執筆:MIST工法®カビバスターズ本部(株式会社せら) 本記事の数値は公的機関・学会の公開資料にもとづいています。
施設別シリーズの第12回は屋内プールです。屋内プールは広い水面から一年中水が蒸発し、天井・壁・更衣室が結露しやすい、カビにとって条件のそろった施設です。国の「遊泳用プールの衛生基準」には、換気と清掃について具体的な基準があります。
この記事で分かること
- 遊泳用プールの衛生基準で示される屋内プールの換気設備(CO₂ 0.1%以下を維持できる能力)
- 屋内の二酸化炭素0.15%以下と、2月以内ごとの測定
- プールサイド・更衣室・便所は毎日1回以上清掃
- 屋内プールで結露とカビが出やすい場所
1. 結論:屋内プールは「換気能力」と「毎日の清掃」が基本
- 遊泳用プールの衛生基準では、屋内プールには二酸化炭素の含有率を0.1%以下に維持できる能力を有する換気設備を設けることとされています。
- 維持管理では、屋内の空気中の二酸化炭素が0.15%を超えないこと、2月以内ごとに1回定期的に測定することが求められています。
- プールサイド・更衣室(ロッカーを含む)・便所などは、毎日1回以上清掃し、随時点検することとされています。
2. 衛生基準の主な項目
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 換気設備(施設基準) | 二酸化炭素0.1%以下を維持できる能力 |
| 二酸化炭素(維持管理) | 0.15%を超えないこと。2月以内ごとに1回測定 |
| プールサイド・更衣室・便所など | 毎日1回以上清掃、随時点検 |
| 採暖室・採暖槽 | 衛生的な管理ができ、衛生的に使用できる構造設備 |
0.1%は1,000ppm、0.15%は1,500ppmにあたります。換気は二酸化炭素を下げるだけでなく、水面から蒸発した湿気を外へ出す役割も担っています。
3. 屋内プールで結露とカビが出やすい場所
- 天井・梁・屋根の裏側:暖かく湿った空気が冷えた天井で結露
- ガラス窓・サッシ:冬の外気で冷えて結露
- 更衣室・シャワー室:濡れた床、ロッカーの裏、ベンチ
- 採暖室・ジャグジーまわり:湯気
- 空調ダクト・吹き出し口:湿った空気が通る
天井の結露は、カビだけでなく鉄骨のさびや断熱材の劣化にもつながります。営業時間外も換気・除湿を止めない運用や、天井の断熱の点検が大切です。
4. よくある質問
Q. 屋内プールの換気の基準は?
遊泳用プールの衛生基準では、屋内プールに二酸化炭素0.1%以下を維持できる能力の換気設備を設け、屋内の二酸化炭素が0.15%を超えないよう2月以内ごとに1回測定することとされています。
Q. 更衣室の清掃頻度は?
プールサイド、更衣室(ロッカーを含む)、便所など利用者が使用する設備は、毎日1回以上清掃し、随時点検することとされています。
Q. プールの天井の黒カビやシミはどうすればいい?
湿った空気が天井で冷やされて結露していることが多いため、清掃とあわせて換気・除湿の運転時間と能力、天井の断熱を見直すことが必要です。高所作業になるため専門業者に相談してください。
5. まとめ
- 屋内プールはCO₂ 0.1%以下を維持できる換気設備、運用は0.15%以下を2月ごとに確認
- プールサイド・更衣室は毎日1回以上清掃
- カビの大敵は天井の結露。換気・除湿・断熱で元から減らす
プール・スポーツ施設のカビのご相談は、法人のお問い合わせまたはフリーダイヤル 0120-052-127 へ。
参考資料(一次情報)
- 厚生労働省健康局長通知「遊泳用プールの衛生基準について」(平成19年5月28日健発第0528003号) 屋内プールの換気設備(二酸化炭素0.1%以下を維持できる能力)、二酸化炭素0.15%以下と2月以内ごとの測定、プールサイド・更衣室・便所の毎日1回以上の清掃、採暖室の構造設備
