が低めの地域でも、冬の結露や漏水があればカビは生えます。反対に、湿度が高い地域でも、湿気の逃げ道が整った建物はカビが出にくくなります。
おすすめの使い方は、自分の県の「湿気の1年」を知って、点検や対策の時期を決めることです。今の時期(10月上旬)は、秋雨や台風のあとの湿気が残り、夏に増えたカビが見つかりやすい時期です。冬の結露シーズンや、年末・年度末の引渡し・決算に向けた工事の段取りを考える前に、地域の傾向と家の状態をあわせて確かめておきましょう。
都道府県 湿度 ランキング|気象庁の平年値で見る47地点の年平均湿度
まずは全体像です。下の図は、気象庁の「過去の気象データ検索」で公開されている平年値から、各都道府県の年平均の相対湿度を地図のように並べたものです。原則として県庁所在地の観測地点の値を使い、埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根の値を使っています。
色の濃い地点が、日本海側(北陸・山陰・東北)と、茨城・岩手・宮崎・滋賀などに分かれて並んでいるのがわかります。反対に、色の薄い地点は関東の内陸・平野部と、近畿・東海の大都市に集まっています。
最も高いのは富山の76%、次いで松江・青森・福井の75%です。74%の地点が7つ(彦根・山口・鳥取・山形・盛岡・宮崎・水戸)続きます。最も低いのは前橋の62%で、大阪63%、甲府64%、京都・神戸・熊谷・東京65%と続きます。47地点すべての値は、次の表にまとめました。
| 都道府県 | 観測地点 | 年平均 | 70%以上の月数 | 最も高い月 | 10月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 札幌 | 69 | 4か月 | 7月・8月(75) | 67 |
| 青森県 | 青森 | 75 | 11か月 | 7月(80) | 73 |
| 岩手県 | 盛岡 | 74 | 9か月 | 7月・9月(80) | 78 |
| 宮城県 | 仙台 | 71 | 6か月 | 7月(83) | 72 |
| 秋田県 | 秋田 | 73 | 10か月 | 7月(79) | 73 |
| 山形県 | 山形 | 74 | 9か月 | 1月・12月(81) | 77 |
| 福島県 | 福島 | 69 | 7か月 | 7月(77) | 73 |
| 茨城県 | 水戸 | 74 | 8か月 | 7月(82) | 79 |
| 栃木県 | 宇都宮 | 70 | 6か月 | 7月(79) | 74 |
| 群馬県 | 前橋 | 62 | 4か月 | 7月(73) | 68 |
| 埼玉県 | 熊谷 | 65 | 5か月 | 7月(76) | 71 |
| 千葉県 | 千葉 | 68 | 6か月 | 7月(78) | 73 |
| 東京都 | 東京 | 65 | 5か月 | 7月(76) | 71 |
| 神奈川県 | 横浜 | 67 | 6か月 | 6月・7月(78) | 71 |
| 新潟県 | 新潟 | 72 | 9か月 | 7月(79) | 72 |
| 富山県 | 富山 | 76 | 11か月 | 1月(82) | 77 |
| 石川県 | 金沢 | 70 | 9か月 | 7月(75) | 70 |
| 福井県 | 福井 | 75 | 10か月 | 1月(82) | 76 |
| 山梨県 | 甲府 | 64 | 4か月 | 7月(72) | 71 |
| 長野県 | 長野 | 72 | 9か月 | 1月・12月(79) | 75 |
| 岐阜県 | 岐阜 | 66 | 3か月 | 7月(73) | 67 |
| 静岡県 | 静岡 | 68 | 6か月 | 7月(79) | 71 |
| 愛知県 | 名古屋 | 66 | 3か月 | 7月(73) | 68 |
| 三重県 | 津 | 67 | 4か月 | 7月(75) | 69 |
| 滋賀県 | 彦根 | 74 | 12か月 | 7月(77) | 74 |
| 京都府 | 京都 | 65 | 0か月 | 7月(69) | 68 |
| 大阪府 | 大阪 | 63 | 1か月 | 7月(70) | 65 |
