執筆:MIST工法®カビバスターズ本部(株式会社せら) 本記事の数値は気象庁の平年値(統計期間1991〜2020年)にもとづいています。取得日:2026年9月30日。
東京都の湿度は、カビにとってどの程度の条件なのか。気象庁が公開する平年値(1991〜2020年の30年平均)から、東京都内で相対湿度を観測している気象官署6地点(東京・八丈島・父島・大島・三宅島・南鳥島)の月別の相対湿度・平均気温・降水量・日照・雪をまとめ、公的資料に示された温度・湿度の条件がそろう月を数えました。
都庁所在地(東京)で見ると、年平均相対湿度は65%(47都道府県中42位)、月平均気温20℃以上かつ相対湿度75%以上の「高温多湿月」は3か月(17位)です。全国の一覧と指標の決め方は「47都道府県の湿度とカビの出やすさ」にまとめています。この記事はその東京都編で、都内の地域差と、家の中でどう読み替えるか、都内の相談先までを扱います。
この記事で分かること
- 東京都内6地点の月別相対湿度・平均気温(気象庁平年値)
- 都内でもっとも湿る地点・乾く地点と、高温多湿月がそろう時期
- 降水量・日照・雪から見た、住まいの水の入り方
- 季節ごとに家の中で気をつける場所
- 全国の中での東京都の位置づけと、隣接都との比較
- 東京都で相談できるカビバスターズ加盟店
1. 結論:東京都の湿度は「太平洋側型」
- 東京都の気候は太平洋側型(冬は乾き、夏に高温多湿)です。都心は冬に乾燥が強く、夏は高温多湿になります。島しょ部(大島・八丈島・父島)は年間を通じて湿度が高い海洋性の気候です。
- 都庁所在地(東京)の年平均相対湿度は65%で全国42位。もっとも湿る月は7月(76%)、もっとも乾く月は1月(51%)です
- 高温多湿月(月平均気温20℃以上かつ相対湿度75%以上)は東京で3か月(6月・7月・9月)。70%以上で数えると4か月(6月〜9月)です
- 都内でもっとも湿るのは八丈島(年平均79%)、もっとも乾くのは東京(65%)で、14ポイントの差があります。高温多湿月がもっとも長いのは父島(8か月)です
用語のたしかめ
相対湿度は、その温度の空気が含みうる水蒸気量に対する実際の割合(%)です。同じ水蒸気量でも気温が下がると相対湿度は上がります。高温多湿月は本記事(全国編)で定めた指標で、文部科学省「カビ対策マニュアル」基礎編 表3(生育最適温度25〜28℃)、同Q&A(相対湿度65%を恒常的に超えないか監視)、厚生労働省の建築物環境衛生管理基準(相対湿度40〜70%)を、月平均値に当てはめるために月平均気温20℃以上・相対湿度75%以上としています。70%以上の月数も併記します。数値はすべて屋外の観測値で、家の中の湿度そのものではありません。
2. 東京都内の観測所と年間の値
表1は、東京都内で相対湿度を観測している気象官署6地点の年間の値です。相対湿度はアメダス(無人観測所)の多くでは観測されていないため、地点は気象台・測候所などに限られます。都庁所在地の東京を先頭に、年平均相対湿度の高い順に並べています。
| 観測所 | 年平均 相対湿度(%) |
年平均 気温(℃) |
年降水量 (mm) |
年日照時間 (時) |
最深積雪 (cm) |
高温多湿月 (75%以上) |
参考 70%以上 |
該当月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京 | 65 | 15.8 | 1598.2 | 1926.7 | 6 | 3 | 4 | 6月・7月・9月 |
| 八丈島 | 79 | 18 | 3306.6 | 1445 | — | 5 | 5 | 6月・7月・8月・9月・10月 |
| 父島 | 78 | 23.4 | 1296.1 | 2030.6 | — | 8 | 9 | 4月・5月・6月・7月・8月・9月・10月・11月 |
| 大島 | 76 | 16.4 | 2858.9 | 1837.2 | — | 4 | 4 | 6月・7月・8月・9月 |
| 三宅島 | 76 | 18 | 3024.7 | 1693.3 | — | 5 | 5 | 6月・7月・8月・9月・10月 |
| 南鳥島 | 76 | 25.8 | 1052.8 | 2821.7 | — | 8 | 12 | 4月・5月・6月・7月・8月・9月・10月・11月 |
