「含水率が高いですね」「落下菌の数は…」「防カビ処理をします」。カビ取りの見積書や検査結果には、聞き慣れない言葉がたくさん出てきます。10月中旬は、秋の長雨や台風のあとの湿気で、夏のあいだに増えたカビが衣替えや片付けのときに見つかりやすい時期です。冬の結露シーズンに向けた点検や、年末・年度末の工事の段取りを考え始める時期でもあります。この記事では、MIST工法®の開発元として、建物のカビを理解するための基本用語56語を五十音順にまとめました。定義は、公的資料で確認できた内容と当社の説明にもとづいています。
この記事の要点
- 建物のカビの用語は「水分・湿気」「カビそのもの」「検査」「建物・部位」「対策・施工」の5分野で整理すると覚えやすい。
- カビの出発点は水分。相対湿度・露点・結露・含水率は、すべて「どれだけ湿っているか」の言葉です。
- 検査の言葉は「どこから採るか」で分かれる。空気から落ちてくる=落下菌、表面に付いている=付着菌、空気中をただよう=浮遊菌。
- 除カビ(取る)と防カビ処理(防ぐ)、消毒(無毒化)と除菌(数を減らす)、カビ(変色)と腐朽(木材の分解)は混同しやすい代表例。
結論|カビ対策の用語は「水分→カビ→検査→建物→対策」の順につながっている
カビ対策の用語は、どの段階の言葉かで整理すると理解が早くなります。まず、湿気や結露、漏水といった水分が素材をぬらし、含水率の高い状態が続くとカビの胞子が発芽して菌糸をのばします。その状態を検査で確かめ、通気層や換気などの建物の湿気の通り道を見直しながら、除カビ・防カビ処理といった対策を選びます。
特に大切なのは、水分の用語が理解の土台になることです。国土交通省の資料では、木材のカビが育つ条件として温度(25〜30℃)、水分(木材表面が濡れる状態)、栄養(木材表面に付着した塵埃)が挙げられています。秋の長雨のあとや冬の結露シーズン前の点検でも、「どこに水分がたまっているか」を表す言葉から押さえておくと話が早くなります。
カビ 用語の使い方|5つの分野で整理する用語マップ
この用語集では、建物のカビに関わる56語を五十音順に並べています。あわせて、下の図と表で5つの分野に分けました。
| 分野 | 主な用語 | よく出てくる場面 |
|---|---|---|
| 水分・湿気 | 相対湿度、露点、結露、含水率、水分活性 | 原因の説明、点検の時期、結露対策の相談 |
| カビそのもの | 真菌、胞子、菌糸、好乾性カビ、カビ臭 | カビの正体や種類の説明、検査結果の説明 |
| 検査 | 落下菌、付着菌、浮遊菌、同定検査 | カビ菌検査の依頼、施工前後の比較 |
| 建物・部位 | 通気層、小屋裏換気、床下換気口、24時間換気 | 設計・施工・建物管理の打ち合わせ |
| 対策・施工 | 除カビ、防カビ処理、MIST工法®、除湿、消毒・除菌 | 見積書、施工の説明、日常のお手入れ |
定義は要点をまとめたものです。法令の適用、健康への影響、費用負担などは条件や契約で異なるため、専門家にご確認ください。
あ行・か行の用語|含水率・結露・好乾性カビ・コロニーなど
- アスペルギルス(あすぺるぎるす)
- コウジカビの仲間を含むカビの属名です。文部科学省「カビ対策マニュアル」では、生育に必要な最低の水分活性が黒麹カビで0.88、乾性カビとされる種類で0.65と示され、比較的乾いた環境で育つ種類も含みます。(関連:カビの種類図鑑)
- アルカリ性の専用剤(あるかりせいのせんようざい)
- MIST工法®で使う除カビ剤の性質です。一般的なカビ処理剤に多い酸性の液ではなくアルカリ性の液で、カビの状態や素材に合わせてその都度調整します(MIST工法®とは)。
- 栄養源(えいようげん)
- カビが育つための「えさ」です。カビは繊維質や糖質、タンパク質を分解して利用します(文部科学省)。国土交通省の資料でも、木材表面に付着した塵埃がカビの条件に挙げられています。
- カビ(かび)
- 真菌の仲間のうち、菌糸をのばして育つものの呼び名です。文部科学省のマニュアルでは80,000種以上が確認され、増え始めは肉眼では見えないと説明されています。
- カビ臭(かびしゅう)
- カビのある場所で感じる、こもったにおいです。文部科学省のマニュアルでは、カビ発生を予測する参考にはなるが、それだけで判断するのは難しいとされています。(関連:空き家・長期不在の家がカビる理由)
- カビの色(かびのいろ)
- 見た目の色は主に胞子の色によるものです。文部科学省のマニュアルでは、白っぽいカビはほとんどが菌糸か、胞子の色がうすいものとされています。色だけで種類や害の有無は決められません。(関連:白カビに毒性はある?)
