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退去前にカビを見つけたら|立会いまでにやること・やらないことと、写真の残し方

「退去の準備で家具を動かしたら、壁の下のほうが黒くなっていた」「クローゼットを空にしたら、奥の壁にカビが広がっていた」。退去が近づき、荷物を片づけ始めたタイミングで、はじめてカビに気づく方は少なくありません。10月は秋の転勤や住み替えに合わせた退去が重なる時期で、夏のあいだの湿気や、秋の長雨・台風のあとの湿気で、家具の裏や押入れにカビが出ていることもよくあります。「費用を請求されるのでは」と不安になりますが、慌てて強くこすったり、黙って隠したりすると、かえって状況が悪くなることがあります。今回は、退去が近い入居者の方が、退去立会いまでにやること・やらないこと、写真の残し方、そして立会い当日の伝え方を、カビ取りの専門業者の目線で整理します。

結論|退去前のカビは「写真で記録 → 管理会社へ連絡 → こすらず手入れ → 立会いで説明」

退去前にカビを見つけたら、まず写真で今の状態を記録し、管理会社や貸主に早めに連絡するのが第一歩です。そのうえで、換気や乾燥など素材を傷めない範囲の手入れをし、立会いの当日は、いつ気づいたか・何をしたかを落ち着いて説明します。

反対に、強くこすって壁紙を傷める、塩素系の薬剤で色を抜いてしまう、家具や荷物で隠して黙っておくといった対応は、避けたほうがよい行動です。カビそのものより、手入れによる傷みや、説明の食い違いのほうが話をこじらせることがあります。

これからの季節は、朝晩の冷え込みで窓まわりや北側の壁に結露が出はじめます。退去日まで数週間ある方は、その間にカビが広がらないよう、換気と除湿も意識してください。

費用の負担の考え方については、賃貸住宅のカビ|貸主・借主の責任はどこで分かれるかもあわせてご覧ください。

退去前の片づけでカビが見つかりやすい場所

住んでいるあいだは家具や荷物に隠れて見えなかった場所が、退去の片づけで一気に表に出てきます。まず、次の場所を一通り確認しておくと、立会いの当日に「知らなかったカビ」が見つかって慌てることを減らせます。

表1|退去前に確認したい場所と、カビが出やすい理由
場所 カビが出やすい理由 確認のポイント
家具の裏の壁(特に北側・外壁側) 外気で冷えた壁と家具のすき間で空気が動かず、結露しやすい 壁の下のほう・巾木(はばき)まわりの黒い点
クローゼット・押入れ 閉め切りで空気がこもり、衣類や布団が湿気を抱える 奥の壁・角・床板のしみ、こもったにおい
窓まわり・サッシ 家の中でいちばん冷えやすく、結露が集まる ゴムパッキンの黒ずみ、窓台や窓下の壁紙
浴室・脱衣所 毎日水を使い、湿度の高い時間が長い 天井・目地・ドアまわり、脱衣所の床
キッチン・洗面台の下 配管の結露や小さな水漏れが起きることがある 収納の底板のしみ・ふくらみ
ベッド・マットレスの下の床 人の体から出た湿気が床側にたまりやすい フローリングや畳の変色

このうち、キッチン下や天井のしみのように、水漏れが疑われるものは、カビとは別に設備の不具合かもしれません。見つけた時点で、カビとあわせて管理会社に伝えてください。

退去立会いまでのタイムライン|いつ、何をするか

退去までの残り時間によって、できることは変わります。目安として、次の順番で進めると慌てずに済みます。

図1|退去前にカビを見つけたときのタイムライン。記録と連絡を先に済ませるのがポイント。
表2|退去立会いまでにやることの目安
時期 やること ポイント
気づいたらすぐ 写真を撮る/管理会社・貸主に連絡する 手入れの前に、見つけたままの状態を残す
退去の1か月前ごろ 家具を壁から離し、換気・除湿で乾かす 広がりを止めることを優先し、こすらない
1〜2週間前 無理のない範囲で手入れ、手入れ後の写真も撮る 狭い範囲だけ、素材に合った方法で
前日まで 写真・連絡の記録(日時・相手・内容)をまとめる 契約書の原状回復や特約の欄も確認
立会い当日 カビの場所を自分から案内し、経緯を説明する その場で即答・署名を急がず、内容を確認

