新築の入居直後にカビを見つけたら、発生場所と濡れ・結露の様子を記録し、住宅会社の点検窓口へ相談しましょう。「新築だから乾けばなくなる」「住み方の問題」「施工不良」と、見た目だけで原因を決めることはできません。部屋の状態、建材の水分、漏水、換気などを合わせて確認します。
この記事では、住まい手の方が最初に残す記録、住宅会社に確認すること、除カビ・検査の依頼方法を整理します。工務店・ハウスメーカーの床下対応は、新築床下の調査・施工・引渡し対応の記事をご覧ください。
写真・発見日・場所が分かれば、相談を始められます。
住宅会社に連絡済みの方も、まだ原因が分からない方も、現在分かる状況をお知らせください。株式会社せらでは、住宅会社との連携を含め、調査・検査・除カビの進め方をご相談いただけます。
電話・フォームでの相談は無料です。現地調査・検査・施工などの費用は、予約前に対象範囲と合わせて確認します。
新築でカビを見つけたら、最初にすること
- 安全に見える範囲を撮影:部屋全体、壁・床・天井の位置が分かる写真と、変色の近くの写真を残します。
- 発見日と濡れを記録:入居日、見つけた日、雨・結露・配管まわりの濡れ、臭いの有無をメモします。
- 住宅会社へ連絡:写真と記録を渡し、確認する場所、訪問予定、今できる処置を相談します。
- 対応内容を残す:誰が何を確認し、修理・乾燥・除カビなどをいつ行うか、分かっていることと未確認の項目を共有します。
記録のために漏水を放置する必要はありません。水が出続けている場合や天井・床が濡れている場合は、早めに住宅会社・管理窓口へ連絡し、被害を抑える処置と調査を相談してください。床下への進入、壁紙の剥がし、天井や設備の分解は、ご自身で無理に行わず、点検担当者に依頼します。
拭き取りや薬剤を使った場合も、日時・製品・対象場所を記録して伝えます。未処置の箇所と処置済みの箇所が分かると、その後の調査や検査の条件を整理できます。
なぜ新築にカビが出るのか:水分の出どころを確認
カビへの対応では、目に見える汚れと、水分が続く理由を合わせて確認します。米国EPAも、住宅のカビ対策では水分への対処が重要と説明しています。新築のカビでも、建材に残る水分、結露、漏水、生活中の湿気などが候補となります。
建材の水分は、築年数だけで決めない
コンクリートは、乾燥に伴って内部の含水率が低下します。日本コンクリート工学会は、この変化と乾燥収縮の関係を説明しています。ただし、この性質だけで部屋のカビの原因や、乾燥が終わる時期は決まりません。材料・厚み・工事中の濡れ・換気などの条件と、実際の測定を確認します。
「新築の最初の1〜2年は湿気が多いから仕方ない」と一律に待つのではなく、濡れが続いていないか、雨や配管との関係がないかを相談してください。新築コンクリートの水分・結露・漏水の確認方法 →
結露・換気と、漏水は並行して確認
冷えた窓・壁・配管では、結露によって表面が濡れることがあります。家具の裏や収納の奥など、見えにくい場所にも注意します。雨のあとに増えるしみや、配管付近の濡れがあれば、その経過も点検担当者へ伝えます。これらは調査の手がかりであり、一つのサインだけで原因は確定できません。
部屋別に、写真と確認事項をそろえる
| 場所 | 記録すること | 点検で相談すること |
|---|---|---|
| クローゼット・家具の裏 | 奥の壁・棚・収納品、家具の位置、臭い、他の部屋にも出ているか。 | 周囲や壁裏まで点検が必要か、結露・換気・濡れの確認範囲。 |
| 窓まわり・木枠 | 朝の結露、木枠・巾木の変色、窓のどの位置に水がたまるか。 | 結露と雨水の浸入をどう確認するか、窓まわりの乾燥・補修。 |
| 天井・壁・床のしみ | 全体と近くの写真、雨との前後関係、広がり方、上階や水まわりの位置。 | 漏水・雨水・結露の調査、内部や周辺の確認と復旧範囲。 |
| 洗面台・キッチンの収納 | 配管の継ぎ目や収納底の濡れ、使用後の変化。 | 配管・接続部の確認、収納材の乾燥・除カビ・交換の要否。 |
| 床下・点検口付近 | 進入せず安全に見える写真、水たまり・臭いの有無。 | 床下の点検担当、建材の水分・漏水・換気などの調査。 |
写真だけでは、菌の種類や見えない範囲、建材の損傷までは分かりません。見える場所と、まだ確認できていない場所を分けて伝えると、必要な点検を相談しやすくなります。
工事中・引渡し前・入居後で、確認する記録が変わる
- 工事中に見つかった場合