- 含水率(がんすいりつ)
- 木材などの素材が含む水の割合です。農林水産省「日本農林規格 製材」では、103℃±2℃で乾かした全乾質量を基準に、(乾燥前の質量-全乾質量)÷全乾質量×100で求めます。高い状態が続くとカビが育ちやすくなります。(関連:素材別のカビ取りの考え方)
- 寒天培地(かんてんばいち)
- カビや細菌を育てて調べるための、寒天に栄養を加えた培地です。文部科学省のマニュアルでは、カビ培養用としてサブロー寒天培地が紹介されています。
- 蟻害(ぎがい)
- シロアリによる食害です。国土交通省の資料では、ヤマトシロアリは温度12〜30℃と水分の滞留を条件に、土台や地面から1m以内の湿った部材で発生しやすいとされています。防蟻は当社の業務外のため、専門業者と連携します。
- 菌糸(きんし)
- カビの体をつくる糸状の部分で、先に胞子をつくります。文部科学省のマニュアルでは、表面に見えるカビはすでに組織の内部まで菌糸をのばしているとされ、拭くだけで取り切れない理由の一つです。
- 区画化(くかくか)
- カビのある区域を仕切り、胞子やほこりを広げないことです。文部科学省のマニュアルでは、除湿で乾いた胞子が飛びやすくなるため、区画化と空気の清浄化をあわせて計画するとされています。(関連:カビを掃除機で吸ってもいい?)
- 結露(けつろ)
- 空気中の水蒸気が冷たい面で冷やされ、水滴になる現象です。温度が下がると飽和水蒸気圧が下がり結露が起こります(文部科学省)。壁の中や床下でも起こり、カビの大きな水分源です。(関連:結露とカビの仕組み)
- 建築物環境衛生管理基準(けんちくぶつかんきょうえいせいかんりきじゅん)
- 建築物衛生法にもとづく特定建築物の維持管理の基準です。厚生労働省によると、空気調和設備がある場合の居室の相対湿度は40%以上70%以下とされています。(関連:ビル・施設管理者のためのカビ対応)
- 現地調査(げんちちょうさ)
- カビ取りの前に、カビの範囲・素材・湿気の原因を建物で確かめることです。当社は現地の環境を調べて原因を分析し、施工範囲やお見積もりの前提をそろえます。(関連:現地調査で何を見ているのか)
- 好乾性カビ(こうかんせいかび)
- 比較的乾いた環境でも育つカビで、乾性カビ・好乾菌とも呼ばれます。文部科学省のマニュアルでは、微生物の中で最も低い水分活性で生育できるとされています。湿度が高くない場所でのカビで問題になります。
- 好湿性カビ(こうしつせいかび)
- 水分の多い環境を好むカビです。文部科学省のマニュアルでは、調査の際に好湿性・好乾性など生育条件の違いを理解する必要があるとされています。結露や漏水でぬれた場所で目立ちやすいグループです。
- 小屋裏換気(こやうらかんき)
- 屋根と天井の間(小屋裏)の湿気を外へ逃がす換気です。国土交通省の資料では、木材を水分から守る措置として通気構法とともに挙げられています。(関連:設計者のためのカビ予防)
- コロニー(ころにー)
- 培地の上で微生物が増えてできる目に見える集まりで、文部科学省のマニュアルでは「細胞の集合体」と説明されています。検査では数を数え、形や色を観察します。
さ行の用語|除カビ・消毒・除菌・水分活性・相対湿度など
- 次亜塩素酸ナトリウム(じあえんそさんなとりうむ)
- 塩素系漂白剤の主成分です。厚生労働省は、酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生して危険と注意しています。素材によっては変色するため表示を確認します。(関連:畳に塩素系のカビ取り剤は使える?)