| 兵庫県 | 神戸 | 65 | 3か月 | 7月(74) | 64 |
| 奈良県 | 奈良 | 68 | 7か月 | 10月(74) | 74 |
| 和歌山県 | 和歌山 | 66 | 3か月 | 7月(73) | 67 |
| 鳥取県 | 鳥取 | 74 | 10か月 | 9月(77) | 76 |
| 島根県 | 松江 | 75 | 12か月 | 7月(80) | 76 |
| 岡山県 | 岡山 | 69 | 6か月 | 7月(74) | 71 |
| 広島県 | 広島 | 67 | 2か月 | 7月(73) | 66 |
| 山口県 | 山口 | 74 | 10か月 | 7月・12月(78) | 73 |
| 徳島県 | 徳島 | 67 | 4か月 | 7月(77) | 69 |
| 香川県 | 高松 | 67 | 5か月 | 7月(73) | 70 |
| 愛媛県 | 松山 | 67 | 4か月 | 6月(73) | 68 |
| 高知県 | 高知 | 69 | 5か月 | 7月(79) | 68 |
| 福岡県 | 福岡 | 68 | 4か月 | 6月・7月(75) | 68 |
| 佐賀県 | 佐賀 | 70 | 6か月 | 7月(76) | 68 |
| 長崎県 | 長崎 | 71 | 5か月 | 6月・7月(80) | 67 |
| 熊本県 | 熊本 | 70 | 7か月 | 6月・7月(76) | 69 |
| 大分県 | 大分 | 69 | 5か月 | 6月・7月(77) | 70 |
| 宮崎県 | 宮崎 | 74 | 8か月 | 6月(82) | 76 |
| 鹿児島県 | 鹿児島 | 70 | 5か月 | 6月(78) | 67 |
| 沖縄県 | 那覇 | 73 | 8か月 | 6月(83) | 72 |
表の値は、気象庁「過去の気象データ検索」の各地点の平年値ページ(年・月ごとの値)で当社が確認した相対湿度(平均)です。「70%以上の月数」は月平均湿度が70%以上の月を当社で数えたもので、カビが生える月数を示すものではありません。同じ県でも、沿岸と山あい、市街地と郊外で湿度は異なります。
湿度 平年値の読み方|このデータでわかること、わからないこと
相対湿度とは、その温度の空気が含むことのできる水蒸気の量に対して、実際にどれだけ含んでいるかを%で表したものです。天気予報などで「湿度」と言うときは、ふつうこの相対湿度を指します。
平年値とは、気象庁が作成している30年間の平均値です。気象庁によると、平年値は西暦年の1の位が1の年から続く30年間の平均で、10年ごとに更新されます。現在の平年値は1991年から2020年までの30年間の平均で、2021年から2030年まで使われます。1年だけの値と違い、その土地の「いつもの気候」を表す値として使えます。
| 内容 | 使い方 | |
|---|---|---|
| わかること | 地域の屋外の湿度の高さ、1年のうち湿度が高い時期と低い時期 | 点検・換気・除湿の重点時期を決める目安 |
| わかること | ほかの地域との違い(日本海側・太平洋側・内陸・南西諸島) | 転勤・移住・複数拠点の建物管理で、注意点を切り替える |
| わからないこと | あなたの家の室内の湿度 | 温湿度計で、部屋ごと・季節ごとに記録する |
| わからないこと | 結露・漏水・床下の湿気など、建物ごとの原因 | 現地調査で、カビの範囲と原因を確かめる |
| わからないこと | カビが生えるかどうかの境目 | 湿度の数字だけでなく、水濡れ・汚れ・空気のよどみをあわせて見る |
カビと湿度の関係について、東京都板橋区の資料では、カビは温度20℃前後・湿度60%以上で繁殖し、湿度が80%を超えると繁殖のスピードが速くなると紹介されています。また、厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、空気調和設備のある特定建築物の室内について、相対湿度40%以上70%以下という基準が定められています。この記事で「70%」を区切りに使っているのは、こうした目安を参考に、地域の差を比べやすくするためです。
