「掃除しても同じ場所に戻る」「壁紙の裏が気になる」「どこまで自分で取ってよいのか分からない」。カビ取りを業者に相談する目安は、広さだけでは決まりません。濡れの原因、素材、手が届く場所か、作業する人の状況を合わせて考えます。住宅のカビ対策を、家庭でできる清掃と、建物の点検・専門施工に分けて整理しましょう。
迷ったら、取る前の写真と分かる状況からご相談ください
漏水、天井裏・床下、壁紙の浮き、広い範囲、繰り返すカビは、表面を掃除する前に対応を相談したい状態です。正確な面積や菌検査の結果がなくても、相談を始められます。
電話・フォームでの初回相談は無料です。現地調査、検査、報告書、施工は内容により費用がかかるため、ご予約・ご依頼の前に確認します。
自分でできる範囲と、業者に相談する目安
小さな範囲の表面汚れで、濡れの原因が分かり、手の届く位置で素材に合った清掃と乾燥ができる場合は、家庭での対応を検討できます。逆に、壁や天井を外す、高所に登る、電気機器を分解するといった作業は、日常の掃除とは分けて考えてください。
次の表は相談の目安です。法的な基準や、健康への影響を判定する表ではありません。スマートフォンでは横に動かして確認できます。
| 確認すること | 家庭の清掃を検討できる状態 | 先に相談したい状態 |
|---|---|---|
| 範囲・変化 | 小範囲で、広がりや再発が見られない | 壁一面、天井全体、複数の部屋に広がる。清掃しても戻る |
| 水分の原因 | 表面の水滴などを確認でき、乾燥と管理ができる | 雨漏り・漏水、浸水、濡れた下地、原因の分からない湿り |
| 素材 | 取扱表示に従って清掃できる、傷みのない表面 | 壁紙の浮き、柔らかい木部、吸水した断熱材・石膏ボードなど |
| 作業場所 | 手が届き、換気できる位置 | 天井裏・床下、壁の内部、高所、空調の内部 |
| 作業する人 | 保護具などの注意事項に従って作業できる | 作業に不安がある。アレルギー、呼吸器疾患などで清掃参加が適さない |
米国環境保護庁(EPA)の家庭向け案内は、約10平方フィート(約0.93m²)未満なら、多くの場合は自分で対応できるとし、大きな水損やそれを超える範囲では詳しい除去ガイドの参照を勧めています。この広さは米国の案内での目安であり、日本のDIY禁止ラインではありません。狭くても漏水や作業の危険があれば相談し、広さが不明でも相談をためらう必要はありません。
清掃しても戻るカビは、湿り方を記録する
同じ場所にカビが戻るときは、水分が残る・繰り返し供給される状況を調べます。表面の結露、換気、家具の置き方、雨水や配管からの漏水など、複数の可能性があります。再発だけで「壁の中が原因」と決めず、いつ・どこが濡れるかから確認します。
- 窓や外壁に近い場所:寒い朝、冷暖房中、家具の裏など、発生する条件を記録します。
- 水回りや天井の染み:雨の後、上階で水を使った後など、変化するタイミングを記録します。
- 収納や床の周囲:臭い、壁紙の浮き、湿った物、床の変形があるかを、無理に開けずに確認します。
部屋の温湿度だけでなく、発生した面が濡れていないかを見ることが大切です。温湿度の記録は原因を考える手がかりになりますが、室内の湿度がある数値以内ならカビが出ないとは限りません。漏水が疑われる場合は、カビ取りの相談と並行して管理会社や建物の修理担当へ連絡します。
壁紙・木材・天井は、素材と下地まで考える
表面の黒ずみを落とすことと、材料を乾かして使える状態にすることは、同じ作業ではありません。色が残ってもカビの発生状況とは別の問題の場合があり、見た目がきれいになっても下地が濡れていることがあります。写真だけでは、材料内部の状態を確定できない場合があります。
