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床下のカビ|原因の見分け方と、建築基準法が定める床下の基準

 

床下は、住まいの中でいちばん見られていない場所です。そしてカビが最も長く放置される場所でもあります。畳や壁のカビは目に入りますが、床下は点検口を開けなければ見えません。気づくきっかけは、たいてい「におい」です。

この記事では、床下でカビが起きる原因を整理し、法律が床下に何を求めているか、どこまでを自分で確認できるかを示します。

結論

  1. 床下のカビは、床下だけの問題では終わりません。床下の空気は床の隙間や配管まわりから室内へ上がってきます。1階がかび臭い家は、床下を疑う段階です。
  2. 原因は「地面からの水蒸気」「換気不足」「漏水」の3つに大別できます。どれかで対処が変わります。
  3. 建築基準法は、床下について具体的な数値を定めています。まずその基準を満たしているかが出発点です。

法律が床下に求めていること

建築基準法施行令第22条(居室の床の高さ及び防湿方法)に、木造住宅の床下について次の定めがあります。

  • 床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45センチメートル以上とすること。
  • 外壁の床下部分には、壁の長さ5メートル以下ごとに、面積300平方センチメートル以上の換気孔を設け、これにねずみの侵入を防ぐための設備をすること。

ただしこの規定は、床下をコンクリートやたたきなどで覆う場合、または地面からの水蒸気による腐食に耐える構造として大臣認定を受けた場合には適用されません。近年のベタ基礎の住宅が該当します。

ここから読み取れるのは、法律が「地面から上がってくる水蒸気」を明確に想定しているということです。土が露出した床下は、常に水分を供給し続ける面だと考えてください。

原因① 地面からの水蒸気

土のままの床下では、地面から水蒸気が上がり続けます。夏場、床下は地熱の影響で外気より温度が低くなることがあり、温度が低い=相対湿度が高い状態になります。そこへ土からの水分が加われば、条件は揃います。

防湿コンクリートや防湿シートが施工されているかどうかで、この供給量は大きく変わります。築年数の古い木造住宅ほど、土が露出しているケースが多いのが実情です。

原因② 換気不足

換気孔があっても、機能していないことがあります。現場でよく見るのは次のパターンです。

  • 物で塞がれている。外周に置いた室外機、植木鉢、自転車、増築した部分。
  • 土が盛り上がって埋まっている。庭の造成や外構工事のあと、換気孔の高さまで土がきている。
  • 風の通り道がない。入口はあっても出口がなく、空気が動かない。換気は入口と出口があって成立します

これらは外から歩いて確認できます。床下に潜らなくても、家のまわりを一周するだけで分かる項目です。

原因③ 漏水

給排水管からの漏れ、雨水の侵入。この場合は湿気ではなく水そのものが供給されているので、換気や除湿では止まりません。

見分け方は「範囲」と「継続性」です。床下全体がじめついているなら湿気、特定の一角だけが濡れていて乾かないなら漏水を疑います。水道メーターを全ての蛇口を閉めた状態で確認し、動いていれば漏水の可能性があります。

自分で確認できること

床下に潜らなくても、次の項目はチェックできます。

  • 家のまわりを一周する。換気孔が塞がっていないか、土に埋まっていないか。
  • 点検口を開けて、においを確かめる。キッチンや洗面所の床にあることが多い。開けた瞬間に土っぽいカビ臭がするなら、その時点で判断材料になります。
  • 1階の床の感触を見る。歩くと沈む、たわむ、きしむ。木部の劣化が進んでいるサインのことがあります。
  • 1階だけかび臭いかを確かめる。2階では臭わず1階だけ、という分布は床下由来を示唆します。

逆に、床下へ潜っての作業は勧めません。狭所で姿勢が取れず、胞子を大量に吸い込む環境です。確認までにとどめてください。

新築でも床下にカビは出る

「新築だから床下は大丈夫」とは言えません。建築中に雨に濡れた木材がそのまま閉じられることがあります。基礎コンクリートも打設後しばらくは水を出し続けるので、竣工直後の床下は水分が多い状態です。

入居後1〜2年は、床下も含めて建物が乾いていく期間だと考えてください。

よくある質問

Q. 床下換気扇を付ければ解決しますか。
A. 換気不足が原因なら有効ですが、地面からの水蒸気の供給が多い場合や漏水の場合は、原因が残ったままになります。まず原因の切り分けが先です。

Q. 床下に炭や調湿材を敷くのはどうですか。
A. 吸える量には限りがあり、飽和すれば効きません。供給を減らす対策(防湿・換気・漏水の修理)と併用しないと、時間稼ぎで終わります。

Q. 床下のカビは、放っておくとどうなりますか。
A. 木部の劣化が進み、構造材の話になります。においや室内のカビが続くうちに確認するほうが、結果的に軽く済みます。

まとめ

床下のカビは、地面からの水蒸気・換気不足・漏水のどれかです。そして、原因の切り分けをせずに換気扇や調湿材を入れても、供給が続いていれば元に戻ります。

まずは家のまわりを一周して、換気孔が生きているかを見てください。床下に潜らずにできる確認で、原因の半分は絞り込めます。

参考資料(一次情報)

  • 建築基準法施行令第22条(居室の床の高さ及び防湿方法:床の高さは直下の地面から45cm以上、外壁の床下部分には壁の長さ5m以下ごとに面積300cm²以上の換気孔を設けねずみの侵入を防ぐ設備をすること。床下をコンクリート・たたき等で覆う場合等は適用外)
  • 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」(相対湿度40%以上70%以下ほか)