- 発見した工程、雨や漏水の記録、濡れた材料、乾燥・養生の状況、壁や床で隠れる前に確認する範囲を、建築会社と整理します。
- 引渡し前の確認で見つかった場合
- 点検で確認した場所と未確認の場所、調査・修理・除カビ・復旧の担当、報告方法、引渡し予定との調整を相談します。
- 入居後に見つかった場合
- 入居日と発見日、部屋の利用、換気の運転、結露や雨との関係、清掃や修理の履歴、住宅会社への連絡内容を残します。
マンション・賃貸住宅では、契約先や管理窓口などへ相談し、専有部分・共用部分のどこを誰が確認するかも整理します。購入した住まいの施工会社が分からない場合は、売主やアフターサービス窓口へ点検先を確認してください。
住宅会社へ伝える文面と、確認すること
最初の連絡では、発生した事実と、確認してほしい内容をまとめます。換気や家具の配置なども、分かる範囲で記録します。原因が決まっていなくても、点検の依頼はできます。
○月に入居した住宅で、○月○日に○階の○○室に変色とカビのようなものを見つけました。場所が分かる写真と近くの写真があります。濡れ・結露・臭いは○○です。原因の確認、点検の予定、清掃や使用について今できることを相談したいです。
上の文面は記入例です。写真とともに、次の点を確認しておくと、その後の説明を受けやすくなります。
- 点検する場所、担当者、訪問予定、確認結果の報告方法。
- 確認できた事実、原因の候補、まだ確認できていない範囲。
- 水分への対処、材料の点検、除カビ、必要な復旧の担当と予定。
- 検査・報告書の必要性、費用の有無、契約・保証の確認先。
連絡日、担当者、説明内容、次の予定を残します。予定の定期点検より前でも、濡れや範囲の拡大があれば、その変化を改めて知らせてください。
保証・費用負担は、原因と契約を確認する
国土交通省が説明する新築住宅の10年間の瑕疵担保責任は、「構造耐力上主要な部分」「雨水の浸入を防止する部分」が対象です。室内にカビが見つかったことだけで、すべてがこの対象になるわけではありません。個別の契約・保証書・原因の確認内容を住宅会社と照合します。
カビの写真や検査結果だけから、株式会社せらが施工不良や法的責任、費用負担を断定することはありません。まずは事実を残し、調査と対策に必要な役割を整理します。
実施工写真:新築戸建で、漏水後の壁面に対応

掲載元では、雨水漏水後の新築戸建のカビ処理として紹介されています。工務店が室内に足場を組み、壁面の除カビ処理を行った記録です。新築でのカビ対応は、発生箇所に応じて、点検・修理・足場などの作業条件を建築会社と整理して進めます。
実写真は、壁面処理を進める施工工程の一例です。必要な調査・施工の範囲、日程、費用は物件ごとに確認します。
カビ菌検査は、何を確認したいかで選ぶ
菌の検査は、すべての新築カビ相談で必ず必要になるものではありません。見える範囲の点検、水分や漏水の確認と合わせ、検査を行う目的を相談します。株式会社せらでは、一般社団法人微生物対策協会と連携して検査内容を検討します。
- 室内空気の濃度:空中浮遊菌検査で一定量の空気を採取し、培養で得られた菌数をCFU/m³などで示します。
- 対象表面の状態:付着菌検査で壁・木材などの表面から採取します。採取範囲と方法を記録します。
- 一定時間に落ちる菌:落下菌検査で培地に落ちた菌を採取します。空気の体積を測る方法ではなく、そのままCFU/m³へ換算はできません。
- 採取した菌の種類:同定検査で分析・観察します。寒天スタンプなどの採取方法そのものを、菌種を確定する分析とは呼びません。
施工前後を比較する場合は、採取場所・方法・換気などの条件も合わせて確認します。検査結果だけで、発生原因、責任、住まい全体の状態や健康影響は判定できません。米国CDC・NIOSHも、短時間の採取による菌数を健康リスクと直接結び付けて解釈できないと説明しています。
検査の種類・税込料金・報告書費用を見る → 浮遊菌・落下菌・付着菌の違いを詳しく読む →
素材に合わせた除カビと、見積りの確認事項
MIST工法®では、対象素材・仕上げ・カビの状態を確認し、削る・こする処理を避けることを基本として除カビ・防カビを検討します。材料の損傷や内部の状態によって、修理・交換が必要になることもあります。漏水修理や建材の復旧は、除カビの担当範囲と合わせて確認してください。