連絡は電話だけでなく、メールや管理会社の問い合わせフォームなど、日付と内容が残る方法もあわせて使っておくと安心です。電話で話した場合は、日時と担当者の名前、話した内容をメモしておきましょう。

退去前にやること・やってはいけないこと

「立会いまでに消さなければ」と焦って素材を傷めると、カビだけのときより補修の範囲が広がることもあります。

図2|退去前のカビ、やること・やってはいけないことの比較。

やってはいけない① 強くこすって壁紙を傷める

ブラシやメラミンスポンジで強くこすると、壁紙の表面が毛羽立ったり、破れたり、下地の紙がめくれたりします。黒い色が薄くなっても、壁紙の傷みが新しく加わった状態になり、かえって目立つことがあります。

やってはいけない② 塩素系の薬剤で色を抜いてしまう

塩素系のカビ取り剤は、壁紙の柄や色、木部、布製品の色を抜いてしまうことがあります。色が抜けた跡は元に戻せません。また、酸性タイプの洗剤と混ざると有害なガスが発生するおそれがあるため、「まぜるな危険」の表示を必ず守ってください。使う場合は、目立たない場所で試してから、換気をしながら狭い範囲にとどめます。

やってはいけない③ 家具や荷物で隠して、黙っておく

カビの前に家具を置いたままにしたり、上から何かを貼ったりして隠しても、立会いや退去後の清掃で見つかることがほとんどです。あとから見つかると、いつからあったのか、なぜ伝えなかったのかという点で話がこじれやすくなります。自分から先に伝えることが、結果的にいちばん穏やかに進む方法です。

表3|退去前の対応|やること・やってはいけないこと
項目 やること やってはいけないこと
記録 手入れの前後で写真を撮る 記録を残さずに手入れを始める
連絡 管理会社・貸主へ早めに伝える 立会いまで黙っておく、隠す
手入れ 換気・除湿で乾かし、表面の軽いほこりを払う ブラシ・研磨スポンジで強くこする
薬剤 目立たない場所で試し、狭い範囲だけ 塩素系で広範囲を処理する、他の洗剤と混ぜる
補修 判断は管理会社・貸主と相談 自分で塗料を塗る、上から壁紙やシールを貼る

退去立会いのためのカビの写真の残し方

写真は、立会いの当日や、その後の話し合いで「いつ・どこに・どのくらい」あったかを共有するための大切な材料です。撮り方のコツは、日付がわかること、全体と近景をセットにすること、場所がわかるようにすることの3つです。

図3|カビの写真は「全体・中間・近景」の3枚をセットで撮る。
  1. 全体(引き):部屋の入口などから撮り、カビが部屋のどの壁・どの位置にあるかがわかるようにします。
  2. 中間:窓やコンセント、ドア枠など、目印になるものと一緒に写し、場所を特定しやすくします。
  3. 近景(寄り):カビの色や広がりがわかるように撮ります。メジャーや定規を添えると、大きさが伝わります。
表4|写真を撮るときのチェックリスト
チェック項目 理由
撮影日時が記録されている(スマートフォンの撮影情報など) いつの状態かを説明できるようにするため
全体・中間・近景の3枚がそろっている 場所と状態の両方を伝えるため
明るい時間に、照明もつけて撮っている 暗い写真では色や範囲がわからないため
手入れの前と後を、同じ位置・同じ角度で撮っている 何をしたかを比べて見せられるようにするため
結露や水漏れの跡など、原因の手がかりも撮っている 発生の経緯を説明する材料になるため