ここで紹介している湿度は屋外の観測値です。室内は、暖房・冷房・加湿・調理・入浴などで大きく変わり、同じ家でも部屋や壁ぎわ、収納の奥で違います。体調が気になる場合は、住まいの確認とは別に医療機関にご相談ください。
湿度70%以上の月は何か月?|月数で見る地域の差
年平均だけでは、「1年中じめじめしている地域」と「夏だけ極端に湿る地域」の違いが見えません。そこで、月平均湿度が70%以上になる月が1年に何か月あるかを数えました。
12か月すべてが70%以上なのは松江と彦根、11か月が富山と青森、10か月が秋田・福井・鳥取・山口です。これらの地点は、夏だけでなく冬も湿度が下がりにくいのが特徴です。反対に、京都は70%以上の月がなく(最も高い7月で69%)、大阪は7月の1か月、神戸・岐阜・名古屋・和歌山は3か月です。
月ごとに見ると、7月は47地点中46地点、6月は44地点、9月は42地点で月平均湿度が70%以上でした。梅雨から夏、秋雨の時期は、ほぼ全国で湿気が多いといえます。一方、10月に70%以上なのは29地点、1月は14地点と、秋から冬にかけて地域による差が大きくなります。
| 月 | 地点数 | 月 | 地点数 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 14 | 7月 | 46 |
| 2月 | 13 | 8月 | 41 |
| 3月 | 8 | 9月 | 42 |
| 4月 | 5 | 10月 | 29 |
| 5月 | 15 | 11月 | 21 |
| 6月 | 44 | 12月 | 18 |
湿度が高い県・低い県の傾向|日本海側・太平洋側・内陸・南西諸島
地域による違いは、年平均の高さよりも「1年のうち、いつ湿度が高いか」に大きく表れます。代表的な4地点の月平均湿度を並べてみましょう。
日本海側(北陸・山陰・東北の日本海側)|冬も湿度が高い
富山は1月が82%と1年で最も高く、12月も81%です。福井(1月82%)、青森(1月78%)、鳥取・松江(1月76%)も、冬の湿度が夏と同じくらい高い水準です。雪や雨の日が多く、洗濯物の部屋干しや暖房の使用が増える季節に、窓・北側の壁・押入れの結露に気をつけたい地域です。
太平洋側(関東・東海・近畿・瀬戸内)|冬は乾き、梅雨から夏に上がる
東京は1月51%・2月52%と冬はかなり乾燥し、6月から9月は74〜76%まで上がります。横浜・千葉・熊谷も1月は53%です。冬は屋外が乾燥していても、室内で水蒸気が増えれば冷たい窓や外壁側で結露します。「冬は乾燥しているからカビは大丈夫」とは限らない点に注意が必要です。梅雨から秋雨の時期は、床下・北側の部屋・収納の湿気が中心になります。
内陸の盆地(長野・山形など)|冬の湿度が最も高い
長野は1月・12月が79%、山形は1月・12月が81%と、どちらも冬が1年で最も湿度の高い時期です。一方、長野の4月は61%、山形は62%と、春は大きく下がります。同じ内陸でも、甲府(年平均64%)や前橋(62%)は冬に乾燥するなど、盆地ごとに傾向が違います。
九州南部・南西諸島|春から秋まで長く湿る
那覇は6月が83%で、4月から9月まで75%以上が続きます。宮崎も6月82%、8月・9月80%と、夏から秋にかけて高い状態が続きます。台風や大雨のあとの雨水の入り込み・床下の湿気もあわせて確認したい地域です。沖縄の湿気の1年は沖縄のカビ対策でも詳しく紹介しています。
| 地域のタイプ | 代表地点と年平均 | 湿度が高い時期 | 重点的に確かめたい場所 |
|---|---|---|---|
| 日本海側(北陸・山陰・東北) | 富山76%、福井75%、松江75%、青森75% | 冬(12〜1月)と梅雨〜秋 | 窓・北側の壁・押入れの結露、屋根裏、床下 |
| 太平洋側(関東・東海・近畿・瀬戸内) | 東京65%、名古屋66%、大阪63% | 梅雨〜夏(6〜9月) | 床下、北側の部屋、収納、冬の窓・外壁側の結露 |
| 内陸の盆地 | 長野72%、山形74%(甲府64%、前橋62%) | 冬(長野・山形)/夏(甲府・前橋) | 冬の結露、暖房と加湿のかけすぎ、床下 |
| 九州南部・南西諸島 | 那覇73%、宮崎74%、鹿児島70% | 春〜秋(4〜9月) | 床下、壁・天井、台風後の雨水の入り込み |