八丈島と東京の差は年平均で14ポイントです。同じ都でも、海沿いか内陸か、日本海側か太平洋側か、盆地か平野かで湿度の出方は変わります。自宅にいちばん近い地点の値を目安にしてください。
3. 月別の相対湿度
表2は各地点の月平均相対湿度(%)です。75%以上の月を太字にしています。
| 観測所 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京 | 51 | 52 | 57 | 62 | 68 | 75 | 76 | 74 | 75 | 71 | 64 | 56 | 65 |
| 八丈島 | 68 | 69 | 71 | 77 | 84 | 91 | 92 | 87 | 86 | 82 | 74 | 69 | 79 |
| 父島 | 66 | 68 | 72 | 79 | 84 | 86 | 82 | 82 | 82 | 81 | 76 | 70 | 78 |
| 大島 | 64 | 66 | 70 | 74 | 79 | 85 | 87 | 86 | 83 | 79 | 74 | 68 | 76 |
| 三宅島 | 65 | 66 | 70 | 73 | 79 | 86 | 87 | 86 | 83 | 78 | 72 | 67 | 76 |
| 南鳥島 | 70 | 70 | 74 | 79 | 79 | 77 | 77 | 79 | 79 | 78 | 76 | 74 | 76 |
東京では7月が76%でもっとも高く、1月が51%でもっとも低くなります。年間の振れ幅は25ポイントです。冬に低く夏に高いのは太平洋側の特徴です。年平均だけを見ると乾いた地域に見えますが、6〜9月は条件がそろいます。
4. 月別の平均気温
表3は月平均気温(℃)です。20℃以上の月を太字にしています。表2と重ねると、湿度が高い月と気温が高い月が重なる期間が分かります。
| 観測所 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京 | 5.4 | 6.1 | 9.4 | 14.3 | 18.8 | 21.9 | 25.7 | 26.9 | 23.3 | 18 | 12.5 | 7.7 | 15.8 |
| 八丈島 | 10.1 | 10.4 | 12.5 | 15.8 | 18.8 | 21.3 | 25.2 | 26.5 | 24.5 | 21 | 16.9 | 12.7 | 18 |
| 父島 | 18.5 | 18.1 | 19.3 | 21.1 | 23.4 | 26.2 | 27.7 | 28 | 27.7 | 26.4 | 23.8 | 20.6 | 23.4 |
| 大島 | 7.5 | 7.8 | 10.4 | 14.4 | 18.2 | 21 | 24.6 | 26 | 23.4 | 18.9 | 14.5 | 10 | 16.4 |
| 三宅島 | 9.9 | 10 | 12.3 | 15.8 | 19.2 | 21.8 | 25.3 | 26.6 | 24.5 | 20.8 | 16.8 | 12.5 | 18 |
| 南鳥島 | 22.4 | 21.8 | 22.5 | 24.3 | 26.1 | 28 | 28.5 | 28.4 | 28.5 | 27.9 | 26.5 | 24.5 | 25.8 |
東京で月平均気温が20℃以上になるのは4か月(6月〜9月)です。もっとも暑い8月は26.9℃、もっとも寒い1月は5.4℃で、文部科学省が示すカビの生育最適温度(25〜28℃)に近い月(月平均24℃以上)は7月・8月。冬の室内は暖房で20℃前後になるため、屋外が寒い月でも、室内の湿度しだいで条件がそろいます。
5. 降水・日照・雪から見た、水の入り方
カビは水の結果として育ちます。雨は屋根・外壁・窓まわりから、雪は屋根の融雪と軒先から、日照の少なさは乾きにくさとして、それぞれ建物に関わります。表4は各地点の年間値と、都庁所在地の月別降水量です。
| 観測所 | 年降水量(mm) | 年日照時間(時) | 年降雪の深さ合計(cm) | 最深積雪(cm) |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 1598.2 | 1926.7 | 8 | 6 |
