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「根こそぎ」とは何を指すのか|表面・内部・浮遊、カビの3つの居場所

 

更新日:2026年10月15日

カビ取りの広告でよく見る「根こそぎ」という言葉があります。当社も使っています。ただ、この言葉は具体性がないまま使われがちで、聞いた側には何をするのか伝わりません。今回は、私たちがこの言葉で何を指しているのかを、3つの居場所に分けて説明します。

結論|表面・内部・空気中を分けて考える

カビは「見えている場所」だけにいるわけではありません。整理すると、表面、素材の内部、そして空気中の3か所に分かれます。

図1|カビがいる3つの場所。見えているのは①だけ。
図1|カビがいる3つの場所。見えているのは①だけ。

文部科学省のカビ対策マニュアル基礎編では、カビの増殖初期は肉眼で全く観察できないと説明されています。つまり、見えている斑点は、すでに一定量まで増えた結果です。実践編では、直径3〜5mmの斑点が見えたら発生を疑うとされており、最初はぽつぽつと間隔をあけて出ることが示されています。

①表面|「落ちた」がいちばん起きやすい場所

表面は、処理の結果がすぐ目に見える場所です。だからこそ、ここだけを処理して終わりにしてしまう判断が起きやすい場所でもあります。

MIST工法®による除カビは、対象素材と付着状況を確認して専用剤や作業方法を選びます。水洗いできるか、仕上げや周囲への影響がないかも事前に確認し、すべての素材に同じ洗浄手順を当てはめません。

②内部|表面をこすっても届かない場所

素材の内部まで影響があるかは、表面の見た目だけでは判断できません。素材、劣化や水分の状態、調査目的を確認し、表面処理で対応できる範囲と、追加の点検や部材交換・修繕を検討する範囲を分けます。薬剤が届く深さや内部の除去結果を、現地確認なしに一律には保証しません。

木材の黒ずみは、汚れや変色、カビの状態を確認して処理方法を検討します。処理を繰り返す必要や素材への影響も現地で判断し、色の変化だけを内部の状態や除去完了の証拠にはしません。

③空気中|調査目的と採取条件を確認する

空気中のカビを調べる場合は、調査目的に合う検査方法と採取条件を確認します。結果は採取時点と条件に左右され、すべての建物で空気中への薬剤処理が必要とは限りません。発生源への対応と、漏水・結露など水分原因の改善を合わせて検討します。

表面・内部・空気中を分けて、必要な対応を確認

表面
素材・付着状況・薬剤の適用条件を確認し、除去方法を選びます。水洗いできない素材に一律の洗浄手順を当てはめません。
素材の内部
表面だけで範囲を判断できない場合は、目的に応じて点検・調査します。薬剤の浸透範囲や処理できる深さを、素材や状態の確認なしに保証しません。
空気中
検査は目的に合う方法と採取条件を確認します。漏水・結露・湿度など水分の原因改善や、発生源への対応と分けて検討します。
防カビ処理
必要に応じて製品の適用素材と施工条件を確認し、立入り・換気・乾燥・使用再開の条件を案内します。処理だけで再発しないとは判断しません。

表面の変化だけでは、内部の状態や空気中の量は分かりません。また、表面だけの対応が適切な場合もあります。建物・発生場所・素材・水分原因を確認して、調査と施工の範囲を相談します。

防カビ処理は素材と使用条件に応じて検討する

除カビ後の防カビ処理は、素材や施工場所、使用する製品の適用条件に合わせて確認します。性能や持続期間は条件によって異なり、安全性も薬剤名だけでは判断できません。作業中の立入り、換気、乾燥、施工後に使用できる時期などを事前に確認してください。防カビ処理だけで漏水や結露が解消するわけではなく、水分原因の改善も必要です。

再発の有無や時期は、残った発生源、水分条件、建物の使用・維持管理などによって異なります。表面だけの処理と複数の範囲への処理を、一律の再発期間で比較することはできません。

「根こそぎ」という言葉だけでは作業範囲は分かりません。相談時には表面・内部・空気中について何を確認し、どこまでを調査・施工に含めるかを確認してください。表面だけの対応が適切な場合もあり、必要な範囲は建物の状態によって異なります。

それでも環境の話は残る

除カビ後も漏水や結露などの水分条件が残れば、再び発生する可能性があります。文部科学省のカビ対策マニュアル実践編には、除菌だけでは十分な処置とはならず、環境を改善しない限りカビ被害が繰り返されるという趣旨の記載があります。私たちが防カビアドバイスとして現地環境の調査と原因の分析を用意しているのは、この部分に対応するためです。

文部科学省のカビ対策マニュアル実践編は、博物館・図書館等の資料保存を対象に、発生要因の確認と環境改善を説明しています。住宅や建材への対応は、対象素材と現地の状況に応じて検討します。

見積り時に確認したいこと

防カビ処理を検討するときは、対象素材、製品の適用範囲、施工後の使用条件、維持管理を確認しましょう。見積り時には除カビと防カビ、必要な修繕の範囲と担当を分けて相談してください。

参考にした情報

  • 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
  • 株式会社せら「Q&A」 https://sera.jp/faq
  • 文部科学省「カビ対策マニュアル 基礎編/実践編」

カビの原因調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とは/カビ菌検査/サービス内容と料金 をご覧ください。現地の状況によって最適な方法は変わりますので、お問い合わせよりご相談ください。

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