10月も終わりに近づき、朝晩の冷え込みとともに、窓ガラスや北側の壁に結露が出はじめる時期になりました。店舗や事務所では、そろそろ年末年始の休業日程や大掃除の段取りを考えはじめる頃ではないでしょうか。年明けの「出勤したら部屋がカビ臭い」「窓際の壁に黒い点が出ていた」というご相談は、休業中に換気・空調が止まり、水まわりが使われず、室温が下がることと深く関係しています。今回は、12月に慌てないために、店舗・事務所を閉め切る前にやっておきたいカビ対策と、休み明けの確認のしかたを、今のうちから整理しておきます。
結論|「10〜11月に点検 → 休業前に湿気を残さない → 休み明けに確認」
年末年始の休業に向けたカビ対策は、10〜11月のうちに気になる場所を点検し、休業前の最終日に湿気と水気を残さないように片づけ、休み明けに決まった順番で確認するという3段階で考えるのが基本です。休業中の空調や換気の設定は、ビルの管理会社や設備の管理者と相談して決めておきます。
12月は繁忙期の対応や大掃除で、どのお店・会社も予定が詰まりがちです。すでに黒い点やにおいが気になる場所がある場合、その場しのぎの掃除だけで長い休みに入ると、休み明けに広がっていることもあります。結露が本格化する前の今の時期に点検と相談まで済ませておくと、年内の定休日や営業時間外を使った対応も計画しやすくなります。
年末年始の休業で店舗・事務所がカビやすくなる理由
カビは、湿気・温度・栄養になる汚れがそろうと増えやすくなります。ふだんは人の出入りや空調、水の使用によって空気が動いていた空間も、休業に入ると条件が大きく変わります。
- 換気と空調が止まる:人がいないあいだ、空気が入れ替わりにくくなり、湿気やにおいがこもります。
- 室温が下がり、結露が起きやすくなる:暖房が止まると部屋全体が冷え、外気で冷やされた窓や外壁側の壁、天井の角などで結露が出やすくなることがあります。
- 水まわりが使われない:排水トラップの封水が減ったり、シンクや給湯室に残った水気がそのまま乾かずに残ったりします。
- 物が壁に寄せられたまま:大掃除で段ボールや備品を壁際に積み上げたまま休みに入ると、その裏の空気が動かなくなります。
- 異変に気づく人がいない:小さな水漏れや結露の水たまりがあっても、休み明けまで誰も気づけません。
店舗や事務所は面積が広く設備も多いうえ、休み明けにすぐ業務を再開しなければならないため、「見つけてから考える」では間に合わないこともあります。
休業中に起きやすいこと|場所別の注意点
休業中に変化が出やすい場所と、休業前にしておきたいことを整理しました。ご自身の職場に置き換えて確認してみてください。
| 場所 | 休業中に起きやすいこと | 休業前にしておきたいこと |
|---|---|---|
| 窓・窓際の壁 | 室温が下がり結露が出る。ブラインドやカーテンの裏で乾かない | 窓の水気を拭く。窓際に物を寄せない。結露の出る場所を写真で記録 |
| 外壁側の壁・北側の部屋 | 家具やキャビネットの裏で空気がよどむ | 壁から少し離して置く。段ボールを壁際に積まない |
| 給湯室・トイレ・洗面台 | 封水が減り、下水のにおいが上がる。シンク下に湿気がこもる | 水気を拭き取る。シンク下の収納を一度開けて確認する |
| 冷蔵庫・冷蔵ショーケース | 電源を切って扉を閉めると、内部に湿気がこもる | 運転を続けるか止めるかを決める。止める場合は中を空にして清掃・乾燥 |
| 倉庫・バックヤード | 段ボールや紙類、布製品が湿気を吸う | 床に直置きしない。すのこや棚を使い、詰め込みすぎない |
| 観葉植物・水槽・加湿器 | 水やりや水の蒸発で、周りの湿度が上がる | 加湿器は止めて水を捨て乾かす。植物・水槽の扱いを決めておく |
冷蔵・冷凍設備、給湯器、水槽などの扱いは、機器の取扱説明書やメーカー、設備業者の指示に従ってください。止め方を誤ると、故障や水漏れの原因になることがあります。
排水トラップの封水と冷蔵設備|休み明けのにおいを防ぐ
排水トラップの封水
シンクや洗面台、床の排水口の下には、水をためて下水のにおいや虫が上がってくるのを防ぐ「排水トラップ」があります。長く水を流さないと、この水(封水)が蒸発して減り、下水のにおいが室内に上がってくることがあります。休み明けの「カビ臭い」が、実は排水口のにおいだったということもあります。
休業前の最終日には各排水口に水を流して封水を満たし、休み明けにも最初に水を流すのが基本です。使う頻度の低い床の排水口や、倉庫・更衣室の洗面台なども忘れずに確認しましょう。においの種類による見分け方は「カビ臭・下水臭・生乾き臭の見分け方」で詳しくご紹介しています。
冷蔵庫・冷蔵ショーケース
休業中に冷蔵設備を止める場合は、中を空にして清掃し、水気をよく拭き取ってから、機器の説明書に沿って扉の扱いを決めておきます。扉を閉めたまま長く置くと、内部にこもった湿気でカビやにおいが出ることがあります。運転を続ける場合も、パッキンまわりの汚れは落としておきましょう。