| 八丈島 | 3306.6 | 1445 | — | — |
| 父島 | 1296.1 | 2030.6 | — | — |
| 大島 | 2858.9 | 1837.2 | — | — |
| 三宅島 | 3024.7 | 1693.3 | — | — |
| 南鳥島 | 1052.8 | 2821.7 | — | — |
| 観測所 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京 | 59.7 | 56.5 | 116 | 133.7 | 139.7 | 167.8 | 156.2 | 154.7 | 224.9 | 234.8 | 96.3 | 57.9 | 1598.2 |
東京の年降水量は1598.2mmで、もっとも多いのは10月(234.8mm)、もっとも少ないのは2月(56.5mm)です。年日照時間は1926.7時間です。最深積雪は6cmで、雪の影響は限られますが、まれな大雪のあとは軒先・雨どいの詰まりを確認してください。雨の多い月の前に、屋根・外壁のひび割れやシーリング、窓まわり、雨どいを確認しておくと、壁の中に水が入る経路を減らせます(第17回・第21回)。
6. 季節ごとに、家の中で気をつける場所
| 季節 | 屋外の条件(平年値) | 家の中で起きやすいこと | 見ておく場所 |
|---|---|---|---|
| 冬(12〜2月) | 相対湿度51%前後と乾く。気温5.4℃前後 | 屋外は乾くが、暖房と加湿で室内は別。冷えた窓・北側の壁に結露 | 窓ガラス・サッシ下部、北側の壁、押入れ |
| 梅雨〜夏(6〜9月) | 相対湿度76%前後、気温25.7℃前後。高温多湿月 | 屋外の条件がそろう時期。冷房した部屋の壁の中で夏型結露が起きることがある | 浴室・洗面所、床下、冷房した部屋の壁・家具の裏、エアコン内部 |
| 春・秋 | 相対湿度・気温とも中間 | 春先は花粉・黄砂で窓を閉めがちになり、換気が減る | 窓まわり、玄関土間 |
冬(12〜2月)は、屋外が相対湿度51%前後と乾く。気温5.4℃前後という条件です。この時期に家の中で起きやすいのは、屋外は乾くが、暖房と加湿で室内は別。冷えた窓・北側の壁に結露。見ておく場所は窓ガラス・サッシ下部、北側の壁、押入れです。太平洋側では、冬は外気が乾いているので換気が結露対策として効きます。夏は逆に外気が湿っているため、換気だけでは室内の湿度は下がらず、除湿や冷房の使い方が関わってきます。
梅雨〜夏(6〜9月)は、屋外が相対湿度76%前後、気温25.7℃前後。高温多湿月という条件です。この時期に家の中で起きやすいのは、屋外の条件がそろう時期。冷房した部屋の壁の中で夏型結露が起きることがある。見ておく場所は浴室・洗面所、床下、冷房した部屋の壁・家具の裏、エアコン内部です。太平洋側では、冬は外気が乾いているので換気が結露対策として効きます。夏は逆に外気が湿っているため、換気だけでは室内の湿度は下がらず、除湿や冷房の使い方が関わってきます。
春・秋は、屋外が相対湿度・気温とも中間という条件です。この時期に家の中で起きやすいのは、春先は花粉・黄砂で窓を閉めがちになり、換気が減る。見ておく場所は窓まわり、玄関土間です。太平洋側では、冬は外気が乾いているので換気が結露対策として効きます。夏は逆に外気が湿っているため、換気だけでは室内の湿度は下がらず、除湿や冷房の使い方が関わってきます。
家の中の相対湿度は、屋外と同じ水蒸気量でも温度で上下します。冬に屋外が相対湿度80%でも、その空気を室内で20℃に暖めると30%台まで下がります。逆に入浴・調理・洗濯物・加湿器で発生した水蒸気は屋外の数値には含まれません。屋外の平年値は出発点で、家の中は温湿度計で測るのがいちばん確かです。文部科学省のQ&Aが案内するとおり、まず相対湿度が65%を恒常的に超えていないかを見てください。
7. 全国の中での東京都
| 都道府県 | 年平均相対湿度(%) | 全国順位 | 高温多湿月数 | 全国順位 | 都庁所在地間の距離 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 65 | 42 | 3 | 17 | — |
| 埼玉県 | 65 | 41 | 2 | 26 | 約19km |
