外壁やコンクリートのカビ相談でよくいただくのが「高圧洗浄では駄目なのですか」という質問です。駄目という話ではありません。目的が違い、得意なことが違います。今回は水圧で落とすという方法と、分解して低い水圧で流すという方法の違いを整理します。
結論|高圧洗浄は「洗浄」、MIST工法®は「除カビ」
高圧洗浄は、水の勢いで表面の付着物を物理的に飛ばす方法です。広い面を短時間で処理でき、塗り替え前の下地洗浄としては欠かせない工程です。
一方でMIST工法®は、対象素材に合わせた専用剤で菌糸と汚れを分解してから、水で洗い流します。当社のQ&Aでは、専用剤を噴霧したあとは水で流すため、ゴシゴシと磨いて壁面や目地を傷めることはなく、水圧も低いので洗浄において素材を削ってしまう心配もないと説明しています。

水圧を上げると、素材の側で何が起きるか
水圧を上げれば汚れは飛びますが、飛ぶのは汚れだけとは限りません。もろくなった塗膜、経年した目地、木材の柔らかい部分は、一緒に削れることがあります。削れた面は元に戻りません。
そして表面が荒れることは、その後の話につながります。文部科学省のカビ対策マニュアル実践編では、材質からカビかどうかを判断することはできず、ガラスや陶器のようにカビの栄養源とならない材質でも、手の汚れやホコリがあればカビは発生すると説明されています。つまり素材そのものより、そこに何が留まるかが効いてきます。

「洗ったのに、また黒くなった」が起きる理由
洗浄後しばらくして同じ場所が黒くなる、というご相談は少なくありません。考えられる理由は主に3つです。
- 素材の内部に菌糸が残っていて、表面の色だけが落ちていた
- 水分の供給源(結露・漏水・雨仕舞い・植栽からの跳ね返りなど)が残っている
- 洗浄で荒れた面に汚れが留まりやすくなり、条件が整いやすくなった
いずれも「洗浄が下手だった」という話ではありません。洗浄という工程が担っているのは表面の付着物の除去までで、内部の菌糸や水分条件はその範囲外だということです。文部科学省のカビ対策マニュアル実践編にも、除菌だけでは十分な処置とはならず、環境を改善しない限りカビ被害が繰り返されるという趣旨の記載があります。
外壁で検討するときの確認事項

当社が公開している料金の目安では、コンクリート(外壁)が1㎡あたり1,200円から、築40年未満の一般住宅(外壁)が1㎡あたり3,500円から(いずれも税別)となっています。素材と築年数で条件が分かれているのは、同じ外壁でも扱い方が変わるからです。実際の金額は、カビの発生している範囲や環境、素材によって大きく異なるため、現地調査のうえでお見積りをお出ししています。
| やりたいこと | 向いている工程 | 注意点 |
|---|---|---|
| 塗り替え前の下地洗浄 | 高圧洗浄 | 洗浄だけでは除カビにならない |
| 素材を残してカビを除去 | 分解して低い水圧で洗い流す | 水分条件は別に解決が必要 |
| 美観と防水の回復 | 塗装 | カビを残したまま塗ると栄養を足すことになる |
| 再発を抑える | 防カビ処理と環境の改善 | 処理単独では条件は変わらない |
外壁は面積が大きく、足場の有無で費用構成が変わります。除カビ・塗装・防カビ処理を別々の時期に行うと足場を二重に組むことになるため、順番と時期はまとめて相談されることをおすすめします。
次回予告
次回は、家庭でもっとも使われている塩素系漂白剤を取り上げます。白くなることとカビが無くなることはどう違うのか、公的資料をもとに整理します。
参考にした情報
- 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
- 株式会社せら「Q&A」 https://sera.jp/faq
- 株式会社せら「サービス内容と料金」 https://sera.jp/service
- 文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」