- 消毒(しょうどく)
- 厚生労働省の説明では、菌やウイルスを無毒化することで、医薬品・医薬部外品に記される言葉です。カビを素材から取り除く除カビとは意味が異なります。
- 除カビ(じょかび)
- いま生えているカビを取り除くことです。当社はMIST工法®で、素材を削らず、こすらずに奥のカビまで分解・洗浄し、原因対策や防カビ処理とあわせて進めます。(関連:カビ対策の方法はどう選ぶ?)
- 除菌(じょきん)
- 厚生労働省の説明では、菌やウイルスの数を減らすことで、医薬品・医薬部外品以外の製品に多い表示です。すべての菌やウイルスに効くわけではないとされています。
- 除湿(じょしつ)
- 空気中の水分を取り除き湿度を下げることです。文部科学省のマニュアルでは、除湿器のタンクを満杯のまま放置するとかえって高湿度になるとされています。(関連:押入れの除湿剤は効いている?)
- 真菌(しんきん)
- カビ・酵母・キノコの仲間をまとめた生物のグループです。文部科学省のマニュアルでは、有機物から炭素源を得る従属栄養の微生物とされています。細菌とは別の生き物です。
- 人工乾燥材(じんこうかんそうざい)
- 人工的に乾かして含水率を下げた木材です。日本農林規格では、構造用製材の例でD15・D20・D25(含水率15・20・25%以下)などの区分があります。雨でぬれれば含水率は上がります。(関連:建築中の雨で濡れた構造材・合板のカビ)
- 水分活性(Aw)(すいぶんかっせい)
- 微生物が利用できる水(自由水)の度合いを表す指標です。文部科学省のマニュアルでは、Aw0.6以下ではカビは生育できず、そのため相対湿度を常に60%以下に保つ必要があるとされています(資料保存の目安)。
- 相対湿度(そうたいしつど)
- ふだん「湿度」と呼ぶ値で、気象庁の説明では、水蒸気量とその気温の飽和水蒸気量との比を百分率で表したものです。冷えやすい北側の部屋や押入れで高くなりがちです。(関連:47都道府県の湿度とカビの出やすさ)
| 用語 | 数値 | 出典・注意 |
|---|---|---|
| 相対湿度(建築物環境衛生管理基準) | 40%以上70%以下 | 厚生労働省。空気調和設備のある特定建築物の居室 |
| 水分活性 | Aw0.6以下でカビは生育できない | 文部科学省。資料保存の目安 |
| 床下換気口 | 壁の長さ5m以下ごとに300㎠以上 | 建築基準法施行令第22条。例外あり |
| 24時間換気 | 住宅は換気回数0.5回/h以上 | 国土交通省。シックハウス対策 |
た行・な行の用語|通気層・同定検査・内部結露・夏型結露など
- 断熱材(だんねつざい)
- 熱の出入りを抑える材料です。国土交通省の資料では、断熱・気密化で表面結露は減った一方、内部結露の危険性は断熱を講じることで高まっているとされています。断熱工事は当社の業務外で、専門業者と連携します。
- 通気層(つうきそう)
- 外壁の仕上げ材の内側などに設ける、空気が流れるすき間です。国土交通省の資料では、木材に水分を作用させない措置として通気構法が挙げられています。湿気を逃がし、壁の中を乾きやすくします。
- 同定検査(どうていけんさ)
- カビを培養して種類を確定する検査です。当社は寒天スタンプで採取して培養し、種類を確定します(カビ菌検査)。文部科学省のマニュアルでも、目視だけで同定するのは極めて困難とされています。(関連:カビ菌検査の結果の読み方)
- 内部結露(ないぶけつろ)
- 壁の中や小屋裏など、見えない部分で起こる結露です。国土交通省の資料では、室内の暖かく湿った空気が壁体や小屋裏に入り込んで起こることがあるとされ、柱や合板の裏でカビが広がる原因になります。