| 北海道・東北の太平洋側 | 札幌69%、盛岡74%、仙台71% | 夏(7〜9月)、盛岡は秋〜冬も高め | 夏の床下・収納、冬の結露と屋根裏 |
地域の分け方は、傾向をつかむための当社の整理です。同じ県内でも、海沿い・山あい・雪の多い地域などで条件は変わります。
あなたの県の注意時期|季節ごとに気をつけたいこと
表1の「70%以上の月数」と「最も高い月」を見ると、ご自分の県で湿気に気をつけたい時期の見当がつきます。季節ごとに、どんなことが起きやすいかをまとめました。
| 季節 | 全国で起きやすいこと | 特に注意したい地域 | この時期にやっておきたいこと |
|---|---|---|---|
| 冬(12〜2月) | 暖房と部屋干しで室内の水蒸気が増え、窓・外壁側で結露 | 日本海側、長野・山形などの盆地 | 結露の拭き取り、家具を壁から離す、24時間換気を止めない |
| 春(3〜5月) | 湿度はいったん下がるが、南ほど早く上がり始める | 那覇・宮崎(4〜5月から上昇) | 冬に出た結露カビの確認と除カビ、梅雨前の床下点検 |
| 梅雨〜夏(6〜8月) | ほぼ全国で湿度70%以上。床下・収納・北側の部屋が湿る | 全国(7月は46地点が70%以上) | 除湿と換気、閉め切った部屋や空き家の見回り |
| 秋(9〜11月) | 秋雨・台風のあとに湿気が残る。夏に増えたカビが目立つ | 水戸・盛岡・宮崎など秋も高い地点 | 台風・大雨後の点検、冬の結露シーズン前の除カビ |
今の時期、10月の月平均湿度が75%以上なのは、水戸(79%)、盛岡(78%)、山形・富山(77%)、福井・鳥取・松江・宮崎(76%)、長野(75%)の9地点です。これらの地域では、秋雨や台風のあとの湿気が抜けにくいまま冬に向かいます。これから冬に向けた結露への備えは暖房の使い始めに増える結露とカビ、寒い日の換気の工夫は寒い日の換気はどうする?もあわせてご覧ください。
カビ 地域より大事なこと|家の中の湿気源を確かめる
ここまで地域の違いを見てきましたが、当社がご相談を受ける現場で、カビの原因として多いのは家の中の湿気源です。同じ地域、同じ町内でも、カビがひどい家と出ない家があります。その差を生むのは、次のような建物ごとの条件です。
| 湿気源 | 起きていること | カビが出やすい場所 | まず確かめたいこと |
|---|---|---|---|
| 結露(冬型) | 暖かく湿った室内の空気が、冷たい窓や外壁側の壁で冷やされる | 窓まわり、北側の部屋の壁、家具の裏、押入れの外壁側 | 結露が毎朝出るか、家具と壁のすき間 |
| 結露(夏型) | 冷房で冷えた面に、湿った外気が触れる | 壁の中、床下、冷房している部屋の壁ぎわ | 夏に強まるにおい、クロスの浮き |
| 漏水・雨水の入り込み | 配管の漏れや雨漏りで、見えない場所が濡れ続ける | 天井、壁の中、床下、水まわりの周辺 | シミ、雨のあとの変化、水道メーターの動き |
| 換気不足 | 湿気が外へ逃げず、室内にこもる | 部屋全体、収納、浴室まわり | 24時間換気・給気口が止まっていないか |
| 床下の湿気 | 地面からの湿気や水はけの悪さで、床下の木部が湿ったままになる | 床下の木部、1階の床・畳、押入れの下段 | 1階全体のカビ臭、雨の翌日の変化 |
| 生活の水蒸気 | 部屋干し、加湿器、調理、入浴、観葉植物 | 部屋干しをする部屋、寝室 | 室内の湿度を温湿度計で記録する |
とくに冬の結露は、屋外の湿度が低い太平洋側でも起きます。暖房で暖めた室内の空気は多くの水蒸気を含めるため、窓や外壁側の冷たい面に触れると水滴になるからです。北側の部屋がカビやすい理由は北側の部屋がカビやすいのはなぜ?で、床下の湿気は床下・基礎まわりのカビで詳しく解説しています。
ご自宅の状態を知る第一歩は、温湿度計で室内の湿度を記録することです。居間・寝室・北側の部屋・押入れの中など、場所ごとに朝と夜の値をメモすると、湿気がこもる場所が見えてきます。家じゅうがカビ臭いときの探し方は家じゅうがカビ臭いときの原因の探し方でまとめています。
建築・不動産・施設管理の方へ|地域の湿気データを現場で生かす
