カビ取りの広告でよく見る「根こそぎ」という言葉があります。当社も使っています。ただ、この言葉は具体性がないまま使われがちで、聞いた側には何をするのか伝わりません。今回は、私たちがこの言葉で何を指しているのかを、3つの居場所に分けて説明します。
結論|カビは3か所にいる。1か所だけ処理しても戻る
カビは「見えている場所」だけにいるわけではありません。整理すると、表面、素材の内部、そして空気中の3か所に分かれます。

文部科学省のカビ対策マニュアル基礎編では、カビの増殖初期は肉眼で全く観察できないと説明されています。つまり、見えている斑点は、すでに一定量まで増えた結果です。実践編では、直径3〜5mmの斑点が見えたら発生を疑うとされており、最初はぽつぽつと間隔をあけて出ることが示されています。
①表面|「落ちた」がいちばん起きやすい場所
表面は、処理の結果がすぐ目に見える場所です。だからこそ、ここだけを処理して終わりにしてしまう判断が起きやすい場所でもあります。
MIST工法®では、こすったり削ったりせず、対象素材に合わせた専用剤でカビと汚れを分解し、水で洗い流します。素材の表層を削らないので、仕上がりは素材そのものが残ります。
②内部|表面をこすっても届かない場所
素材の内部に入った菌糸には、表面の作業では届きません。当社が霧状の専用剤を使うのは、この部分に浸透させるためです。サイトでも、霧状の除カビ専用剤が素材の深くにまで浸透し、カビを根こそぎ取り除くと説明しています。
木材の黒ずみのように層が厚い場合は、一度で終わらせません。Q&Aでは、表面を覆っている汚れを分解し、木材の深くまで専用剤を浸透させ、素材の状況をみながらこの工程を繰り返すとしています。
③浮遊|処理の直後にいちばん動く場所
見落とされやすいのが空気中です。当社のサイトでは、対象室内にて空気中を浮遊しているカビは、新たに素材に付着し増殖することがあると説明しています。せっかく表面と内部を処理しても、浮遊分がそのままなら、そこから再び付着が始まります。

だから防カビ処理までが1セットになる
MIST工法®では、除去のあとに防カビ剤による予防処理を行います。当社では、この防カビ処理は即効性・持続性・高い安全性の3つを備えていると説明しています。除去だけで終えず、再付着に備えるところまでを一連の工程として設計しているということです。

| 居場所 | 見えるか | 主な打ち手 | 放置したときに起きること |
|---|---|---|---|
| 表面 | 見える | 分解して洗い流す | 見た目だけ戻る |
| 素材の内部 | 見えない | 専用剤を浸透させる | 同じ場所から再び出る |
| 空気中 | 見えない | 浮遊カビへの対処 | 別の場所に付着して広がる |
| 再付着 | 後から見える | 防カビ処理 | 短期間で振り出しに戻る |
「根こそぎ」という言葉は、本来この3か所すべてを指すべき言葉です。業者を比較されるときは、表面・内部・浮遊のどこまでを工程に含むのか、そして除去のあとに何をするのかを確認してみてください。
それでも環境の話は残る
3か所すべてに手を打っても、水分条件が変わらなければ条件は戻ります。文部科学省のカビ対策マニュアル実践編には、除菌だけでは十分な処置とはならず、環境を改善しない限りカビ被害が繰り返されるという趣旨の記載があります。私たちが防カビアドバイスとして現地環境の調査と原因の分析を用意しているのは、この部分に対応するためです。
次回予告
次回は、仕上げの防カビ処理を取り上げます。即効性・持続性・安全性という3つを、それぞれどう見ればよいのかを説明します。
参考にした情報
- 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
- 株式会社せら「Q&A」 https://sera.jp/faq
- 文部科学省「カビ対策マニュアル 基礎編/実践編」