- 夏型結露(なつがたけつろ)
- 外気の多量の水蒸気が、冷房された屋内の低温部分に触れて起こる結露です。国土交通省の資料では、結露水量は冬型より多く、気温も高いためカビなどの被害が大きくなるとされています。
- 24時間換気(にじゅうよじかんかんき)
- シックハウス対策の機械換気設備の通称です。国土交通省によると、原則すべての建築物に機械換気設備が義務づけられ、住宅では換気回数0.5回/h以上が必要です。止めると湿気もこもりがちです。(関連:暖房の使い始めに増える結露とカビ)
は行の用語|白華・表面結露・腐朽・付着菌・防カビ処理など
- 培養(ばいよう)
- 採取したカビを培地で一定の温度に保ち、数えられる大きさまで育てることです。文部科学省のマニュアルでは、27度で2〜7日間培養してカビ数とコロニーを観察する方法が紹介されています。
- 白華(はっか)
- 素材の表面に白い粉が出る現象で、カビと間違えやすいものです。国土交通省の資料では防火処理木材の薬剤の再結晶とされ、文部科学省のマニュアルでは拡大して菌糸の有無を見れば判定できるとされています。
- 表面結露(ひょうめんけつろ)
- 窓や壁の表面など、見える面で起こる結露です。国土交通省の資料では、断熱・気密化や複層ガラスの普及で減っているとされますが、北側の壁や家具の裏では今も起こりやすい場所です。(関連:北側の部屋がカビやすいのはなぜ?)
- 不活性化(ふかっせいか)
- 文部科学省のマニュアルでは、カビが出た資料を置く空間の湿度を胞子が発芽する湿度以下に下げ、広がらないようにすることとされています。取り除く除カビとは別の「広げない手当て」です。
- 腐朽(ふきゅう)
- 木材腐朽菌で木材が分解され、弱くなることです。国土交通省の資料では、断面欠損・軟化で耐力が下がるとされ、カビの変色の影響は主に見た目で、耐力の低下は腐朽を伴う場合とされています。構造材の補修は専門業者と連携します。
- 付着菌(ふちゃくきん)
- 物の表面に付いている菌です。文部科学省のマニュアルでは、滅菌綿棒による採取が挙げられています。当社の同定検査では、寒天スタンプを表面に当てて採取します。
- 浮遊菌(ふゆうきん)
- 空気中にただよう菌です。文部科学省のマニュアルでは、エアーサンプラーで一定量の空気を吸引して培地に集め、培養して数える方法が紹介されています。(関連:カビ菌検査という選択肢)
- 冬型結露(ふゆがたけつろ)
- 暖房で暖められた湿った室内空気が、露点以下の冷たい部位に触れて起こる結露です(国土交通省)。寒冷地では凍った結露水が春先にとけ出すことがあるとされています。(関連:冬に増える「結露・カビ」相談)
- 平年値(へいねんち)
- 気象庁が気候の基準として作る値で、直近30年間の平均を10年ごとに更新します。現在は1991〜2020年の平均が使われ、月ごとの湿度から点検時期を考えるときに役立ちます。(関連:月別カビ点検カレンダー)
- 防カビアドバイス(ぼうかびあどばいす)
- 当社のサービスで、現地の環境を調査して原因を分析し、設備の配置や換気などを助言するものです(サービス内容と料金)。
- 防カビ処理(ぼうかびしょり)
- 除カビのあと、カビが増えにくい状態に整える予防の処理です。湿気の原因が残ると再び生えることがあるため、換気や使い方の見直しとセットで考えます。(関連:カビ取りをしたのに再発した)
- 胞子(ほうし)
- カビが増えるためにつくる小さな粒で、空気中を運ばれ、水分と栄養がそろうと発芽します。文部科学省のマニュアルでは、胞子の寿命は非常に長く、菌糸はかなり短いとされています。
