執筆:MIST工法®カビバスターズ本部(株式会社せら) 本記事の数値は公的機関・学会の公開資料にもとづいています。
施設別シリーズの第11回は職場(事業所・事務所)の空気と湿度です。第3回のオフィスでは、ビル管理法(建築物衛生法)と日本建築学会の目安を紹介しました。今回は、建物の大きさに関係なく事業者に適用される「事務所衛生基準規則」を取り上げます。
この記事で分かること
- 事務所衛生基準規則の空気環境の基準(湿度40〜70%・温度18〜28℃)
- 空気調和設備の加湿装置・冷却塔の点検と清掃の頻度
- ビル管理法との違い
- 職場の空調まわりでカビが出やすい場所
1. 結論:空調のある職場は「湿度40〜70%・温度18〜28℃」に努め、加湿装置は月1回点検
- 事務所衛生基準規則では、空気調和設備を設けている場合、気温18℃以上28℃以下、相対湿度40%以上70%以下になるように努めなければならないとされています。
- 空気調和設備の冷却塔と加湿装置は、1月以内ごとに1回汚れの状況を点検し、1年以内ごとに1回清掃することが求められています。
- この規則は、労働安全衛生法にもとづき、事務所として使う建物の規模にかかわらず事業者に適用されます。
2. 事務所衛生基準規則の主な基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 換気(窓など) | 直接外気に向かって開放できる部分の面積が、常時床面積の20分の1以上 |
| 二酸化炭素 | 室の含有率を100万分の5,000以下(空気調和設備等を設けている場合は別に基準あり) |
| 気流(空気調和設備) | 0.5 m/秒以下 |
| 温度・湿度(空気調和設備) | 18℃以上28℃以下、相対湿度40%以上70%以下になるよう努める |
| 冷却塔・加湿装置 | 1月以内ごとに1回点検、1年以内ごとに1回清掃 |
3. ビル管理法との違い
| 事務所衛生基準規則 | ビル管理法(建築物衛生法) | |
|---|---|---|
| 対象 | 事務所で働く労働者を守るため、事業者に適用 | 一定規模以上の特定建築物の維持管理権原者に適用 |
| 湿度 | 40〜70%に努める(空調設備がある場合) | 40〜70% |
| 菌・カビの数 | 基準なし | 基準なし |
どちらも空気中のカビの数の基準はありません。日本建築学会の目安(事務所の浮遊真菌50 CFU/m³以下)は、第3回のオフィスの記事で解説しています。
4. 職場の空調まわりでカビが出やすい場所
- 加湿装置・加湿エレメント:水と汚れがたまる。月1回の点検で汚れを確認
- 空調機のドレンパン(排水受け):冷房の結露水がたまり、ぬめりやカビ
- 吹き出し口・ダクト:黒い点や、運転時のカビ臭さ
- 窓ぎわ・外壁側:冬の結露、ブラインド
- 倉庫・書庫・更衣室:空気が動かず湿気がたまる
5. よくある質問
Q. 職場の湿度の基準は何%ですか?
事務所衛生基準規則では、空気調和設備を設けている場合、相対湿度40%以上70%以下、気温18℃以上28℃以下になるように努めなければならないとされています。
Q. 加湿器の点検・清掃の頻度は決まっていますか?
空気調和設備の加湿装置は、1月以内ごとに1回汚れの状況を点検し、1年以内ごとに1回清掃することとされています。
Q. 職場がカビ臭いときは?
空調の運転時に臭う場合は、ドレンパンや加湿装置、ダクトの汚れが考えられます。ビルの管理会社や設備業者に点検を依頼し、必要に応じてカビ専門業者に相談してください。
6. まとめ
- 空調のある職場は湿度40〜70%・温度18〜28℃に努める(事務所衛生基準規則)
- 加湿装置・冷却塔は月1回点検・年1回清掃
- カビの数の基準はない。加湿装置とドレンパンを見落とさない
事業所のカビのご相談は、法人のお問い合わせまたはフリーダイヤル 0120-052-127 へ。
参考資料(一次情報)
- 厚生労働省「事務所衛生基準規則」(昭和47年労働省令第43号) 換気、二酸化炭素、気流0.5m/秒以下、気温18〜28℃・相対湿度40〜70%の努力義務、冷却塔・加湿装置の点検(1月以内ごと)と清掃(1年以内ごと)
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」