本部掲載の室内壁面(クロス)の税込参考料金は、1,650円〜/㎡です。処理する壁面の面積・素材・状態、養生・高所作業などで総額が変わります。上の写真の施工価格ではありません。単価に面積を掛けた額だけで、調査・検査・報告書・修理・復旧などがすべて含まれるとは限りません。
見積りでは、除カビの対象、材料を残すか交換するか、調査・検査の必要性、施工中の部屋の利用、乾燥・換気、施工後の確認と報告を相談します。入居・引越しの予定があれば、希望日程を最初にお知らせください。
MIST工法®の説明 → 本部基準の税込料金・参考費用計算 →
点検と合わせて、日々の濡れ・換気も確認する
住宅の換気設備には、通常の換気のほか、シックハウス対策として設けられる機械換気があります。国土交通省は、住宅では原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備が必要と説明しています。カビが出た際は、設備の運転状態や給排気口・フィルターを、住宅会社と取扱説明書で確認します。
- 24時間換気などの常時運転設備は、設計・取扱説明書に沿って使用し、家具で給排気口をふさいでいないか確認する。
- 窓・木枠・収納などの濡れを記録し、どの時間帯・天候で出るかを残す。
- 室内干し・調理・入浴・加湿器の使用と、温湿度の変化を合わせて見る。
- 家具の裏や収納の奥を確認しやすいよう、無理のない範囲で配置・収納を見直す。
換気しているだけでカビを防げるとは限りません。温湿度は測る場所や時間で変わり、建材が濡れている場合は、その水分への対処も必要です。換気や除湿を続けても濡れが繰り返す、雨のあとに広がる、臭いが続く場合は、その経過を点検担当者へ伝えてください。
新築・入居直後のカビでよくある質問
新築のカビは、1〜2年待てばなくなりますか?
一律にはいえません。建材の水分だけでなく、漏水・結露・換気などを確認します。濡れや変色が続く場合は、築年数だけを理由に待たず、記録を残して住宅会社に相談してください。
先に自分でカビを落とした方がよいですか?
まず安全に見える範囲を撮影し、濡れの状態とともに住宅会社へ相談してください。素材が分からない、範囲が広い、壁裏が疑われる場合は、ご自身で剥がしたり強い薬剤を使ったりする前に、処置と点検の順序を確認します。体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
検査をすれば、住宅会社の責任が分かりますか?
菌の検査は、採取した場所・時点・方法での状態を確認するものです。工事や漏水の記録、建材の水分、点検結果などと合わせて検討し、責任や保証は契約先に確認します。
原因が分からない段階でも、せらに相談できますか?
ご相談いただけます。所在地、引渡し・入居時期、発生場所、写真の有無、住宅会社との点検状況を、分かる範囲でお知らせください。必要に応じて全国のカビバスターズ加盟店との対応を調整し、訪問地域・日程・費用は個別に確認します。
写真と分かる状況から、ご相談ください
原因や面積が決まっていなくても、相談を始められます。新築戸建・マンションでカビを見つけた方は、建物の市区町村、入居前・入居後のどちらか、発生場所、住宅会社の点検状況をお知らせください。写真・図面の共有方法は相談時にご案内します。
電話:0120-052-127(平日9:00〜18:00・土日祝除く)。電話・フォーム相談は無料です。調査・検査・施工の予約前に、費用の有無と範囲を確認してください。
参考資料・実施工写真の掲載元
- 国土交通省「住宅等における換気等に関する情報提供について」 — 住宅の換気設備の説明を参照。
- 国土交通省「Q&A[2.新築住宅]」 — 10年間の瑕疵担保責任の対象範囲を参照。
- 日本コンクリート工学会「コンクリートの基礎知識:体積変化」 — 含水率の低下と乾燥収縮の説明を参照。
- 米国EPA「A Brief Guide to Mold, Moisture and Your Home」 — 水分・結露・見えない箇所の点検の説明を参照。
- 米国CDC・NIOSH「Mold, Testing, and Remediation」 — 記録と水分への対処、短時間の検査結果の解釈について参照。
- 米国CDC「Environmental Sampling」 — 採取方法と単位の違いを参照。医療施設向けの資料であり、住宅へ医療施設の管理値を適用するものではありません。
- カビバスターズ京都「滋賀県大津市 新築戸建 漏水後 壁面除カビ処理施工」 — 実施工写真・施工場所・作業内容の掲載元。