| 神奈川県 | 67 | 32 | 4 | 9 | 約27km |
| 千葉県 | 68 | 28 | 4 | 7 | 約40km |
年平均相対湿度が全国1位は富山県(76%)、最下位は群馬県(62%)で、東京都は65%で42位です。高温多湿月数は沖縄県の6か月が最長で、東京都は3か月(17位)。近隣の埼玉県・神奈川県・千葉県と比べると、湿度・月数とも近い水準です。47都道府県の全体は全国編の表2〜4で確認できます。
8. 東京都で相談できるカビバスターズ加盟店
東京都内には、MIST工法®カビバスターズの加盟店が3店あります。表8の店舗は本部サイトの加盟店一覧に掲載されているもので、対応エリアや出張範囲は各店にご確認ください(2026年9月30日時点)。
| 店舗 | 所在地 | 区分 |
|---|---|---|
| カビバスターズ東京 | 目黒区 | 都内 |
| カビバスターズ西東京 | 八王子市 | 都内 |
| カビ取リフォーム(東京) | 品川区東五反田 | 都内 |
全国の加盟店一覧は本部サイトにあります。自分で試して2回落ちない、面積が広い、壁や床の内側から出ている、においが消えない――そうしたカビは、原因調査から入る専門業者の領域です。
9. よくある質問
Q. 東京都はカビが出やすい都ですか。
A. 平年値から分かるのは、屋外で温度と湿度の条件がそろう月数です。東京では高温多湿月が3か月(全国17位)、年平均相対湿度は65%(42位)です。家の中の被害は、屋外の湿度よりも建物側の水の出所(結露・漏水・地面からの水蒸気)と換気に左右される部分が大きいため、「出やすい都」かどうかより、自宅の条件を測ることをおすすめします。
Q. 東京都で特に気をつける時期はいつですか。
A. 屋外の条件がそろうのは6月〜9月です。冬は乾きますが、暖房と加湿で室内の窓・北側の壁に結露が出ます。
Q. 都庁所在地から離れた場所に住んでいます。
A. 表1〜3の都内の他の地点で、自宅に近い地形(海沿い・内陸・盆地)の値を目安にしてください。相対湿度を観測しているのは気象官署に限られ、アメダスの多くは湿度を観測していません。気象庁の同じページで各地点の平年値を確認できます。
Q. 夏の冷房で除湿すれば十分ですか。
A. 冷房は室内の空気の水蒸気を減らしますが、冷えた部屋の壁の中では外気側との温度差で夏型結露が起きることがあります(第14回)。冷房した部屋の壁際・家具の裏・押入れの温湿度も測り、風の通り道を確保してください。設定温度を下げすぎない、除湿運転を使う、家具を壁から離す、が基本の対処です。
Q. この記事の数値を引用してもよいですか。
A. データの出典は気象庁で、出典を明記すれば利用できます。本記事の表と「高温多湿月」の定義も、出典(本記事のURLと気象庁)を明記していただければ転載して構いません。
10. まとめ
- 東京都の気候は太平洋側型(冬は乾き、夏に高温多湿)
- 東京の年平均相対湿度は65%(全国42位)、高温多湿月は3か月(17位)
- 都内でもっとも湿るのは八丈島(79%)、乾くのは東京(65%)
- 屋外の条件がそろうのは6月〜9月。家の中は暖冷房・室内の水蒸気・換気・建物側の水で別の条件になる
- まず温湿度計で、室内の相対湿度が65%を恒常的に超えていないかを見る
- 都内の加盟店は3店
手に負えないカビは、お近くのカビバスターズへ
自分で試して2回落ちない、面積が広い、壁や床の内側から出ている、においが消えない――そうしたカビは、原因調査から入る専門業者の領域です。MIST工法®カビバスターズは全国に加盟店があります。まずはお近くの店舗、または本部にご相談ください。
参考資料(一次情報)
- 気象庁「過去の気象データ検索」平年値(年・月ごとの値) 統計期間1991〜2020年。地点ごとのページ:東京、八丈島、父島、大島、三宅島、南鳥島
- 文部科学省「カビ対策マニュアル」基礎編 表3 カビの生育可能温度0〜40℃・生育最適温度25〜28℃、相対湿度60%以下に保つ
- 文部科学省「カビ対策マニュアル」Q&A 相対湿度が65%を恒常的に越えていないか監視する
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」 相対湿度40〜70%、温度18〜28℃
