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押入れ・クローゼットのカビ|出る4か所、北側の外壁に面した押入れが出やすい理由、落とし方6ステップと収納の見直し5点

 

※この記事は2026年9月に、文部科学省「カビ対策マニュアル」、東京都「住居とアレルギー疾患」、環境再生保全機構、東京都クリーニング生活衛生同業組合、国土交通省の原状回復ガイドラインをもとに内容を全面的に見直しました。当サイトに分散していたクローゼット・押入れの記事4本をこの記事に統合しています。

押入れの奥の壁に黒い点、布団の裏に白い粉、クローゼットの服がカビ臭い。相談で最初に聞くのは「その押入れ、北側の外壁に面していますか」です。結論から言うと、押入れ・クローゼットのカビは、奥の壁・床・布団と衣類・扉の裏の4か所に出て、原因は外壁に面した冷たい壁の結露と、詰め込みで止まった空気。対策は、落としてから配置を変えること(スノコ・壁から離す・8割・扉を開ける・湿度計)です。落としただけで同じ配置に戻すと、次の冬に戻ります。

この記事で分かること

  • 押入れ・クローゼットのカビが出る4か所と、それぞれの水と栄養の出所
  • 北側の外壁に面した押入れが特に出やすい理由(東京都・文科省)
  • 出てしまったときの6ステップと、布団・衣類の扱い
  • 収納の見直し5点(詰め込み8割・スノコ・壁から5〜10cm・扉を開ける・湿度計)
  • 賃貸での負担の考え方と、壁の裏まで広がったときの判断

1. 結論:4か所に出る。落としてから配置を変える

要点 内容 根拠
出る場所 奥の壁(外壁に面した面)/床・下段/布団と衣類/扉・襖の裏 文部科学省 実践編(外壁に面した壁の内側に棚を近接させた事例)
原因 冷たい壁の結露と、詰め込みで止まった空気。汗・皮脂・ホコリが栄養 東京都「住居とアレルギー疾患」(北向き・気密性の高い部屋は結露しやすい)
落とし方 全部出す→乾かす→掃除機→エタノールを目立たない所で試して一方向に拭く。噴霧しない 文部科学省、国立国会図書館
繰り返さない スノコ、壁から5〜10cm、詰め込み8割、扉を定期的に開ける、湿度計65% 環境再生保全機構(押入れは空気を入れ替え、スノコを敷く)、東京都、文科省

2. カビが出る4か所

図1 4か所とも「冷たい面」か「空気が止まる場所」か「湿った物」
場所 栄養 出方
① 奥の壁(外壁に面した面) 北側・外壁に面した壁の結露 ホコリ、壁紙の糊、合板 壁一面の黒い点、隅から広がる
② 床・下段 床の低温、畳・合板の湿気、直置きの箱 ホコリ、段ボール 布団の裏の白い粉、床板の黒ずみ
③ 布団・衣類 汗、湿ったまましまう、ビニール袋の中 汗・皮脂・食べこぼし カビ臭、白い粉、黒い点
④ 扉・襖の裏 閉め切りで湿気が抜けない。扉が冷たい ホコリ 扉の内側の点々

東京都保健医療局「食品衛生の窓」は、カビは湿度70%以上・10〜30℃で発育しやすく、栄養は澱粉・糖分だけでなく垢・ペンキ・プラスチックまで利用するとしています。押入れは部屋の中で最も空気が動かず、湿った布団と汗の付いた衣類があり、何か月も開けない。条件がそろう場所です。

3. 北側の外壁に面した押入れが特に出やすい理由

東京都「住居とアレルギー疾患」は、北向きで気密性の高い部屋は結露しやすいとし、家具を壁から5cm以上離すことを挙げています。文部科学省のマニュアル実践編は、外壁となっている壁の内側に近接して棚がある、資料を立てかけた、という理由でその場所がカビ被害に見舞われる事例を挙げ、収蔵庫では棚を壁から10cm、床から20〜30cm離すことを示しています。押入れの奥の壁が外壁なら、冬に冷えて結露し、布団や箱で空気が止まるので乾きません。奥の壁が外壁かどうかは、間取り図で押入れの背面が外に接しているかを見れば分かります。マンション(RC造)で北側の部屋の押入れだけ出るのも同じ理由で、木造と鉄筋コンクリート造でカビの出方はどう違う?で扱っています。

4. 出てしまったときの6ステップ

図3 6を飛ばして同じ配置に戻すと、次の冬に戻る
  1. 全部出す。カビが付いた物と付いていない物を分け、付いた物は屋外か別の部屋へ。マスク・手袋。文部科学省は死んだ胞子もアレルゲンになるとしています。
  2. 乾かす。扉を開け、扇風機で風を当てる。濡れた状態でこすると広がります。
  3. 掃除機とから拭きでホコリと胞子を取る。壁・床・棚板・扉の裏。
  4. 消毒用エタノールを目立たない所で試し、布に含ませて一方向に拭く。壁紙・合板の色の変化を確認してから。塩素系は壁紙・木を傷めるので使わない。スプレーで広範囲に噴霧しない(文部科学省)。壁紙の中まで入っている(ふくらむ・面で広がる)場合は壁紙のカビの判断へ。
  5. 布団は干す、衣類はクリーニングへ。東京都クリーニング生活衛生同業組合は「汚れは全てカビの栄養源」「一度でも着れば付着」とし、クリーニングのビニール袋は外すよう案内しています。衣類の扱いはスーツのカビ喪服のカビを参照。
  6. 戻す前に配置を変える。次の章の5点。同じ配置に戻すと戻ります。
やってはいけないこと 理由
塩素系漂白剤・カビ取り剤を壁や木に使う 壁紙・木が変色し傷む。狭い空間で刺激が強い
スプレーで一面に噴霧 文部科学省は噴霧器を使わないとしている。濡れて乾かず、周囲に広がる
カビの付いた布団・衣類をそのまま戻す 胞子の供給源が残る
除湿剤だけ置いて扉を閉め切る 除湿剤は補助。空気が動かなければ壁の結露は止まらない

