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車内のカビ取り|出る5か所と水の出所、自分でできる範囲、エアコンのカビ臭を繰り返さない「停止前の送風」

 

※この記事は2026年9月に、文部科学省「カビ対策マニュアル」、環境再生保全機構、東京都保健医療局、国民生活センターの公開情報をもとに内容を全面的に見直しました。

エアコンをつけた瞬間にカビ臭い。フロアマットをめくったら黒くなっていた。シートに白い粉が浮いている。車は「扉を閉めた小さな部屋」で、夏は高温多湿、雨の日は靴と傘から水が入り、エアコンは結露水をつくります。結論から言うと、車内のカビは出る場所が5か所に決まっていて、水の出所(結露水・雨の日の持ち込み・こぼし)を止めないと、拭いても戻ります

この記事では、車内でカビが出る5か所と水の出所、場所別に自分でできる範囲と業者に頼む範囲、素材別の薬剤の注意、エアコンのカビ臭の仕組みと対策、繰り返さない習慣を、文部科学省のカビ対策マニュアルなどの公開資料をもとに整理します。なお、車内のカビ取りについて公的機関が示した手順はありません。この記事の手順は、住宅のカビとエアコンのカビの考え方を車に置き換えたものです。

この記事で分かること

  • 車内でカビが出る5か所と、水の出所(結露水・雨の日・こぼし)
  • 場所別に自分でできる範囲と、整備工場・専門店に頼む範囲
  • 布シート・革シート・マットで違う、使える薬剤
  • エアコンのカビ臭が「つけた瞬間」に強い理由と、停止前の送風
  • 繰り返さない習慣6つ

1. 結論:出る場所は5か所、水の出所を止める、エアコンは「停止前の送風」

要点 内容
出る場所は5か所 エアコン内部、フロアマットとその下、シート、トランク、天井・内張り・窓際
水の出所は3つ エアコンの結露水、雨の日の靴・傘・濡れた荷物、飲みこぼし・汗
自分でできるのは表面。内部は業者 マット・シート表面・吹き出し口は自分で。エアコン内部・カーペット下・雨漏りは整備工場や専門店へ

2. 車内でカビが出る5か所と、水の出所

図1 車は扉を閉めた小さな部屋。夏は高温多湿で、水の出所が3つある

カビが育つ条件は水分・栄養・温度・酸素です。東京都保健医療局のQ&Aは湿度70%以上・温度10〜30℃で発生しやすいとしています。夏の駐車中の車内はこの温度を超えることもありますが、エアコンを止めた直後や雨の日の夜間はちょうどこの範囲に入り、扉を閉めているので空気が動きません。文部科学省のカビ対策マニュアルは、空調機の冷却部分は結露させて除湿する機構で元来カビが繁殖しやすいこと、扉を閉めた空間は空気が動かないことを注意点に挙げています。車のエアコンも同じ機構です。

場所 水の出所 栄養
エアコン内部(エバポレーター) 冷房で結露した水。停止後に乾かない ホコリ・花粉
フロアマットとその下 雨の日の靴と傘。マット裏とカーペットの間で乾かない 泥・砂・食べかす
シート(布・革) 汗・飲みこぼし。夏の高温多湿 皮脂・食べかす
トランク・ラゲッジ 濡れた荷物、スペアタイヤ周りの水たまり 段ボール・布
天井・内張り・窓際 結露、ウェザーストリップ劣化による雨漏り ホコリ・タバコのヤニ

3. 場所別:自分でできる範囲と、頼む範囲

図2 表面は自分で、内部と雨漏りは業者へ

共通の注意は、文部科学省のマニュアルの考え方と同じです。マスクと手袋を着ける、スプレーで直接吹きかけない(噴霧は胞子を吹き飛ばして広げる)、往復でこすらず一方向に拭く、そして車内は閉じた空間なので作業中は扉を全開にする。

フロアマットとその下

マットは外して屋外で乾いた状態で叩き、中性洗剤で水洗いし、完全に乾かしてから戻します。生乾きで戻すと、マット下でまた育ちます。マット下のカーペットは乾拭きでホコリを取り、薄めた中性洗剤を布に含ませて拭き、扉を開けて送風で乾かします。カーペットまで湿っている場合は、エアコンのドレン(結露水の排出)詰まりや雨漏りの可能性があり、整備工場で原因を見てもらってください。

布シート

掃除機でホコリと食べかすを取り、薄めた中性洗剤を布に含ませて一方向に拭き、乾いた布で水気を取り、送風で乾かします。座面の奥まで臭う場合はウレタンまで水が入っており、表面の処置では戻ります。塩素系は変色するので使いません。

革シート

乾拭きのあと革用クリーナーで拭き、保革クリームで仕上げます。水拭きは最小限に。塩素系とエタノールは色落ち・硬化・ひび割れの原因になるので使いません。

エアコン

自分でできるのは、エアコンフィルターの交換と、吹き出し口の表面を拭くことまでです。カビ臭の発生源はエバポレーター(冷房で結露する部品)で、ここは整備工場や専門店の洗浄の領域です。市販のエアコン用スプレーをエバポレーターに吹きかける方法もありますが、噴霧は胞子を広げる面があること、車種によって手順が違うことから、この記事では勧めません。