壁紙、石膏ボード、断熱材、カーペットなどの吸水性のある材料は、状態によって撤去・交換が必要です。一方で、すべてを張り替えると決める前に、濡れの原因と傷んだ範囲を確認します。木材が柔らかい、床がたわむなどの状態は、除カビとは別に建築の専門家による点検が必要です。
家庭で壁紙を広く剥がしたり、乾いたカビを削ったりせず、養生・飛散を抑える作業・乾燥・復旧の範囲を相談してください。EPAも、隠れたカビを調べるために壁紙などを外す作業には注意を求めています。住宅・床下・木材の施工案内 →
浸水した家屋については、厚生労働省が清掃と乾燥の重要性を案内しています。下水など汚染水が関係する場合は、通常の浴室清掃とは条件が異なるため、そうした復旧の経験がある専門業者へ相談します。
実際の例:住宅のキッチン裏にある壁内のカビ
カビバスターズ仙台が公開している、2026年6月の仙台市の戸建て住宅の施工事例です。キッチン裏の壁面下部や収納内部、木部表面の状態を確認し、除カビに対応した例として紹介します。普段見えない場所も、発生場所や湿りの状況に応じて調査の対象になります。

加盟店の公開事例です。株式会社せらの直接施工として掲載するものではありません。写真から菌の種類、健康への影響、建物内部の乾燥状態を判定することはできません。
相談までに、無理な清掃や分解をしない
洗剤は製品表示に従い、複数の製品を混ぜたり続けて使ったりしないでください。国民生活センターは2026年3月、塩素系洗浄剤の混合や、排水トラップに残った洗浄剤による事故について注意を呼びかけています。取れないからと使用量や濃度を増やすのではなく、作業を中断して相談します。
エアコンの内部洗浄は、購入店やメーカーの窓口に相談してください。NITEは、誤った内部洗浄による破損・発火の危険を示しています。カビや水損が疑われる空調内部を家庭で分解することと、取扱説明書に従うフィルターのお手入れは分けて考えます。
床下や天井裏へ無理に入る、重い家具を一人で動かす、発生面に塗装して隠すことも避けます。作業に参加する人の体調に不安がある場合は医療機関へ相談してください。CDCは、アレルギー、免疫抑制、肺疾患などのある人がカビ清掃に参加しないよう案内しています。
面積が分からなくても、相談に使える5つの情報
- 建物と地域:市区町村、戸建て・マンション、持ち家・賃貸など。
- 発生場所:部屋名、壁・天井・窓・床下・収納など。写真は近くと全体の両方があると伝わります。
- 見つけた時期と変化:いつから、広がったか、清掃後に戻ったか。
- 水分や臭い:結露、雨漏り、漏水、浸水、臭いの出るタイミングなど。
- 希望すること:点検、除カビ、検査、入居・引渡し前の確認、希望日など。
面積は「窓の下の一部」「壁一面」など、分かる表現で構いません。写真を撮るために高所へ登る、点検口へ入る、壁を開ける必要はありません。すでに使った洗剤や清掃した範囲があれば、その情報もお知らせください。
賃貸は管理会社・オーナー、新築は施工会社・販売会社にも写真と発見日時を共有します。分譲マンションでは、専有部分か共用部分かに応じて管理側と連携します。費用負担や保険の扱いは、契約・原因・保険条件を確認して整理します。
専門業者の費用は、作業範囲と別途費用を確認する
株式会社せらでは、カビバスターズ本部の掲載料金を参考に、材質、面積、作業場所、必要な調査と施工から見積りを確認します。主な税込の目安は、室内壁面(クロス)が1,650円〜/m²、浴室全体が38,500円〜、床下部分(100m²未満)が550,000円〜です。掲載条件による参考額で、部分的な清掃やあらゆる現場にそのまま適用する一律価格ではありません。
電話・フォームの初回相談と、現地での調査・測定は区別してください。検査に伴う現地調査費は22,000円〜、報告書作成費は22,000円〜、交通費は実費の案内があります。検査料は別で、含水率測定には報告書がありません。必要な調査の内容と費用は、訪問の予約前に確認します。
