更新日:2026年10月14日
空気中のカビを調べるときは、数値と測定条件をセットで確認します。住宅の浮遊真菌、細菌、病院などの微生物管理を、同じ「菌の数」として扱わないことが大切です。検査は目的に合わせて選び、見えるカビの除去と水分の原因改善も並行して考えます。
住宅の「1,000 CFU/m³」は何の数値?
日本建築学会技術報告集に掲載された2025年の住宅調査論文では、住宅の浮遊真菌の維持管理規準として1,000 CFU/m³が引用されています。ここでいう真菌はカビなどの仲間です。住宅の浮遊真菌について示された値を、すべての施設・細菌・測定方法に共通する値へ置き換えることはできません。日本建築学会技術報告集の調査論文(2025年、PDF)
同論文は浸水害を受けた住宅の事例調査です。その結果を、一般の住宅すべての状況や、当社の施工効果を示す実証データとして扱うものではありません。測定結果を読むときには、参照した規準の版・対象用途・採取条件を確認してください。
住宅の数値や室内外の比較を詳しく知りたい方は、住宅の浮遊真菌と検査結果の読み方もご覧ください。病院・学校・事務所などは、それぞれの施設で採用する管理条件と検査目的を確認します。
CFU/m³と「すべての胞子の数」は違います
CFUは培養で形成されたコロニーを数える単位です。CFU/m³は、採取した空気の体積をもとに1立方メートルあたりへ換算した値です。培地や培養条件、採取位置・日時などを変えれば、結果の比較の仕方も変わります。検査票にある数値だけでなく、測定方法の説明も確認しましょう。
| 検査票で見る項目 | 確認すること |
|---|---|
| 測定対象 | 真菌・細菌・微生物のどれを調べたか |
| 採取方法と単位 | 浮遊菌、落下菌、付着菌などの違い |
| 採取条件 | 場所・時刻・空調運転・窓の状態と、比較する屋外測定の有無 |
| 培養・分析条件 | 使用した培地、培養条件、結果の評価方法 |
| 評価の目的 | 現状の把握、発生源の調査、作業後の確認など |
検査結果だけで健康や原因を断定しない
検査の数字だけで、住む人が病気になるか、症状の原因が室内のカビかを判断することはできません。CDCも、人によって健康への影響が異なるため、採取・培養だけで発症するかどうかを判断できないと説明しています。症状が気になる方は、検査や施工の相談とは別に医療機関へご相談ください。CDC:Mold
検査は、何を判断するために行うのかを先に決めます。EPAは、目に見えるカビがある場合には多くのケースで採取検査を必要としないとしています。検査をすれば必ず除去方法や漏水箇所まで分かる、という説明は適切ではありません。EPA:Mold Testing or Sampling
見えるカビは結果。水分の原因も確認します
除カビの作業と、カビが発生し続ける環境の改善は、分けて確認しましょう。窓や壁の結露、配管や屋根からの漏水、湿った建材、換気の状態などを調べ、必要な補修や管理につなげます。CDCは、カビの清掃と水分問題への対応をあわせて行うことを案内しています。
夏型結露を含め、結露は原因候補の一つです。ただし、発生場所の写真だけで原因を一つに決めず、気付いた時期、雨や冷房運転との関係、以前に清掃して再発したかなどを整理して相談してください。住宅・床下のカビ対策
せらへ検査・施工を相談するときの確認事項
株式会社せらでは、一般社団法人微生物対策協会と連携したカビ菌検査のご相談を受け付けています。検査する場所と方法、必要な採取数、費用、結果の受け取り方を事前に確認します。検査と除カビ施工、水分原因の調査・補修を同じ契約範囲と決めつけず、担当と作業範囲を整理することが大切です。
- 検査:目的、対象、採取条件、結果の評価方法
- 除カビ:処理する面と範囲、素材・仕上げ、養生、利用再開の条件
- 原因改善:結露・漏水などの確認と、必要な補修の担当
- 作業後:確認方法、維持管理、保証がある場合の適用条件と対象範囲
噴霧だけで壁の裏や建材内部まで一律に処理できる、将来もカビが出ない、という保証はしません。素材や汚染の状態によって、補修・交換などを含めた判断が必要になります。
分かる状況からご相談ください
建物の用途、発生場所、気付いた時期、繰り返す状況を、分かる範囲でお知らせください。無理に床下や天井裏へ入ったり、仕上げを剥がしたりせず、安全に撮れる範囲の写真をご用意ください。