5. 収納の見直し5点

図2 環境再生保全機構は押入れの対策として「定期的に空気を入れ替え、スノコを敷く」を挙げている
見直し やること 根拠
詰め込み量は8割まで 奥と上に空気の通り道を残す。奥の壁に物を密着させない 文部科学省(空気の滞留する場所にカビ)
スノコを敷く 床の湿気と結露から布団・箱を離す 環境再生保全機構(押入れは定期的に空気を入れ替え、スノコを敷く)
壁から5〜10cm 衣装ケース・棚を奥の壁から離す 東京都(家具は壁から5cm以上)、文部科学省(棚は壁から10cm・床から20〜30cm)
扉・襖を定期的に開ける 天気のよい日に開けて空気を入れ替える。閉め切りで湿度は下がらない 環境再生保全機構
湿度計を奥に置く 部屋が60%でも押入れの奥は70%を超えることがある。65%を超えたら除湿・換気 文部科学省(65%監視・60%以下)

段ボールは湿気を吸い、紙そのものがカビの栄養になるので、プラスチックの衣装ケースに替えます。ケースも壁から離し、床から上げる。布団は圧縮袋に入れる前に完全に乾かし、季節の変わり目に一度出して干す。収納全般の考え方は収納のカビ管理、家具の裏は家具のカビ、和室の押入れと畳は和室の湿気とカビで扱っています。

6. 賃貸での負担と、壁の裏まで広がったときの判断

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、「結露を放置したことにより拡大したカビ、シミ」を借主負担の例として挙げています。押入れに物を詰め込んだまま結露を放置してカビが広がった場合、壁紙の修繕費を求められることがあります。逆に、断熱不足や漏水など建物側の原因なら話は別です。写真と湿度の記録を残し、早めに管理会社に伝えてください。当社は法律の専門家ではないので、個別の判断は契約書とガイドライン本文で。

状態 判断
奥の壁の表面に点。拭けば落ちる 落として配置を変える
同じ場所に季節ごとに戻る、壁紙がふくらむ 壁の裏に水が回っている。断熱・結露・漏水の原因調査
床板が黒く柔らかい、カビ臭が取れない 床下の湿気。床下の点検
家族に症状がある 医療機関へ。当社は医療機関ではありません

7. よくある質問

Q. 押入れの扉を開けっぱなしにすれば防げますか。

空気が動く分は効きますが、部屋の湿度が高ければ押入れの湿度も下がりません。部屋の湿度を60%前後に保つことと、奥の壁に物を密着させないことが前提です。

Q. 除湿剤・防カビ剤で足りますか。

除湿剤は湿気を吸いますが、外壁の結露は止められません。防カビ剤の効果を示す公的資料は、当社が確認した範囲では見つかりませんでした。スノコと壁からの距離、扉を開けることの代わりにはなりません。

Q. 布団を圧縮袋に入れれば安心ですか。

湿ったまま入れると袋の中で条件がそろいます。完全に乾かしてから入れ、季節の変わり目に出して干してください。

Q. 押入れのカビで体に影響はありますか。

文部科学省は、死んだ胞子もアレルゲンになるとしています。環境再生保全機構は、カビがアレルゲンの場合の室内対策として押入れの換気とスノコを挙げています。症状の判断は医療機関の領域で、当社は医療機関ではありません。

8. まとめ

押入れ・クローゼットのカビは、奥の壁・床・布団と衣類・扉の裏の4か所に出て、原因は外壁に面した冷たい壁の結露と、詰め込みで止まった空気。出たら全部出して乾かし、エタノールで一方向に拭き、布団と衣類は別に処置する。戻す前に、詰め込み8割・スノコ・壁から5〜10cm・扉を開ける・湿度計の5点で配置を変える。同じ場所に戻るなら壁の裏の水の出所を調べる。

配置を変えても奥の壁に戻るときは

壁の裏の断熱や結露、床下の湿気を調べる必要があります。MIST工法®カビバスターズ本部では、原因の調査から、素材を傷めない工程での処置、再発を防ぐ環境づくりまでご案内しています。

参考資料

  • 文部科学省「カビ対策マニュアル」実践編・Q&A(外壁に面した壁の内側に棚を近接させた事例/壁から10cm・床から20〜30cm/65%監視・60%以下/噴霧器不可/消毒用エタノール/死んだ胞子もアレルゲン)
  • 東京都「住居とアレルギー疾患」(家具は壁から5cm以上/北向き・気密性の高い部屋は結露しやすい)
  • 独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息 悪化因子の対策 室内環境を見直しましょう」(押入れは定期的に空気を入れ替え、スノコを敷く/気密性の高いマンションでは換気を心がける)
  • 東京都クリーニング生活衛生同業組合「カビの防止術!」(汚れは全てカビの栄養源/一度でも着れば付着/ビニール袋は外す)
  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(結露を放置したことにより拡大したカビ、シミ=借主負担の例)
  • 東京都保健医療局「食品衛生の窓」(湿度70%以上・10〜30℃/垢・ペンキ・プラスチックも栄養)

※本記事は公的機関・業界団体の公開情報をもとに一般的な情報を提供するものです。壁紙・建材は個別に異なるため、目立たない所で試してから行ってください。賃貸の負担は契約書とガイドライン本文で確認してください。健康に関する判断は医療機関にご相談ください。当社は医療機関・法律の専門家ではありません。