退去時のカビの費用はどうなる?判断が分かれる理由

「退去でカビの費用を全部請求されるのか」は、一律に決まるものではありません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも示されているように、負担の考え方は、カビが発生した経緯や、日頃の手入れ・換気の状況、建物の構造や設備の状態などによって、判断が分かれることがあります。

そのため、まずやっておきたいのは次の3つです。

  • 契約書を確認する:原状回復の範囲や、特約(クリーニング費用など)の欄を読んでおく
  • 管理会社・貸主と話し合う:写真と連絡の記録をもとに、経緯を説明する
  • 困ったときは相談窓口へ:話がまとまらない場合は、消費生活センターなどの相談窓口に相談する

立会いの当日に、その場で費用の話が出ることもあります。内容に納得できないときは、その場で即答や署名を急がず、「確認してから返事をしたい」と伝えて持ち帰るのも一つの方法です。

この記事は一般的な考え方をまとめたもので、費用の負担や法的な判断を示すものではありません。個別の判断は、契約内容と当事者どうしの話し合い、必要に応じて専門の相談窓口でご確認ください。

カビ取りの専門業者に相談するとき

入居者の方が退去前に専門業者を手配するのは、基本的には管理会社・貸主の了解を得てからがおすすめです。一方で、管理会社から「どのくらいの範囲か、見積もりを取ってほしい」と言われたり、状態を客観的に確かめたいと思ったりしたときには、専門業者の現地調査が役に立ちます。

MIST工法®は、素材を削らない・こすらないカビ取り技術です。霧状の専用剤をカビの状態や素材に合わせてその都度調整し、素材の奥に入り込んだカビを分解・洗浄したうえで、防カビ処理を行います。使用する剤は、一般的な処理剤に多い酸性液ではなく、アルカリ性液です。施工は、研修・試験に合格した施工者が行います。

こんなときは、一度ご相談ください

  • 家具の裏やクローゼットのカビが、おおよそ1㎡を超えて広がっている
  • 壁紙のはがれ・ふくらみ、床のしみがあり、下地まで傷んでいないか気になる
  • 拭いても同じ場所にすぐ戻り、カビ臭さが部屋に残る
  • 管理会社から、カビの範囲や除カビの見積もりを求められた
  • 貸主・管理会社として、退去後の除カビと原状回復をまとめて相談したい

写真を見ながらのご相談や、現地調査・カビ菌検査のご依頼も承っています。全国のMISTグループで対応しています。

📞 0120-052-127(フリーダイヤル)お問い合わせフォーム

入居中に結露やカビを連絡しておくことが大切な理由

結露やカビに気づいたら、入居中のうちに管理会社へ連絡しておくことが、実はいちばんの備えになります。

賃貸借契約では、修繕が必要な不具合に気づいたときに貸主へ知らせることが求められるのが一般的です。早めに伝えておけば、窓の結露が多い、換気扇の効きが悪い、配管から水がにじんでいるといった建物や設備側の原因を確かめてもらえる可能性があります。記録が残っていれば、退去のときに「いつから、どんな状態だったか」を説明しやすくもなります。

今お住まいの部屋を退去される方も、次の住まいでは、入居時の写真を撮っておくこと、結露やカビに気づいたら写真と一緒に早めに連絡することを、ぜひ習慣にしてください。引っ越し前後の確認については、引っ越し前後のカビ対策でも詳しく紹介しています。

貸主・管理会社さまへ|退去後の除カビ・防カビ処理と原状回復

退去後の空室で、家具の裏や押入れ、浴室にカビが見つかることは珍しくありません。壁紙の張り替えだけで次の入居者を迎えると、下地に残ったカビや湿気の原因がそのままになり、入居後に同じ場所から再び出てくることがあります。