天井・内張り・窓際

乾拭きのあと、固く絞った布で拭きます。水を含ませすぎると天井の生地が垂れることがあります。輪のあるシミがあれば雨漏りで、原因の修理が先です。

4. エアコンのカビ臭が「つけた瞬間」に強い理由

冷房を使うと、エバポレーターの表面に結露水がつきます。エンジンを切るとそのまま濡れた状態で密閉され、翌日まで乾きません。ホコリと花粉が栄養になり、ここでカビが育ちます。次にエアコンをつけた瞬間、ファンがその空気を一気に吹き出すので、最初の数十秒が一番臭います。しばらくして薄まるのは、風で乾いてきたためで、発生源が減ったわけではありません。

対策は2つです。1つは、目的地の数分前に冷房(A/C)を切り、送風だけにしてエバポレーターを乾かしてから降りること。もう1つは、環境再生保全機構が家庭のエアコンについて勧めるように、使用開始前とその後定期的にフィルターを掃除・交換することです。それでも臭いが取れない場合は、エバポレーターの洗浄を整備工場に相談してください。

5. 繰り返さない習慣6つ

図3 「停止前の送風」と「濡れたものを残さない」の2つが本体
  • 降りる数分前に冷房を切って送風にする。エバポレーターを乾かします。カビ臭の一番の対策です。
  • 雨の日の傘・濡れた靴は、袋に入れるかトランクの防水トレーに。マットとトランクの水分の出所です。
  • 食べこぼし・飲みこぼしはその日のうちに拭く。翌日にはシートに染みて栄養になります。
  • 月1回、マットを外して乾かす。マット下は車内で一番乾きにくい場所です。
  • 駐車場所が許せば、窓を少し開けて換気する。扉を閉めた空間は空気が動きません。防犯と雨には注意。
  • ドレンホースとウェザーストリップを年1回点検する。結露水が排出されない、雨水が入る、の2つが「拭いても戻る」原因です。車検や点検のときに整備工場に伝えてください。

6. よくある質問

Q. カビ臭い車に乗り続けても大丈夫ですか。

当社は医療機関ではないため判断できません。公的資料では、カビはぜん息の重要なアレルゲン(環境再生保全機構)で、死んだ胞子もアレルゲンとして残る(文部科学省)とされています。臭う時点で胞子が多い状態と考え、発生源の処置を優先してください。気になる症状があれば医療機関にご相談ください。

Q. 車用の消臭剤や芳香剤で解決しますか。

においを覆う・薄めることはできますが、エバポレーターやマット下の発生源は減りません。「臭わなくなった」と「カビが減った」は別です。

Q. 燻煙タイプの車内除菌剤は効きますか。

当社が確認した範囲で、車内の燻煙剤がカビに対してどの程度効くかを示した公的資料はありません。数字は書けません。文部科学省のマニュアルの考え方では、死んだ胞子もアレルゲンとして残るため、除菌より「拭き取る・乾かす・水の出所を止める」が本体です。

Q. 中古車を買ったらカビ臭いです。

まずマットを外してマット下と、トランクのスペアタイヤ周りを見てください。前の持ち主の雨漏りや水没歴が残っていることがあります。輪のあるシミ、カーペット下の湿りがあれば、購入店に状態を確認してください。

7. まとめ

車内のカビは、エアコン内部・マット下・シート・トランク・天井の5か所に出ます。水の出所は結露水・雨の日の持ち込み・こぼしの3つ。自分でできるのは表面までで、エアコン内部と雨漏りは整備工場へ。繰り返さないのは、降りる前の送風と、濡れたものを残さないこと。この2つが薬剤より効きます。

ガレージ・車庫のカビは、住まいのカビと同じ考え方で

車だけでなく、ガレージや車庫の壁・天井にカビが出ている場合は、建物側の湿気と結露の問題です。MIST工法®カビバスターズ本部では、カビの種類と量を調べる検査と、原因の特定から処置までを行っています。

参考資料

  • 文部科学省「カビ対策マニュアル」Q&A・実践編(空調機は結露させて除湿する機構で元来カビが繁殖しやすい/扉を閉めた空間/噴霧器不可/保護具/胞子は殺菌してもアレルゲン)
  • 環境再生保全機構「室内環境の整備」(カビはぜん息の重要なアレルゲン/エアコンは使用開始前と定期的に掃除)
  • 東京都保健医療局「食品衛生の窓」カビQ&A(湿度70%以上・10〜30℃)
  • 国民生活センター「住宅用塩素系洗浄剤の使い方」(2026年3月18日)

※本記事は公的機関の公開情報をもとに一般的な情報を提供するもので、個々の車両の仕上がりや安全性を保証するものではありません。車両の整備は取扱説明書と整備工場の判断を優先してください。当社は医療機関ではありません。症状に関する判断は医療機関にご相談ください。