「木部は大丈夫だけれど、クロスは張り替えですか」「浴室と和室で同じ薬剤を使うのですか」。現場でよくいただく質問です。素材が変わると何が変わるのか、そして何は変わらないのかを、今回は整理します。
結論|素材で変わるのは「どこまで入るか」と「何に耐えるか」
まず前提として、素材によってカビが生えるかどうかが決まるわけではありません。文部科学省「カビ対策マニュアル」の実践編は、ガラスや陶器などカビの栄養源とならない材質であっても、手の汚れやホコリがあればカビは発生すると説明しています。同じ資料は、材質からカビかどうかを判断することはできないとも述べています。
素材で変わるのは、カビがどこまで入るか、そして処理のときに何に耐えられるかです。この2点で、手当ての仕方が分かれます。

液性を合わせるという発想
当社のQ&Aでは、従来のカビ処理剤は酸性の液が多いのに対し、MIST工法®ではアルカリ性で壁面と同じ水素イオン濃度に合わせ、水圧も低くしていると説明しています。素材に合わせて液性を調整するという考え方です。
なぜ揃えるのかというと、素材と大きく違う液性の薬剤は、カビだけでなく素材そのものにも作用するからです。木部の毛羽立ち、和紙のにじみ、金物の腐食は、いずれも「効きすぎ」の結果として起こります。

料金の目安も、素材と面積で変わる
当社が公開している料金の目安も、素材ごとに単位が違います。いずれも税別で、実際の金額は現地調査のうえでのお見積りとなります。
| 対象 | 目安 | 単位の考え方 |
|---|---|---|
| コンクリート外壁 | 1,200円〜/㎡ | 面積で計算する |
| 築40年未満の一般住宅 外壁 | 3,500円〜/㎡ | 面積で計算する |
| 室内壁面クロス | 1,500円〜/㎡ | 面積で計算する |
| ユニットバス全体 | 35,000円 | 一式で計算する |
| 築40年未満の和室 木材部 | 120,000円〜(6畳・天井別。1畳ごとに+10,000円) | 部屋の単位で計算する |
同じ「カビを取る」でも、面積で見る対象と、一式で見る対象があります。素材と構造によって作業の中身が変わるためです。
素材が混ざっている現場をどう進めるか
実際の住宅では、一つの部屋の中に木部、クロス、コンクリート、金物、断熱材が同時に存在します。全部を同じ薬剤で処理すれば、どこかに無理がかかります。素材を切り分け、それぞれに合わせた条件で処理し、最後に環境を整えるという順番になります。

断熱材やウレタンのように、水を含むと乾きにくい素材では、表面の処理だけで判断しないでください。内部が濡れたままであれば、条件は変わっていません。
次回予告
次回は、カビ菌検査という選択肢を取り上げます。落下菌検査と同定検査を、どう使い分けるのかを説明します。
参考にした情報
- 株式会社せら「MIST工法®とは」 https://sera.jp/mist
- 株式会社せら「Q&A」 https://sera.jp/faq
- 株式会社せら「サービス内容と料金」 https://sera.jp/service
- 株式会社せら「神社仏閣のカビ対策」 https://sera.jp/shrines
- 文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」