- 防湿シート(ぼうしつしーと)
- 室内側の水蒸気を壁の中や小屋裏に入れないためのシートです。国土交通省の資料では、内部結露の防止に重要だが、防湿気密シートを完全に施工することは難しいと指摘されています。
- 飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう)
- その気温の空気が含める水蒸気の最大量で、気温が下がるほど少なくなります。冷やされて余った水蒸気が結露になります。相対湿度は、この量に対する実際の水蒸気量の割合です。
ま行〜ら行・英字の用語|MIST工法®・床下換気口・落下菌・露点・IPMなど
- マイコトキシン(まいこときしん)
- カビがつくる毒素の総称で、「カビ毒」とも呼ばれます。文部科学省のマニュアルでは、アフラトキシンなどの例が挙げられています。住まいのカビと体調の関係は一概にいえないため、体調が気になるときは医療機関にご相談ください。
- 混ぜるな危険(まぜるなきけん)
- 塩素系洗浄剤を酸性タイプなどと一緒に使うと有害な塩素ガスが出るための表示です。国民生活センターは、必ず単独で使い、換気と保護具を呼びかけています。(関連:カビ掃除の服装と道具)
- MIST工法®(みすとこうほう)
- 株式会社せらが開発した、素材を削らず、こすらずにカビを取り除く工法です。霧状の専用剤を素材とカビの状態に合わせて調整し、奥のカビまで分解・洗浄したうえで防カビ処理を行います。施工は研修・試験に合格した施工者です(MIST工法®とは)。
- 藻・コケ(も・こけ)
- 屋外の緑色の汚れの原因です。国土交通省の資料では、日当たりが悪く湿気の多い部位で起こるとされています。(関連:外まわりのカビ・コケ・藻の見分け方)
- 床下換気口(ゆかしたかんきこう)
- 床下の湿気を逃がす開口です。建築基準法施行令第22条では、最下階の居室の床が木造の場合、外壁の床下部分に壁の長さ5m以下ごとに300㎠以上の換気孔を設けると定めています(例外あり)。(関連:床下・基礎まわりのカビ)
- 落下菌(らっかきん)
- ほこりなどと一緒に落ちてくる菌です。文部科学省のマニュアルでは、培地を床上60〜70cmに置いて20分〜1時間程度ふたを開け、培養して数える方法が紹介されています。当社の落下菌検査は採取を30〜60分程度で行います(カビ菌検査)。
- 漏水(ろうすい)
- 配管や設備、屋根・外壁などから水が漏れることです。国土交通省の資料では、腐朽やカビにつながる水分として雨水・生活用水・漏水・結露・湿気が挙げられています。修理を先に行います。(関連:水漏れ・漏水のあとのカビ)
- 露点(ろてん)
- 気象庁の定義では、水蒸気圧を一定にして温度を下げたとき相対湿度が100%となる温度です。壁や窓の表面温度が露点より低いと、その面で結露が起こります。
- IPM(総合的有害生物管理)(あいぴーえむ)
- 化学薬剤だけに頼らず、複数の防除法を組み合わせて生物被害を回避・制御する考え方です(文部科学省)。ほこりをためない清掃から始まり、文化財の管理で使われます。(関連:歴史的建造物を活用する施設のカビ)
よく混同されるカビ用語の違い|防カビとは何か、除菌・腐朽・白華との区別
ご相談で特に誤解が多いのが、似ているけれど役割が違う言葉です。たとえば防カビ処理は除カビのあとの予防であり、生えているカビを取り除く工程とは別です。
| 組み合わせ | 違い | 確かめ方の例 |
|---|---|---|
