カビの基本知識や特徴、簡単にできるカビ予防術をご紹介

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カビが健康に影響及ぼす事!

2022/02/15

私たちが過ごしている生活環境の空気中にカビは浮遊しています。とくに室内の空気中の浮遊カビは人の生活と密接な関係をもっています。

年間を通して快適な温度に保たれた室内の空気は動きにくくカビにとっては繁殖しやすい場所となっていたりします。

室内のどこかにカビが大量に発生していたりすると空気中の浮遊カビ数は、1立方メートルあたり1,000個を越えていたりもします。この段階では、まず「カビ臭」が問題となっています。

また、このレベルになると住む人への健康にも影響をもたらし「頭痛」・「めまい」・「湿疹」・「のどの痛み」などの症状がでたりもします。室内に浮遊するカビ数は少なく抑えておきたいものです。

下記にカビが人の健康に影響を及ぼす一部をご紹介します。

  • アスペルギルス属(和名:コウジカビ)

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症を引きおこすアスペルギルス・フミガタスという菌種もあります。アトピーの方でステロイド内服の方は要注意です。

気管支喘息を患っている方がかかりやすい疾患で、症状が進行すると息切れ・呼吸困難が常に起こるようになります。このアスペルギルスの中にはアスペルギルス・クラバタスという菌種により「マイコトキシン」というカビ毒産出菌もあり、肝硬変や肝臓がん、腎臓がんの原因となる場合があります。

  • ペニシリウム属(和名:アオカビ)

この中にはペニシリウム・ノタトゥムというペニシリンの原料となる種類もあります。ペニシリンにはアレルギー反応を引き起こしやすい性質があり、人によっては投与後にくしゃみやしびれ感、冷や汗、悪心、呼吸困難、ぜんそく発作などの症状が出ることもあります。これをペニシリンショックといい、重篤な場合は血圧や意識が低下し死亡することもあります。

  • クラドスポリウム属(和名:クロカビともクロカワカビ)

アレルギー性疾患、気管支喘息やアトピー性皮膚炎の原因となり何はさておいても退治すべきカビです。市販の多くの除カビ剤はこのカビを対象としています。一般家庭の8割前後に発見され湿度の多いところを大変好み繁殖します。

  • アルテルナリア属(和名:ススカビ)

胞子が大きく離れやすいので空気中に多量に浮遊し喘息や気道炎を起こします。また発ガン物質を作りますので少し注意をしなければなりません。

  • フザリウム属(和名:アカカビ)

カビ毒のトリコテセンで食中毒を起こす事でも知られています。

ビニールやレザー、ウレタンの中でも繁殖し素材を劣化させてしまうカビです。

湿度90%もの高いところであれば金属の上でも繁殖し、とくにペンキを塗ったところなどにピンク色をして繁殖するものもあり、木でも鉄でも塗装が古くなったところを好み繁殖します。

  • ムコール属(和名:ケカビ)

ムコール症という感染症でムコール属だけでなくリゾプス属やリゾムーコル属またアブシジア属などのカビ菌から引きおこされます。

症状は、鼻および口蓋の侵襲性壊死性病変から生じて疼痛、発熱、眼窩蜂窩織炎、眼球突出、膿性鼻汁を生じる場合があります。また中枢神経系症状を示すこともあります。

肺症状は重度で、湿性咳嗽、高熱および呼吸困難など。重度の易感染性患者では、播種性感染が起こる可能性もあります。発育がとても速い特徴があり注意が必要です。