地域の湿度の1年は、住まい手だけでなく、建物をつくる・管理する立場の方にも役立ちます。当社には、全国の工務店・住宅会社、不動産会社、管理会社、施設の管理者の方からもご相談をいただいています。
- 工務店・住宅会社:梅雨や秋雨の時期の工事では、構造材・合板の雨濡れと乾燥の確認を工程に入れておく。日本海側の冬の工事も同様です。引渡し前のカビは建築・住宅会社の方へもご覧ください。
- 不動産会社・買取再販:空室・空き家の期間が湿度の高い時期に重なると、閉め切った室内にカビが広がりやすくなります。内覧や販売の前に状態を確かめる段取りを。
- 賃貸管理会社・オーナー:日本海側や盆地では冬、太平洋側では梅雨〜夏に入居者からの相談が増えやすい時期を見込み、案内や点検を前倒しに。
- 施設・ビルの管理者:複数の地域に建物がある場合は、地域ごとに点検の重点時期を切り替えると効率的です。公共施設は公共施設のカビ取り、店舗・事務所は店舗・事務所のカビ取りで紹介しています。
年末や年度末の引渡し・決算に向けた工事は、これから冬の結露シーズンと重なります。今のうちに段取りを考え、除カビが必要な場合は、内装や仕上げの工程の前に入れるほうが、手戻りが少なくなります。工程に合わせたご相談は法人・業者様のお問い合わせから承っています。
カビが広がる前に|専門業者への相談とMIST工法®
地域の湿気の傾向を知ったうえで、実際にカビが出ている場合は、範囲と原因を確かめることが先です。拭いても同じ場所に戻る、においが部屋や家全体に広がっている、床下や壁の中が疑われるといった場合は、表面の掃除だけでは解決しにくくなります。
MIST工法®は、株式会社せらが開発した、素材を削ったりこすったりせずにカビを取り除く工法です。霧状の専用剤を、カビの状態や素材に合わせてその都度調整し、素材の奥に入り込んだカビまで分解・洗浄します。使用する専用剤は、一般的なカビ処理剤に多い酸性の液ではなくアルカリ性の液です。除カビのあとには防カビ処理を行い、カビが増えにくい状態に整えます。施工は、研修と試験に合格した施工者が担当します。
当社では、除カビとあわせて、現地の環境を調べて原因を分析し、換気や設備の配置について助言する防カビアドバイスも行っています。地域の気候に合わせて、どの季節に何を見直すかも一緒に考えます。
浴室の一部やエアコン内部など小さな範囲のカビは、ハウスクリーニングやエアコン専門業者が向いている場合があります。当社は床下・部屋全体・建物規模のカビ取りと防カビを専門にしています。
こんなときは、一度ご相談ください
- 冬になると、窓や北側の壁、押入れの結露とカビが毎年くり返す
- 梅雨や秋雨のあと、1階や床下からカビ臭さが上がってくる
- 部屋全体・家全体・建物のフロア単位でカビが広がっている
- 空室・空き家・引渡し前の建物で、閉め切っていた間のカビが心配
- 複数の地域に建物があり、点検や除カビの時期をまとめて相談したい
写真を見ながらのご相談や、現地調査・カビ菌検査のご依頼も承っています。全国のMISTグループで対応しています。
カビの状態を確かめる|現地調査とカビ菌検査、費用の考え方
当社の現地調査では、カビの範囲、素材、湿気の原因(結露・漏水・換気・床下の湿気)を確認し、どこまでを除カビするかを判断します。必要に応じてカビ菌検査も行います。落下菌検査は空気中から落ちてくるカビを培地で受けるもので、採取を30〜60分程度で行えます。同定検査は寒天スタンプで採取し、培養してカビの種類を確定します。どんなカビが見つかるかは住まいで見つかるカビの種類図鑑で紹介しています。
費用は、範囲・素材・環境によって大きく変わるため、現地調査のうえでお見積もりします。部位ごとの目安はサービス内容と料金に掲載しています(例:室内壁面クロス1,500円〜/㎡、築40年未満の和室木材部6畳120,000円〜〔天井除く〕、コンクリート外壁1,200円〜/㎡、いずれも税別)。
全国からのご相談は本部で承り、全国のカビバスターズグループ拠点と連携して対応します。関東・関西・東海で、除カビのあとに内装の修繕まで必要な場合は、グループ代理店のカビ取リフォームが一貫して対応することもできます。施工の事例はカビ取り・カビ対策施工例、よくあるご質問はQ&Aもご覧ください。
