一次資料の確認:2026年10月11日
厨房の天井に黒ずみがある、シンク下でカビを繰り返す、客席の空調を入れると臭う。飲食店のカビ対策は、発生場所と湿気の原因を確認し、食品・器具・お客様への影響を避けて清掃や施工を進めることが大切です。
まず確認するのは、営業を続けられる作業条件です。食品を扱う場所から作業区画を分けられるか、食品・器具を移せるか、換気と乾燥の時間を確保できるかを整理します。カビの写真や面積だけで、営業継続・休業の必要性や施工後の再開時刻を確定することはできません。
飲食店でカビを見つけたら、場所・食品への影響・湿気を確認する
食品衛生法施行規則の別表第17は、施設の清潔維持、十分な換気、必要に応じた適切な温度・湿度管理を求めています。清掃用具も、使用の都度洗って乾かし、所定の場所へ保管することが示されています。
- 場所と広がり:厨房、客席、食材庫、空調、シンク下など、どこで気になるかを整理します。写真は安全に撮れる範囲で準備します。
- 食品と利用者への影響:食品や器具の近くか、清掃中に液剤や汚れが飛散するか、客席や従業員の動線を区切れるかを確認します。
- 湿気と処理の履歴:結露・漏水、換気設備の運転、以前の清掃や改装、再発した時期を確認します。
黒ずみの原因には汚れや素材の変色も含まれます。臭いだけで発生源や菌の種類は確定できないため、清掃を続けても改善しない場合は状況確認からご相談ください。
営業を続けるか、区画の使用を止めるかを検討する
次の表は、作業計画を整理するための実務上の確認事項です。法令上の休業基準を示すものではありません。食品衛生上の対応や行政の確認が必要な場合は、店舗の責任者から管轄の保健所へ相談してください。
| 場面 | 先に確認すること | 進め方 |
|---|---|---|
| 日常清掃で扱える表面 | 安全に届く範囲か、素材と洗浄剤の使用条件、食品・器具への飛散、乾燥までの時間 | 自店の衛生管理計画と製品・設備の取扱説明に沿って清掃し、状態と再発の有無を記録します。 |
| 天井・高所・空調内部・繰り返すカビ | 足場や養生、入退店と搬入、換気・乾燥、厨房や客席との区分 | 専門業者へ原因確認と施工範囲を相談し、閉店後・定休日・区画ごとの作業など、実施できる条件を確認します。 |
| 食品への落下・飛散や、漏水・部材の傷みが心配 | 食品を扱う区画を分けられるか、提供・調理を続けられる状態か、建物・設備の補修が必要か | 該当区画の調理・提供や利用をいったん見合わせることも含め、店舗責任者と関係業者で対応を整理します。必要な食品衛生上の判断は保健所へ確認します。 |
利用再開は、除カビの作業が終わった時点だけで判断しません。施工範囲の確認、清掃、食品・器具の復旧、換気・乾燥、立入制限の解除条件を事前に決めます。設備の修理や追加確認がある場合は、その工程も含めて日程を相談します。
食品衛生法の一般衛生管理と、温湿度の目安を分けて読む
2021年6月から、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められています。その土台となる一般衛生管理のうち、カビ対策に関係する主な内容が、食品衛生法施行規則別表第17に示されています。
| 管理するもの | 規則で示される内容 |
|---|---|
| 施設と周辺 | 定期的な清掃と、稼働中の食品衛生上の危害を防ぐ清潔な状態の維持。 |
| 食品を扱う場所 | 不要な物品を置かず、内壁・天井・床を清潔に維持。 |
| 採光・照明・換気 | 十分に行い、必要に応じて適切な温度・湿度を管理。 |
| 窓・出入口 | 原則として開放したままにしない。開放する場合は、ほこりや害虫等の侵入防止措置。 |
| 排水溝・便所 | 排水を妨げる固形物を防いで清掃・補修。便所も清潔を保ち、定期的に清掃・消毒。 |
| 器具・清掃用機材等 | 食品に接触するおそれのあるものは、汚染・作業終了の都度、所定の方法で消毒して乾燥。施設設備の清掃用機材は使用の都度洗浄・乾燥し、所定の場所に保管。 |
出典:厚生労働省「食品衛生法施行規則」別表第17。洗浄剤・消毒剤は使用方法と食品への混入防止も確認します。
湿度80%以下・温度25℃以下は、すべての飲食店の一律の法定基準ではありません
別表第17の温湿度管理には、一律の数値は定められていません。厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルでは、調理場は湿度80%以下・温度25℃以下に保つことが望ましいとされています。
このマニュアルの適用対象は、同一メニューを1回300食以上、または1日750食以上提供する施設です。中小規模施設も趣旨を踏まえた衛生管理を行うという位置付けであり、数値を小規模店の一律の義務や、カビが生えない境界として扱うものではありません。自店の業種・規模に合うHACCPの手引書と衛生管理計画を確認してください。
場所別に、日常清掃と専門相談の範囲を分ける
| 場所 | 日常管理で確認すること | 専門相談に進む場面 |
|---|---|---|