| 除カビ/防カビ処理 | 取る/防ぐ | 見積書で工程が分かれているかを見る |
| 消毒/除菌 | 無毒化する/数を減らす(厚生労働省) | 製品表示が医薬品・医薬部外品かを見る |
| 表面結露/内部結露 | 見える面/壁の中・小屋裏 | 壁紙の裏や点検口の中も確認する |
| 冬型結露/夏型結露 | 暖房した室内の湿気が原因/外気の湿気が原因 | 季節と、冷えている部位を確かめる |
| カビ/腐朽 | 主に見た目の低下/木材の分解で耐力低下 | 押してやわらかいか、断面が欠けていないか |
| 白いカビ/白華など | 菌糸がある/結晶で菌糸がない | 拡大して菌糸の有無を見る |
| 相対湿度/含水率 | 空気の湿り具合(%)/素材の水分(%) | 湿度計と含水率計を使い分ける |
相対湿度も含水率も「%」ですが、前者は空気、後者は素材の水分です。部屋の湿度が落ち着いていても、ぬれた柱や合板の含水率は高いまま、ということがあります。
用語を実務で使う|現地調査・カビ菌検査・MIST工法®の流れで出てくる言葉
実際のご相談では、用語は調べる→取る→防ぐの流れの中で出てきます。説明を受けるときのチェックリストとしてもお使いください。
| 段階 | よく出てくる用語 | 確認しておきたいこと |
|---|---|---|
| 現地調査 | 相対湿度、結露、漏水、含水率、通気層、床下換気口 | 範囲・素材・水分の出どころ |
| カビ菌検査 | 落下菌、同定検査、寒天培地、培養、コロニー | 何を比べる検査か |
| 原因対策 | 除湿、24時間換気、断熱材、防湿シート、漏水の修理 | 専門業者との役割分担 |
| 除カビ | MIST工法®、アルカリ性の専用剤、区画化 | 処理する範囲と交換の有無 |
| 予防 | 防カビ処理、防カビアドバイス | 施工後の使い方の見直し |
MIST工法®では、素材に合わせて調整した霧状のアルカリ性の専用剤で、削らず・こすらずに除カビし、防カビ処理を行います。必要に応じてカビ菌検査(落下菌検査は採取が30〜60分程度、同定検査は寒天スタンプで採取して培養し種類を確定)で状態を把握します。
料金は範囲・環境・素材で大きく異なるため、現地調査のうえでお見積もりします。目安(例:室内壁面クロス1,500円〜/㎡、税別)はサービス内容と料金に掲載しています。
浴室の一部やエアコン内部など小さな範囲のカビは、ハウスクリーニングやエアコン専門業者が向いている場合があります。当社は床下・部屋全体・建物規模のカビ取りと防カビを専門にしています。
こんなときは、一度ご相談ください
- 床下・壁の中・天井裏など、見えない場所の結露やカビが心配
- 雨漏りや漏水のあと、柱や合板の含水率が高いままになっていないか確かめたい
- カビ菌検査の結果や見積書の用語がわからず、説明を聞きながら判断したい
- 部屋全体・建物全体にカビ臭があり、原因の調査から相談したい
- 工務店・管理会社・設計者として、引渡しや改修の前に状態を確認したい
写真を見ながらのご相談や、現地調査・カビ菌検査のご依頼も承っています。全国のMISTグループで対応しています。
法人の方は建築・住宅会社の方へ・公共施設のカビ取り・店舗・事務所のカビ取りもご覧ください。
よくあるご質問
Q. 除カビと防カビは何が違うのですか?
A. 除カビは、いま生えているカビを取り除くことです。防カビ処理は、除カビのあとにカビが増えにくい状態に整える予防の処理です。当社のMIST工法®では除カビに続けて防カビ処理を行いますが、湿気の原因が残ると再び生えることがあるため、換気や使い方の見直しとセットで考えます。
