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床下・基礎まわりのカビ|見えない場所の水の出所をさがす

 

更新日:(水分原因・清掃乾燥と木材の状態確認の説明を更新)

床下は、住まいのなかでもっとも見られていない場所です。そして、水が入っても気づかれにくい場所でもあります。連載「場所別のカビ対策」第5回は、床下と基礎まわりを、木材の性質と水分供給の観点から整理します。

1. カビと腐朽菌は、別のもの

木部の話をするとき、この2つはよく混同されます。国土交通省 大臣官房官庁営繕部の資料では、それぞれの発生条件が分けて書かれています。

図1 カビと腐朽を分けて確認する

表面の状態:カビの範囲や濡れ、結露、漏水の有無を記録します。見た目だけで木材内部の含水率や腐朽の有無は判断できません。

木材の状態:軟化や断面の欠損などが疑われる場合は、必要に応じて含水率や劣化状態を調べ、補修・交換の要否を担当者に確認します。

国交省資料編の「腐朽」「変色」を参考に整理。構造用集成材の接着性能に関する使用環境区分を、カビの発生を判定する一律の基準には用いていません。

表1 カビと腐朽菌の違い

項目 カビ 腐朽菌
栄養源 木材表面に付着した塵埃 木材の栄養成分(セルロース、ヘミセルロース、リグニン等)そのもの
温度条件 25〜30℃ 20〜35℃
水分条件 木材表面が濡れる状態 水分(および酸素)
木材への関わり 表面の汚染。水分条件が続いていることを知らせるサインになる 木材の成分を分解する

出典:国土交通省大臣官房官庁営繕部「木材を利用した官庁施設の適正な保全に資する整備のための留意事項」資料編

カビの確認だけでは、木材内部の含水率や腐朽の有無は判断できません。表面の濡れや結露、漏水の有無を確認し、必要に応じて木材の含水率や劣化状態を調べます。参考:国土交通省「木材を利用した官庁施設の適正な保全に資する整備のための留意事項・資料編」(腐朽:印刷29〜30頁、変色:36頁)。

2. 床下に水が入る経路は限られている

床下で水分が増える経路は、大きく分けて4つです。水分の原因が残ると再発することがあるため、濡れの位置や時期、設備の使用との関係を確認します。

図2 床下に水が入る4つの経路(出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所
図2 床下に水が入る4つの経路(出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所「木造住宅の長期使用に向けた屋根、外壁、床下のメンテナンスガイドライン」/MIST工法®カビバスターズ本部)

4つ目の部位内結露については、国土交通省 国土技術政策総合研究所のガイドラインで、発見が遅れるうえに乾燥しにくく、最も厄介な水分供給現象の一つとされています。床下は、まさにその条件に当てはまる場所です。

3. 白い粉が出ていたら、それも水のサイン

基礎のコンクリート面に、白い粉状・結晶状のものが出ていることがあります。農林水産省の資料では、エフロレッセンスについてコンクリート中の水分が表面で蒸発し、可溶成分であるカルシウムが乾燥して生成する白い析出物と説明され、品質への悪影響はないが水の移動に関連するとされています。

つまり白華そのものは害ではなくても、そこに水の通り道があることを示しているということです。カビの相談で床下を見たときに白華が見つかれば、水の出所をさがす手がかりになります。

表2 床下で見かけるものと、その読み方

見かけるもの 考えられること 次に確かめること
木部の表面のカビ 木材表面が濡れる状態が続いている 水の経路。範囲が一様か、局所的か
白い析出物(白華) コンクリート中の水分が表面で蒸発している その位置の上下で、どこから水が来ているか
土のにおいが強い 地面からの湿気、または換気の不足 床下換気口がふさがれていないか
局所的に濡れている 配管や設備からの漏れの可能性 直上の水まわりの位置、使用時に増えるか

出典:農林水産省「農業水利施設の機能保全の手引き」参考資料(エフロレッセンス)、国土交通省大臣官房官庁営繕部、国土交通省 国土技術政策総合研究所

4. 潜る前に、記録をそろえる

床下は誰でも入れる場所ではありません。無理に潜るより、次の項目を記録しておいて相談したほうが確実です。文部科学省のカビ対策マニュアルでも、発生した日時・場所・状態と写真を記録することが勧められています。何度も見られない場所ほど、記録の価値が上がります。

図3 床下は、潜る前に記録をそろえる(出典:文部科学省「カビ対策マニュア
図3 床下は、潜る前に記録をそろえる(出典:文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」/国土交通省 国土技術政策総合研究所/MIST工法®カビバスターズ本部)
水分原因への対応と清掃・乾燥を調整する
漏水などの水分原因には早めに対応し、必要な点検・修理・開口と清掃・除カビ・乾燥を関係者で調整します。調査や修理のための開口と、仕上げでふさぐ工程は分けて考え、ふさぐ前に原因への対応と清掃・乾燥状態を確認してください。米国EPAの一般的なカビ清掃の案内も、水分原因の早期修理と塗装前の清掃・乾燥を説明しています。個別の施工方法や再使用条件は、素材と現場の状態に応じて確認します。

5. まとめ

  • カビと腐朽は区別して確認する。表面の濡れや漏水・結露を調べ、必要に応じて木材の含水率や劣化状態を確認する
  • 床下の水には地面・配管・雨水・部位内結露という4つの経路がある
  • 白華(エフロレッセンス)は害ではないが、水の移動を示すサイン
  • 無理に潜らず記録をそろえ、水分原因への対応と清掃・除カビ・乾燥を調整する。ふさぐ仕上げ前に状態を確認する
この連載について
「場所別のカビ対策」全6回の第5回です。第1回浴室・脱衣所のカビ/第2回エアコンと24時間換気/第3回窓・サッシ・カーテンのカビ/第4回キッチンと食品まわりのカビ。素材ごとの違いは素材で変わるカビの入り方もあわせてご覧ください。

床下や基礎まわりの状況が気になる場合は、カビ菌検査や現地調査もご相談いただけます。処置の考え方はMIST工法®のページをご覧ください。費用は建物の状態によって変わるため、現地調査のうえでのお見積りとなります。

漏水に伴い床下と和室の除カビを行った住宅

四日市市の新築引渡し後の住宅で、漏水により床下と和室にカビが発生し、除去を行った記録です。

四日市市の漏水住宅で床下の除カビを作業している写真
写真出典:せら掲載の施工・検査事例。施工・検査日:2021年12月20日/担当:カビバスターズ名古屋 三好/掲載作業期間:2日。

床下だけでなく室内にも影響が見られた例として、施工ページの複数の写真をご覧ください。漏水箇所の修理状況や水の残りを確認し、床下へ無理に入らず、気付いた時期と室内の状況を住宅会社や調査担当へ伝えます。

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関連する施工写真と記録

掲載場所・施工担当・記録を確認できる既存事例です。本文の一般解説と各現場の条件は区別してご覧ください。

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