| 厨房の天井・フード周辺 | 湯気の結露、油汚れ、換気の運転、天井材の状態。 | 高所作業、広がる黒ずみ、清掃後の再発、天井材の浮きや漏水。換気・給気や建材も含めて確認します。 |
| 冷蔵・冷凍設備、製氷機 | 取扱説明に従うパッキン・表面の清掃、結露、周囲のほこり。 | 機器内部、外せない部品、故障・漏水。食品に関係する設備は保守業者と処理条件を相談します。 |
| シンク下・食洗機周辺 | 水滴、配管の結露、漏れた跡、排水と乾きやすさ。 | 漏水が続く、床・壁の内部が気になる、表面処理後も繰り返す。給排水・建物側の補修も検討します。 |
| 客席の壁・空調 | 結露、設備のフィルター等の手入れ、臭いが出る場所・時間。 | 内部の分解洗浄、目に見えない場所の点検、臭いの継続。写真や臭いだけで発生源は確定しません。 |
| 清掃用具の保管場所 | 用具の洗浄・乾燥、保管場所の湿気、用途に合った使い分け。 | 保管場所の換気・排水の問題や、周囲の壁・床で繰り返すカビ。 |
日常清掃では、設備・素材と使用する製品の取扱説明に従います。高所や設備内部の確認のために、無理に登ったり天井材を外したりせず、専門業者に作業範囲を相談してください。
店舗外部の木部を処理した、公開施工写真

この記録では、風雨にさらされた店舗外部の木材を処理し、その後の撥水コーティングを塗装業者が担当したことが公表されています。素材への処理と、その後の維持を分けて考える例です。厨房・食品設備の処理には、それぞれの用途に合わせて作業条件を確認します。
相談前に、写真・営業時間・希望する確認内容を整理する
面積や原因が分からない段階でもご相談いただけます。次の情報があると、現地確認、施工、検査のどれを先に検討するか整理しやすくなります。
- 所在地、店舗の用途、連絡担当者。
- 厨房・客席・食材庫などの発生場所、おおよその範囲、素材。
- 場所が分かる全体写真、黒ずみ等の近接写真、結露・漏水の写真。
- 気付いた時期、清掃や薬剤処理の履歴、再発や臭いの状況。
- 営業時間、定休日、入退店できる時間、作業区画、希望日程。
- 原因確認、除カビ、設備点検、検査、写真記録・報告書のうち希望する内容。
飲食店のカビ相談です。所在地は[市区町村]、気になる場所は[厨房の天井/客席など]です。[漏水・結露・再発など]があり、営業時間は[時間帯]、作業できる日は[曜日・希望日]です。写真[あり/なし]。施工範囲と営業への影響、費用について相談したいです。
見積りでは、施工範囲・素材、食品や器具の移動、養生、足場、換気・乾燥、夜間等の作業条件、交通費を確認します。カビ菌検査を希望する場合は、確認したい目的、採取場所、報告書の範囲もお知らせください。
電話・フォームでの相談は無料です。現地調査・検査・報告書・交通費などは別途費用がかかる場合があります。施工料金と検査料金、総額に含まれる項目を依頼前に確認します。
電話:0120-052-127/受付:平日9:00〜18:00(土日祝を除く)。夜間・休業日の作業は、ご希望の日時と対応条件を個別に確認します。
飲食店のカビ対策でよくある質問
カビを見つけたら必ず休業ですか?
写真や面積だけで一律に決まるものではありません。食品への影響、作業区画、店舗の状態、行政からの指示の有無などを確認します。食品を扱う区画の管理が難しい場合は、該当区画の利用を見合わせることも含めて店舗責任者が対応を整理し、必要に応じて保健所へ相談してください。
天井の黒ずみは、閉店後に拭けば済みますか?
表面だけで対応できるか、高所作業や建材・設備側の確認が必要かによって異なります。食品・器具への飛散、足場、養生、換気と乾燥までの時間を含めて、作業日程を検討します。
客席のエアコンがカビ臭い場合、フィルター清掃で足りますか?
取扱説明に沿った手入れを行っても臭いが続く場合は、設備内部や周辺の湿気も確認します。分解が必要な清掃は設備・清掃の専門業者へ相談してください。臭いの原因をカビだけに限定することはできません。
検査で営業再開の可否を決められますか?
カビ菌検査は、採取した場所・時点・方法での検出状況を確認するものです。結果だけで食品の安全や営業再開、将来の再発防止を保証するものではありません。確認したい目的に合わせて検査と記録の範囲を検討します。
参考資料と適用する範囲
- 厚生労働省「食品衛生法施行規則」:別表第17「施設の衛生管理」「設備等の衛生管理」。清潔維持、換気・温湿度管理、器具・清掃用具の取扱いを確認。
- 厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」:適用対象と調理場の温湿度の望ましい条件を確認。一般飲食店の一律の数値基準として転用しません。
- 厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」:自店の業種・規模に合わせた計画と記録の参考。
本記事の営業・区画・日程の表は、相談内容を整理するための確認項目です。法令・手引書の説明と区別しています。施設固有の条件、自治体の取扱い、食品衛生上の判断は、店舗責任者と管轄の保健所へご確認ください。