Q. 含水率とは何ですか?カビとどう関係しますか?
A. 含水率は、木材などの素材が含んでいる水の量を表す割合です。農林水産省の日本農林規格では、乾燥前の質量と、103℃±2℃で乾かした全乾質量から計算する方法が定められています。雨濡れや漏水、結露で含水率が高い状態が続くと、カビが育ちやすくなります。
Q. 落下菌検査では何がわかりますか?
A. 空気中からほこりなどと一緒に落ちてくるカビを培地に集めて培養し、数や様子を比べる検査です。部屋ごとや施工の前後を同じ条件で比べるのに役立ちます。当社の落下菌検査は採取を30〜60分程度で行います。カビの種類を確定したい場合は、寒天スタンプで採取して培養する同定検査を使います。
Q. 湿度が低めなのにカビが出るのはなぜですか?
A. 部屋の湿度が低めでも、冷えた壁や家具の裏、押入れの奥は湿度が高くなり、露点を下回ると結露が起こります。また、比較的乾いた環境でも育つ好乾性カビもいます。
Q. 消毒や除菌をすれば、カビ取りをしたことになりますか?
A. 厚生労働省の説明では、消毒は菌やウイルスを無毒化すること、除菌は菌やウイルスの数を減らすことで、どちらもカビを素材から取り除く除カビとは意味が異なります。広い範囲や何度も戻るカビは、除カビと原因対策をあわせてご相談ください。
Q. 用語がよくわからなくても相談できますか?何を伝えればいいですか?
A. もちろんご相談いただけます。場所の写真、おおよその広さ、いつ頃からか、雨漏りや漏水の心当たりを伝えていただくと話がスムーズです。用語は現地で実物を見ながらご説明します。
まとめ
- カビ対策の用語は、水分・湿気/カビそのもの/検査/建物・部位/対策・施工の5分野で整理すると覚えやすい
- 相対湿度は空気、含水率は素材の水分。露点を下回った面で結露が起こり、表面結露と内部結露がある
- 検査の用語は採る場所で分かれる:落下菌(落ちてくる)・付着菌(表面)・浮遊菌(空気中)。種類を確定するのが同定検査
- 除カビ(取る)と防カビ処理(防ぐ)、消毒(無毒化)と除菌(数を減らす)、カビと腐朽は別の言葉
- MIST工法®は、削らず・こすらずに奥のカビまで分解・洗浄し、防カビ処理で予防する
わからない言葉があっても大丈夫です。現地で実物を見ながらご説明します。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 文部科学省「カビ対策マニュアル 基礎編」
- 文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」
- 気象庁「予報用語 気温、湿度」
- 気象庁「気象観測統計の解説 第5章 平年値」
- 国土交通省大臣官房官庁営繕部「木材を利用した官庁施設の適正な保全に資する整備のための留意事項」
- 国土交通省「資料編(施設の性能に影響を与える木材の経年変化)」
- 国土交通省「住宅等における換気等に関する情報提供について」
- e-Gov法令検索「建築基準法施行令」第22条
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」
- 厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
- 独立行政法人国民生活センター「住宅用塩素系洗浄剤の使い方-まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています-」(2026年3月18日)
- 農林水産省「日本農林規格 製材(JAS 1083)」
- 株式会社せら「MIST工法®とは」
- 株式会社せら「カビ菌検査」
- 株式会社せら「サービス内容と料金」
用語や検査結果の読み方のご質問も、全国のカビバスターズグループ拠点と連携して本部が承ります。木造住宅は木造住宅のカビ取り、施工の事例はカビ取り・カビ対策施工例、よくあるご質問はQ&Aもご覧ください。現地調査・カビ菌検査・MIST工法®による除カビと防カビ処理については、MIST工法®とは/カビ菌検査/サービス内容と料金 をご覧ください。ご相談はお問い合わせ、工務店・管理会社など法人さまは法人・業者様のお問い合わせ、お電話は 0120-052-127 まで。