よくあるご質問
Q. 湿度が高い県ほど、家にカビが生えやすいのですか?
A. 屋外の湿度が高い地域ほど、換気で入ってくる空気も湿りやすいため、注意したい時期が長くなる傾向はあります。ただし、家の中のカビは、結露・漏水・雨水の入り込み・換気不足・床下の湿気など、建物ごとの条件で大きく変わります。湿度が低めの地域でも、冬の結露や漏水があればカビは発生します。県のデータは「注意する時期の目安」として使い、実際の判断は建物の状態で行ってください。
Q. この記事の湿度は、どこで測った値ですか?
A. 気象庁の「過去の気象データ検索」で公開されている平年値(統計期間1991〜2020年)の相対湿度で、原則として各都道府県の県庁所在地の観測地点の値です。埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根の値を使っています。いずれも屋外で観測された値で、室内の湿度とは異なります。
Q. 湿度70%以上の月数は、カビが生える月数という意味ですか?
A. いいえ。70%は、地域の差を比べるために当社が目安として区切った値です。カビが生える・生えないの境目を示すものではありません。自治体の資料でも、カビは湿度60%以上で繁殖し、80%を超えると繁殖が速くなると紹介されています。室内の場所ごとの湿度や、結露・水濡れがあるかどうかのほうが、実際のカビには強く関わります。
Q. 太平洋側の冬は乾燥しているのに、結露やカビが出るのはなぜですか?
A. 屋外の空気が乾いていても、室内では調理・入浴・洗濯物の部屋干し・人の呼吸・加湿器などで水蒸気が増えます。その空気が、外気で冷やされた窓や外壁側の壁、北側の部屋の家具の裏などに触れると結露します。屋外の湿度が低い季節でも、室内の湿気と冷たい面が重なる場所ではカビが出ることがあります。
Q. 会社や施設で複数の県に建物があります。地域ごとに対策を変えたほうがいいですか?
A. 点検の時期や重点は、地域の湿度の1年に合わせて変えると効率的です。たとえば日本海側や内陸の盆地では冬の結露、太平洋側では梅雨から秋、南西諸島では春から秋の長い湿気の時期に重点を置きます。当社は全国のカビバスターズグループ拠点と連携して対応していますので、法人・業者様のお問い合わせからご相談ください。
Q. 自分の家がカビやすいかどうか、調べてもらえますか?
A. 現地調査で、カビの範囲と湿気の原因(結露・漏水・換気・床下の湿気など)を確認します。必要に応じてカビ菌検査も行います。落下菌検査は採取を30〜60分程度で行え、同定検査は寒天スタンプで採取して培養し、カビの種類を確定します。地域の気候と建物の状態をあわせて、除カビの範囲や防カビのアドバイスをご提案します。
まとめ
- 気象庁の平年値(1991〜2020年)で、47地点の年平均湿度は62%(前橋)〜76%(富山)。差は最大14ポイント
- 月平均湿度が70%以上の月は、松江・彦根で12か月、京都で0か月。7月は47地点中46地点で70%以上
- 日本海側や長野・山形などの盆地は冬も湿度が高く、太平洋側は冬に乾いて梅雨〜夏に上がる。南西諸島は春から秋まで長く湿る
- 10月の湿度が75%以上なのは水戸・盛岡・山形・富山・福井・鳥取・松江・宮崎・長野の9地点。秋雨のあとの湿気と冬の結露に備えたい
- データは屋外の値。家の中のカビは、結露・漏水・換気不足・床下の湿気・生活の水蒸気で大きく変わる
- カビが広がっているときは、現地調査とカビ菌検査で範囲と原因を確かめ、MIST工法®で削らずに除カビし、防カビ処理を行う
ご自分の県の「湿気の1年」がわかると、いつ何を点検すればよいかが見えてきます。秋雨や台風のあとで湿気が残りやすい今、窓・北側の壁・押入れ・床下を一度見回して、気になる場所があれば写真を撮っておいてください。ご相談がぐっと進めやすくなります。
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地域を問わず、部屋全体・家全体・建物のカビでお困りのときは、全国のカビバスターズグループ拠点と連携して本部が承ります。木造住宅は木造住宅のカビ取り、外壁は外壁のカビ取りもご覧ください。現地調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とは/カビ菌検査/サービス内容と料金 をご覧ください。ご相談はお問い合わせ、工務店・管理会社など法人さまは法人・業者様のお問い合わせ、お電話は 0120-052-127 まで。