- 除カビ・防カビの対象面、養生、家具の移動、乾燥の確認はどこまで含まれるか。
- 足場、壁の開口・復旧、材料交換、漏水修理は含むか、別の担当・費用か。
- 検査や報告書は何を確認するために必要か。追加費用が出る条件は何か。
- 作業後の確認、経過観察、再発時の対応をどう進めるか。
カビを落とす工程に加え、湿る原因の修理や使い方の改善をどう進めるかを確認すると、見積りを比較しやすくなります。掲載料金・簡単見積りと見積条件を確認する →
相談から施工後まで、確認する流れ
まず写真と状況から、現地で調べる必要がある場所と、修理担当との連携を整理します。次に材質・傷み・濡れの状態を確認し、必要な養生、除去または交換、乾燥、施工後の確認を見積りに含めます。漏水などが続いている場合は、その対応と除カビの日程を調整します。
MIST工法®は、対象と状態に合わせて除カビ・防カビを行う施工方法です。使える材料を確認し、建物の修理や部材交換が必要な範囲も分けて相談します。詳しくはMIST工法®の施工案内をご覧ください。
菌検査はすべての住宅で施工の前提になるものではありません。必要な場合は、見たい場所、施工前後の比較、報告の用途など目的を決めます。検査値だけで健康や住めるかどうかを判定せず、見える発生状況や濡れと合わせて確認します。カビ菌検査の種類と費用 →
よくある質問
1m²未満なら、必ず自分で取れますか?
広さだけでは判断できません。小範囲でも漏水、下地の傷み、高所、空調内部などでは相談を先に進めます。約10平方フィートというEPAの目安は、日本の法的基準や安全保証ではありません。
掃除してから問い合わせたほうがよいですか?
取る前の近接写真と全体写真があると状況を伝えやすくなります。すでに清掃した場合も、使った製品、清掃日、戻るまでの経過を伝えてご相談いただけます。
現地調査や見積りは、すべて無料ですか?
電話・フォームの初回相談は無料です。現地調査、検査、報告書、施工などは内容によって費用がかかります。必要な対応と総額・別途費用を、ご予約やご依頼の前に確認してください。
写真とおおよその場所しか分からなくても相談できますか?
ご相談いただけます。市区町村、建物の種類、発生場所、濡れ・再発の状況など、分かる情報をお知らせください。壁内など写真で判断できない範囲は、必要な点検方法から相談します。
住まいの状況から、必要な対策を一緒に整理します
「全部やり直す必要があるのか」「専門業者に頼むほどか分からない」という段階でも、発生場所と気になる変化をお知らせください。清掃、調査、修理、除カビのうち、どの対応を検討するかを整理します。
住宅のカビを相談する → 住宅の施工案内 → 施工写真・事例を見る →
電話:0120-052-127(平日9:00〜18:00・土日祝除く)。法人・施設の管理担当者は法人・施設の相談フォームをご利用ください。
家庭の対策を続けて読む:湿度・換気・掃除の基本/壁紙のカビと下地の確認/木製家具・フローリングのカビ。本記事は家庭のカビ対策連載の第10回です。
確認に使った公開資料
- EPA:Mold Cleanup in Your Home(家庭の清掃範囲、素材、水損などの相談条件)
- EPA:A Brief Guide to Mold, Moisture and Your Home(水分管理、隠れたカビ、検査の目的)
- CDC:Mold Clean Up Guidelines and Recommendations(清掃に参加する人への注意)
- 国民生活センター:住宅用塩素系洗浄剤の使い方(2026年3月18日公表)
- NITE:エアコンの内部洗浄の注意事項
- 厚生労働省:被災した家屋での感染症対策(浸水時の清掃と乾燥。通常の住宅清掃と条件を区別)
- カビバスターズ本部:施工・菌検査の料金表(2026年10月11日確認)
