カビは長旅もします。
カビは元々は地表数十cmまでの腐植を多く含んだ土中や土の団粒によって囲まれている細かな空洞などで育った胞子、また森の朽木に育った胞子が鳥や昆虫についたり、風の力により空中に飛散、気流にのって思わぬ長旅をして新たな場所に移動するのです。
多くの胞子は新たな地上に落下しますが、そこにはカビだけではない微生物達がいてカビの類だけの繁殖は、この新地では受け入れられません。
また、建物の外壁や屋根に落着した胞子も雨で流されたり、強い風に飛ばされたりして、そこに発芽できず多くは空中浮遊菌となってさまよっています。
たまたま室内の壁面に取り付いたものとか、建材工場で建材に付着したまま住宅に取付けられたり、住宅の建築中に職人の手に付いて住宅の天井や壁、床に移されたものなど、少数の胞子が運よく気温や水分に恵まれ発芽でき菌糸を伸ばし、その素材の栄養を吸収し発育して第二の生活を送ります。
しかし、そこには別種のカビも適所を探して増殖をはかっていますので競争は激しく、通常一戸の住宅に発生するカビは数種~20種に及ぶこともあります。
これらのカビが建物内で尚、増殖するには建物の素材の栄養を吸収しやすい湿気のある静かな場所が好まれております。
私達は、このカビの増殖を許さない住まい方の工夫が必要とされています。
①空気のよどむ場所を作らない。
②湿気を留めない。
③換気・通風をこころがける。
④ホコリや汚れを溜めない。
特に新築の建物では栄養分を多く含んだ建材がカビに狙われやすいのも現状です。
また、水分を多く含んでいる元気な素材の含水率が落ち着くには3年~5年はかかるものもあると言われています。
そこに新築の建物には配慮した住まい方が求められるのです。
参考に!!
湿度計を北室(結露を生じる部屋)の中央付近の床上1~1.5mの位置に置き湿度を測定してみましょう。
この位置において湿度50%とすると床付近では90%を超えていると言われています。これでは結露が起こるのは当然です。
一般的に快適な室内の気候としては部屋の水平温度にむらなく、平均温度18~22℃、上下温度差5~7℃(天井高2.5m前後にて)
壁面温度はその高さの温度より3~5℃低い程度。
床面温度は13℃以上。
湿度40~60%で無風状態。
これにより室内の断熱程度もおよそは判り結露対策の参考となります。
カビの基本知識や特徴、簡単にできるカビ予防術をご紹介
カビ取り屋の知恵袋
カビの発生 結露対策
2016/04/05