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C値・UA値・ηA値をカビ目線で読む|住宅の性能値は何を示しているのか

住宅の性能を比べるとき、UA値・C値・ηA値という3つの記号が出てきます。省エネの話としては馴染みがあっても、カビの話としてどう読めばいいのかは意外と語られません。連載「省エネ住宅時代のカビ」第4回は、この3つを結露とカビの視点で整理します。

1. 3つの値は、それぞれ別のことを示している

図1 住宅の性能をあらわす3つの値(出典:国土交通省 国土技術政策総合研
図1 住宅の性能をあらわす3つの値(出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所「省エネと結露」/MIST工法®カビバスターズ本部)

表1 3つの値の整理

記号 正式名称 何を示すか 計算値か実測値か
UA値 外皮平均熱貫流率 住宅全体の断熱性能。低いほど断熱性が高い 計算値
C値 相当隙間面積(㎠/㎡) 気密性能。床面積1㎡当たりの隙間。小さいほど高気密 気密測定機による実測値
ηA値 冷房期の平均日射熱取得率 建物の冷房期における日射熱の入りやすさ。小さいほど日射熱を遮蔽できる 計算値
Uw値 窓の熱貫流率 窓全体の断熱性能 —

出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所「省エネと結露」

国総研は、住宅を比較する際について各社の住宅の断熱性を比較する際は、UA値で比較するのが有効としています。一方で、次の注意も添えられています。

しかし、この値は計算値であり、施工時に隙間が多いと所定の断熱性能を発揮することが困難となり、結露の要因ともなり得ます。施工状態も確認して下さい。

2. カビの視点では、C値が効いてくる

カビの相談で問題になるのは「水がどこにたまるか」です。ここで関わってくるのが気密性能です。国総研によれば、気密性が高い場合、室内が計画通り換気され、カビや結露の原因となりやすいよどみを防ぐことも可能となります。逆に気密性が低い場合、室内の換気が適切にコントロール出来ない場合があります。

そのC値については、こう書かれています。建設時や建設後、気密測定機を設置して、相当隙間面積(C値)を実測し、床面積1㎡当たりの隙間(㎠/㎡)により把握することが可能となります。C値は、小さい値ほど、気密性能が高くなります。しかし、気密性を計測する住宅会社は少ないのが現状です。

つまり、カタログに並ぶ数値のうち、実際に測って確かめられるのはC値だけであり、それを測る会社が多くない、というのが公的資料の書きぶりです。

図2 それぞれの値は、カビとどう関わるか(出典:国土交通省 国土技術政策
図2 それぞれの値は、カビとどう関わるか(出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所「省エネと結露」/経済産業省 資源エネルギー庁/MIST工法®カビバスターズ本部)

3. ηA値は「夏の話」

ηA値(イーターエー)は、冷房期における日射熱の入りやすさを示す値です。小さいほど日射熱を遮蔽でき、冷房効率が高くなります。国総研は、深い軒やけらばの出、バルコニー、庇があれば太陽高度の高い夏の日射を避けることが可能で、防水上も著しい効果があるとしています。オーニング、シェード、カーテン、すだれ、よしず、窓用フィルム、グリーンカーテンなども効果があると挙げられています。

これは夏型結露とも関わります。日射熱が入りにくければ冷房を強くかける必要が減り、室内側と外側の温度差も小さくなります。

4. 打合せで聞いておくとよいこと

図3 打合せで聞いておくとよいこと(出典:国土交通省 国土技術政策総合研
図3 打合せで聞いておくとよいこと(出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所「省エネと結露」/MIST工法®カビバスターズ本部)

表2 数値だけでは分からないこと

数値で分かること 数値では分からないこと
設計上の断熱性能(UA値) 施工時に隙間が生じていないか
実測の気密性能(C値) その隙間がどこにあるか。どの部屋の空気が動いていないか
日射熱の入りやすさ(ηA値) 実際の使い方(冷房の設定温度、閉め切りの時間)
— いま水が出ているかどうか。配管の漏れや雨水の浸入は性能値と無関係に起きる
数値が良い住宅でカビが出たとき
性能が高いこととカビが出ないことは、同じではありません。水の出所(結露・漏水・生活排湿)を特定しないまま除去だけを行えば、性能に関係なく繰り返します。順番は、水の出所の特定が先です。

5. まとめ

  • UA値は断熱、C値は気密、ηA値は夏の日射。示していることが違う
  • 実測できるのはC値。ただし計測する住宅会社は少ないのが現状とされる
  • 気密が高いと計画どおりに換気され、よどみを防ぎやすい。低いと換気をコントロールしにくい
  • UA値は計算値。施工の隙間は所定性能を妨げ、結露の要因になり得る
この連載について
「省エネ住宅時代のカビ」全10回の第4回です。第1回省エネ住宅とカビ/第2回夏型結露とは何か/第3回気密・通気・換気の役割分担。

数値では見えない部分の状況が気になる場合は、カビ菌検査や現地調査もご相談いただけます。処置の考え方はMIST工法®のページをご覧ください。費用は建物の状態によって変わるため、現地調査のうえでのお見積りとなります。