カビ取りの見積書で、内容がいちばん分かりにくいのが「防カビ処理」の行です。何を塗るのか、どのくらいもつのか、そもそも除カビと何が違うのか。今回はこの部分を、即効性・持続性・安全性という3つの軸に分けて説明します。
結論|除カビと防カビは目的が違う、別の工程
除カビは、すでに発生しているカビを取り除く工程です。防カビは、そのあとに付きにくくするための工程です。順番が決まっていて、置き換えはできません。

当社では、カビを除去したあとの対策も工程に含めています。霧状の除カビ専用剤で素材の深部まで処理したうえで、仕上げとして防カビ剤による予防処理を実施する、という流れです。MIST防カビ処理は、即効性・持続性・高い安全性の3つを備えていると説明しています。
軸①|即効性
即効性が問題になるのは、除去の直後です。除カビが終わった面は、いわば無防備な状態になります。当社のサイトでも、対象室内で空気中を浮遊しているカビが新たに素材に付着し増殖することがあると説明しています。処理してから防カビが効き始めるまでに空白があると、その間に再付着が始まります。

軸②|持続性
持続性については、当社のQ&Aに考え方が書かれています。従来は薬品を混ぜ込んだ塗料や接着剤を塗ることでカビ予防としてきたものの、製品に少量の防カビ剤しか混入できず、効果はとても低いものだった。これに対しMIST工法®では、コンクリートとクロス糊の隙間、壁と塗料の隙間といった細かい部分に、多量の防カビ剤を混入した特殊な防カビ剤溶液を塗布できるので、長期間にわたるカビ予防が可能である、という説明です。
ここで注目していただきたいのは、量だけでなく「どこに入れられるか」という点です。カビが最初に出てくるのは、たいてい取り合い部や隙間です。見える面にきれいに塗っても、隙間が抜けていればそこから戻ります。
軸③|安全性
人が生活し、働き、通う場所で薬剤を使う以上、安全性の裏づけは工法の一部です。当社では、MIST工法®で使用する溶液はすべて工業排水試験に準じた分析試験にかけ、周辺環境に対して安全性に問題なしとの試験結果を受けていると説明しています。抵抗力の備わっていない小さなお子様や、抵抗力の低下されている高齢の方が利用される施設でも依頼いただけるという前提で設計されています。
安全性については、業者側の言い方ではなく「どの試験を受けたか」で確認してください。これは当社に対しても同じです。人がいる場所で使う薬剤なら、必ず説明できるはずの項目です。
防カビ処理で変えられないもの
防カビ処理は、付着と増殖を抑える方向の手当てです。建物側の水分条件を変えるものではありません。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準は相対湿度40〜70%、温度18〜28℃を求めていますが、この範囲はカビが増えられる範囲とも重なります。結露や漏水が続いていれば、条件は処理前に戻ります。
文部科学省のカビ対策マニュアル実践編にも、除菌だけでは十分な処置とはならず、環境を改善しない限りカビ被害が繰り返されるという趣旨の記載があります。だからこそ当社では、除カビと防カビに加えて、現地環境を調査して原因を分析する防カビアドバイスを用意しています。
| 軸 | 確認すること | 曖昧だと起きること |
|---|---|---|
| 即効性 | 除去直後から働くか | 処理直後の再付着 |
| 持続性 | どこに、どれだけ入れられるか | 隙間や取り合い部から戻る |
| 安全性 | どの試験を受けているか | 使える場所が限られる |
| 前提 | 水分条件をどうするか | 処理を繰り返すことになる |

次回予告
次回は、防カビ塗料や防カビ建材との違いを取り上げます。あらかじめ混ぜ込む方式と、後から塗る方式では何が変わるのかを説明します。
参考にした情報
- 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
- 株式会社せら「Q&A」 https://sera.jp/faq
- 株式会社せら「サービス内容と料金」 https://sera.jp/service
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」
- 文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」