空調・換気の設定は、ビル管理会社・設備管理者と相談を
「休業中も換気扇を回しておいたほうがいいのか」「暖房はつけたままのほうがいいのか」というご質問もよくいただきます。建物の構造や設備、ビルの管理方法によって答えが変わるため、一律には言えません。
- 24時間換気・常時換気の設備がある場合は、止めてよいかどうかを設備の管理者に確認します。
- テナントビルでは、共用部の空調や換気が休業期間中にどう運転されるかを、管理会社に確認しておきます。
- 防犯・防火の設定とあわせて、窓や換気口を開けておけるかどうかも検討します。
決めた設定と担当者・連絡先は紙に書いて掲示しておくと、休み明けに誰が出勤しても同じ手順で確認できます。寒い時期の換気の考え方は「寒い日の換気はどうする?」もあわせてご覧ください。
休業前チェックリスト|2〜3週間前・最終日
休業前の準備を、時期ごとにチェックリストにしました。スタッフで分担して進めてみてください。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 2〜3週間前 | 窓際・北側の壁・倉庫・水まわりの点検 | 黒い点・しみ・においがある場所を写真と日付で記録 |
| 2〜3週間前 | 空調・換気・冷蔵設備の休業中の扱いを決める | ビル管理会社・設備管理者・メーカーの指示を確認 |
| 1週間前 | 大掃除と不要な物の処分 | 段ボールや紙類を壁際・床に残さない |
| 最終日 | 水まわりの水気を拭き、各排水口に水を流す | 給湯室・トイレ・床の排水口も忘れずに |
| 最終日 | 生ごみ・濡れたタオル・加湿器の水を残さない | ごみの回収日も事前に確認 |
| 最終日 | 収納や扉の扱いを決めて閉める | キャビネットや更衣ロッカーの中に湿った物がないか確認 |
大掃除のなかでも、カビ掃除は暖かいうちに進めたほうが、乾燥させやすく作業もしやすくなります。大掃除の計画の立て方は「年末の大掃除は10月から計画を」でもご紹介しています。
業種別に気をつけたいポイント
同じ「休業」でも、業種によって気をつけたい場所は異なります。代表的な例をまとめました。
| 業種 | 特に気をつけたい場所 | 休業前のひと手間 |
|---|---|---|
| 事務所・オフィス | 窓際の壁、書庫・倉庫、給湯室、会議室の窓 | 書類の箱を壁から離す。給湯室の水気を拭く |
| 飲食店 | 厨房の壁・天井、冷蔵設備、排水まわり、客席の窓際 | 冷蔵設備の扱いを決める。排水口に水を流す |
| 物販店・ショールーム | 在庫の保管庫、展示品の裏、試着室 | 在庫を床に直置きしない。布製品を詰め込まない |
| 美容室・サロン・クリニック | シャンプー台・洗面台まわり、タオル棚、施術室 | 濡れたタオルを残さない。水まわりの水気を拭く |
| 倉庫併設の事業所 | シャッター付近、床、外壁側の棚 | 結露しやすい場所に資材を置かない |
素材に入ったカビは休業前に相談を|MIST工法®でできること
壁紙や天井、木部の中まで入り込んだカビは、表面を拭いても色が残ったり、同じ場所に戻ったりすることがあります。長い休みに入る前の相談をおすすめします。
MIST工法®は、素材を削らない・こすらないで行う除カビの方法です。霧状の専用剤を、カビの状態や素材に合わせてその都度調整し、素材の奥に入り込んだカビを分解・洗浄します。使用する剤は、一般的な処理剤に多い酸性液ではなく、アルカリ性液です。除カビのあとは防カビ処理を行い、カビが発生しにくい状態に整えます。施工は、研修と試験に合格した施工者が担当します。
料金は範囲・素材・環境によって大きく変わるため、現地調査のうえでお見積もりします。サービス内容と料金に掲載している目安では、室内壁面クロスで1,500円〜/㎡(税別)です。店舗・事務所での対応については店舗・事務所のカビ取りやカビ取り・カビ対策施工例もご覧ください。傷みが大きく内装の補修が必要な場合は、グループ代理店のカビ取リフォーム(関東・関西・東海)で、除カビから内装の修繕まで一貫してご相談いただけます。
こんなときは、一度ご相談ください
- 窓際や北側の壁に、拭いても消えない黒い点が出ている
- 朝の出勤時や、連休明けに事務所・店内がカビ臭い
- 倉庫やバックヤードの段ボール・資材にカビが付いたことがある
- 天井や壁紙に、しみ・はがれ・ふくらみがある
- 年末年始の休業に入る前に、状態を確かめて対処しておきたい
写真を見ながらのご相談や、現地調査・カビ菌検査のご依頼も承っています。全国のMISTグループで対応しています。
年内の施工を検討される場合は、現地調査・お見積もり・日程調整の順に進むため、12月に入る前のご相談がおすすめです。施工時間や日数は範囲や現場の条件によって異なるため、現地調査のあとにご説明します。複数拠点をお持ちの法人さまやビルの管理会社さまは、法人・業者様のお問い合わせからご相談ください。