MIST工法®では、退去後の空室で除カビと防カビ処理を行い、素材を削らずに生かせる部分は残し、傷みの大きい部分だけを補修・交換するという進め方をご提案できます。料金の目安は、室内壁面クロスで1,500円〜/㎡、ユニットバス全体で35,000円(いずれも税別)などで、実際の金額は範囲・素材・環境を現地調査したうえでお見積もりします。詳しくはサービス内容と料金をご覧ください。

また、関東・関西・東海エリアでは、グループ代理店の「カビ取リフォーム」が、MIST工法®による除カビから内装の修繕までを一貫して行っています。カビ取りと原状回復の工事を一つの窓口でまとめたい場合は、法人・業者様のお問い合わせからご相談ください。

よくあるご質問

Q. 退去前に見つけたカビは、自分で業者を呼んで取ってもらったほうがよいですか?

A. まずは管理会社や貸主に連絡し、どう進めるかを相談することをおすすめします。入居者が独自に業者を手配すると、施工の範囲や方法、費用の扱いについて、あとから認識のずれが生じることがあります。管理会社から「見積もりを取ってほしい」と頼まれた場合などは、専門業者にご相談ください。

Q. 退去の日まで時間がありません。何から手をつければよいですか?

A. 最初に写真を撮り、次に管理会社へ連絡してください。この2つは数分でできます。そのうえで、カビの周りを換気・乾燥させ、無理のない範囲で手入れをします。強くこすったり、塩素系の薬剤で広い範囲を処理したりするのは、急いでいるときほど避けてください。

Q. 市販のカビ取り剤を使ってもよいですか?

A. 使う場合は、目立たない場所で試してから、狭い範囲にとどめるのが無難です。塩素系の薬剤は、壁紙や木部、布製品の色が抜けたり、素材を傷めたりすることがあります。酸性タイプの製品と混ざると有害なガスが出るおそれもあるため、表示をよく読み、換気をしながら使ってください。

Q. カビの費用は、必ず入居者の負担になりますか?

A. 一概には言えません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも示されているように、負担の考え方は、カビが発生した経緯や日頃の管理状況などによって判断が分かれることがあります。まず契約書を確認し、管理会社・貸主と話し合ってください。話がまとまらないときは、消費生活センターなどの相談窓口に相談する方法もあります。

Q. 入居中に結露やカビを連絡していなかった場合、今からでも伝えたほうがよいですか?

A. はい、気づいた時点でお伝えすることをおすすめします。退去の直前であっても、立会いの当日に初めて話すより、事前に写真とあわせて伝えておいたほうが、落ち着いて状況を説明しやすくなります。いつ頃から気づいていたか、どんな手入れをしてきたかも、わかる範囲で添えてください。

まとめ

  • 退去前にカビを見つけたら「写真で記録 → 管理会社へ連絡 → こすらず手入れ → 立会いで説明」の順で進める
  • 強くこする、塩素系で色を抜く、家具で隠して黙っておく、は避けたい行動
  • 写真は日付がわかる形で、全体・中間・近景の3枚をセットに。手入れの前後も同じ角度で
  • 費用の負担は経緯や管理状況で判断が分かれることがある。契約書を確認し、管理会社・貸主と話し合い、困ったら相談窓口へ
  • 入居中から結露やカビを連絡しておくことが、退去時のいちばんの備えになる

退去の準備で忙しい時期ですが、カビを見つけたときこそ、慌てずに「記録と連絡」から始めてみてください。それだけで、立会いの当日はずっと落ち着いて迎えられるはずです。

退去前のカビで「どこまで手を付けてよいか迷う」という入居者の方、退去後の除カビと原状回復をまとめて進めたい貸主・管理会社さまは、お気軽にご相談ください。現地調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とは/カビ菌検査/サービス内容と料金 をご覧ください。ご相談はお問い合わせ、工務店・管理会社など法人さまは法人・業者様のお問い合わせ、お電話は 0120-052-127 まで。

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