休み明けに確認したいこと|再開前の順番
休み明けは、業務を再開する前に決まった順番で確認すると、変化に早く気づけます。
| 順番 | 確認すること | 気づいたときの対応 |
|---|---|---|
| 1. においを確かめる | 入口を開けた瞬間のにおい(カビ臭・下水臭) | においの強い場所をメモし、換気をする |
| 2. 換気と空調を戻す | 窓を開けるか換気設備を運転し、空調を再開 | 結露した窓の水気を拭く |
| 3. 排水口に水を流す | 給湯室・トイレ・洗面台・床の排水口 | 水を流してもにおいが残れば記録する |
| 4. 窓際・壁・天井を見る | 黒い点、しみ、壁紙のはがれ | 日付入りで写真を撮り、休業前と比べる |
| 5. 冷蔵設備・倉庫を見る | 冷蔵庫の中、倉庫の段ボールや資材 | 湿った物は取り出して乾かす |
休業前に撮った写真と見比べると、広がったかどうかを判断しやすくなります。黒い点が増えていたり、においが換気をしても残ったりする場合は、写真を添えてご相談ください。空気中のカビの状態を比べたい場合は、採取を30〜60分程度で行える落下菌検査などのカビ菌検査もご利用いただけます。
カビ菌検査は、健康への影響の有無を判定するものではありません。スタッフやお客様の体調に関する判断は、医療機関にご相談ください。
よくあるご質問
Q. 年末年始の休業は1週間ほどですが、それでもカビ対策は必要ですか?
A. 数日から1週間ほどの休業でも、換気や空調が止まり、水まわりが使われない状態が続くと、湿気やにおいがこもることがあります。特に、ふだんから結露が出る窓際や、においが気になる排水まわりがあるお店・事務所は、休業前のひと手間で休み明けの状態が変わりやすくなります。
Q. 休業中は、空調や換気扇をつけたままにしたほうがよいですか?
A. 建物の構造や設備、ビルの管理方法によって適した設定が異なるため、一律には言えません。24時間換気や換気扇を止めてよいか、空調をどう設定するかは、ビルの管理会社や設備の管理者と相談して決めてください。テナントの場合は、共用設備の運転予定もあわせて確認しておくと安心です。
Q. 休み明けに排水口から嫌なにおいがします。カビでしょうか?
A. 長く水を流さないと、排水トラップにたまっている水(封水)が減り、下水のにおいが上がってくることがあります。この場合は、まず各排水口に水を流して様子を見てください。水を流してもにおいが残る場合や、床や壁にしみ・黒い点がある場合は、カビやほかの原因も考えられますので、ご相談ください。
Q. 休業前に見つけたカビは、自分たちで拭き取ってもよいですか?
A. 出始めの小さな汚れであれば、日々の清掃で落とせることもあります。薬剤を使う場合は、製品の表示に従い、換気をして行ってください。拭いても同じ場所に何度も出る場合や、壁紙・天井・木部の中まで入り込んでいる場合は、強くこすると素材を傷めることがあるため、専門業者への相談をおすすめします。
Q. 年内に施工を終えたいのですが、いつまでに相談すればよいですか?
A. 現地調査・お見積もり・日程調整の順に進むため、年末に近づくほど日程の余裕が少なくなります。範囲や場所によって必要な日数も変わりますので、気になる場所がある場合は、10月〜11月のうちに一度ご相談いただくのがおすすめです。
まとめ
- 年末年始の休業中は、換気・空調が止まり、室温が下がり、水まわりが使われないため、湿気とにおいがこもりやすい
- 窓際・外壁側の壁・水まわり・冷蔵設備・倉庫は、休業前に確認しておきたい場所
- 空調・換気の設定や冷蔵設備の扱いは、ビル管理会社・設備管理者・メーカーの指示に沿って決める
- 最終日は水気を拭き、排水口に水を流し、生ごみや濡れた物を残さない
- 素材に入ったカビは、休業前にMIST工法®で除カビと防カビ処理を。年内の施工は早めの相談が安心
年末年始の休みは、スタッフにとっても大切なひと区切りです。気持ちよく新年のスタートを切れるよう、結露が本格化する前の今の時期に、休業中の段取りと気になる場所の点検を始めてみてください。
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参考にした情報
年末年始の休業前に、店舗や事務所のカビ・においが気になったら、12月に入る前に一度ご相談ください。複数拠点をお持ちの法人さま、ビルの管理会社さまのご相談も承っています。現地調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とは/カビ菌検査/サービス内容と料金 をご覧ください。ご相談はお問い合わせ、工務店・管理会社など法人さまは法人・業者様のお問い合わせ、お電話は 0120-052-127 まで。
